【年末特別企画】2010年「私はこれを買いました」


 2010年を締めくくるにあたり、当サイトへ主にレビュー記事をご寄稿いただいている皆さんおよび弊誌編集者に、今年新品で購入した最も思い入れのあるデジタルカメラについて語ってもらいました。購入に至る経緯や使用しての感想などを寄せていただいています。(50音順、敬称略)

シーンモードの「ノスタルジック」が面白い


キヤノンPowerShot S95/上田晃司

 去年、カメラをほとんど買わなかった反面、今年は色々なカメラを購入してしまった。その中でも、お気に入りはキヤノン「PowerShot S95」だ。以前、購入したコンパクトデジタルカメラがオリンパス「CAMEDIA C-3000 ZOOM」なので約10年ぶりということになる。PowerShot S95は、仕事で使う機会が何度かあり気になる存在であった。特にシーンモード「ノスタルジック」の「レベル3」の何ともいえない色味が好きでいつか買おうと考えていた。

 ちょうどそのタイミングで、日常写真を撮っていた「iPhone 3GS」をうっかり落として壊してしまったためPowerShot S95購入することを決意。いざ、買おうと思っていると、急遽キヤノン「PowerShot G12」も候補に上がってきたが、コンパクトでF2の明るいレンズは魅力的だったので、予定通りPowerShot S95をネット通販で購入。仕事で何度も使っているカメラなので最初は新鮮みは無かったが、毎日持ち歩いていると意外とシャッターを切ってしまう。海外に行く時も、いつもはあまり撮影しない空港や機内、ホテルまでの道のりなどトランクを引きながらでも気軽に撮影できるので重宝している。80%はシーンモードのノスタルジックしか使っていないが、絞り優先モードやマニュアルモードのRAWで撮影するとデジタル一眼レフカメラ並の画質で撮影できるので作品撮りの時にも使うようになってきた。

 ただシーンモードは、電源を切るとOFFにしたはずのフラッシュがオートになってしまい毎回OFFにしなければならないので少し面倒だが、お気に入りのモードなので我慢して使っている(笑)。高感度もISO800までは常用でき、ISO1600でもシーンによっては使えるので使い勝手は非常に良いカメラといえるだろう。また、サードパーティーから、グリップやレリーズボタンなどが出ているのでプチカスタムできる点も物欲がそそられる。

上田晃司(うえだこうじ):フォトグラファー。今年はPowerShot S95のほかに、ライカ「M9」、ニコン「D7000」、パナソニック「LUMIX DMC-G2」を買いました。おかげで、色んな物が家から売られていきました。また、今年は海外に行く機会にも恵まれ、念願のスターアライアンスゴールドになり世界中のラウンジでタダ飯空港ライフを満喫中。

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画質とサイズを両立した無くてはならい存在


ソニーNEX-5/大浦タケシ

 2010年は、さすがに歳なのかギックリ腰など健康に関して悩むことの多い年であった。なかでも5月末、右足薬指をクローゼットの角にぶつけ骨折したことはいろんな意味で痛かった(苦笑)。外出がままならず、編集者、代理店などクライアントの方々に多大な迷惑をかけてしまったからである。

 そのような時期、中野のFカメラ店から届いたのが、前々から予約してあったソニー「NEX-5」であった。カラーはブラック、「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」と「E 16mm F2.8」のダブルレンズキットで、先行予約特典の「JOURNAL STANDARD」のカッコいいウエストバッグも同梱されていた。

 APS-Cサイズなどいわゆる大型のイメージセンサーを搭載するコンパクトモデルは、レンズ交換できる、できないに関わらず、個人的にたいへん興味あるものだ。絶対的な画質、広角レンズでも期待できるボケなどセンサーが小さいモデルにくらべアドバンテージは圧倒的に高いからだ。だから、最初にそのようなモデルとして登場したシグマ「DP1」は即購入したし、その後の「DP2」も発売と同時に手に入れた。NEX-5の購入についても同様の理由からであるが、さらに今回は、贅肉をギリギリまで削ぎ落としたボディシェイプも購入に至るもうひとつの理由となった。

 手に入れて半年、途中骨折も治りいろいろと使っているが、NEX-5は今や私にとってなくてはならない存在になっている。標準ズームを付けてもまだまだコンパクトなボディは気軽に携帯できるし、DPシリーズと違ってサクサクと撮れるのもいい。もちろんAPS-Cならでの描写も満足できるものである(レンズはもう少し頑張ってほしいけど)。マウントアダプターを介してほかのレンズを楽しむことはこれまでさほど嗜むほうではなかったが、先般のファームアップの際にいろいろ試してみたら楽しくて仕方がなかったのも、このカメラならではといったところだ。

 9月のフォトキナで発表されたEマウントレンズのロードマップには入ってなかったようだが、焦点距離20mmから30mmぐらいの高性能な単焦点レンズがあれば、さらに手放すことのできないカメラになるように思えて仕方がない。

大浦タケシ(おおうらたけし):フリーカメラマン。今年の反省点は、どこにも撮影旅行に行けなかったこと。いくつか予定はしていたものの、いろいろと雑用に追われて、結局キャンセル。マイルもたまっているし、来年こそは国内外を積極的に撮り歩きたいなぁ。

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高感度も安心で気軽に楽しめるカメラ


キヤノンEOS Kiss X4/北村智史

 35mmフルサイズのニコン「D700」とフォーサーズのオリンパス「E-620」の2台体制だったが、「D700」は気軽に持ち歩くには重いし、「E-620」はAFがいまひとつ高感度も弱い。で、キヤノン「EOS Kiss X4」は、その隙間を埋めるために選んだ次第。

 ほどほどに軽くて高感度もわりと安心して使えるし、AFの精度もいい(中央以外はちょっと落ちる)。ミラーのパタパタ駆動がないライブビューも快適だし、フルHDで動画も撮れる。気軽に使う分にはとても楽しめるカメラだと思っている。

 ただまあ、エントリークラスのカメラだけに、物足りない部分もいろいろある。ファインダー倍率が低いうえにフォーカシングスクリーンもピントの山がつかみづらいタイプなので、MFでのピント合わせはほぼあきらめ状態。バッファメモリーも少ないから連写しようものならあっという間に止まってしまう(JPEGだけでいいなら十分幸せですけど)。このあたりは我慢しなくちゃいけない部分だし、MFや連写が必要なときは「D700」を使えばいいだけなので、そんなに問題はないのだけれど、RAWのファイルサイズが凶悪なのだけはやっぱり泣ける。

 あとはレンズをもう少し増やしたいところで、望遠ズームをどうしようかと思案中。性能面を考えれば「EF 70-200mm F4 L IS USM」あたりを狙いたいけれど、予算の問題もあって思案が長引いたままになっていたりする。来年には何とかせねば。

北村智史(きたむらさとし):今年も気になるカメラがいっぱい登場したけど貧乏には勝てず。来年も頑張って(と言うか、カミサンの目を盗んで)1マウント増やせれば、と考えているところ。うまくいくかどうか不明ですが。

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とにかくコンパクトに惹かれた1台


ソニーNEX-5/小山安博

 基本的に、デジタル製品はコンパクト至上主義なので、特に持ち歩くものはコンパクトなものがいい。写りや使い勝手も重視してキヤノンのデジタル一眼レフカメラからオリンパス「E-420」、同「E-P1」と小さくなってきたが、今年はフォーサーズよりも大きいAPS-Cサイズのセンサーを搭載しながら、さらに小さいボディサイズのソニー「NEX-5」が登場した。その本体サイズの小ささに惹かれて、ほとんど何も考えずに購入してしまった。

 NEX-5は、独特の外観がとにかく目立つが、コンパクトであることが何よりも楽しい。E-420以来、すっかりたすき掛けでカメラを持ち運ぶようになったが、カメラ自体はどんどんコンパクトになって、どんどん手軽に持ち歩けるようになった。

 APS-Cサイズのセンサーを搭載し、コンパクト。NEX-5の特徴は、実はそんなに多くはない。カメラとしてはオーソドックスで、コンパクトでも可動式液晶をうまく詰め込んだ技術力には舌を巻くが、撮影機能はそれほど豊富な方ではなかった。しかも初心者向けを目指したせいか、UIにちぐはぐさを感じる結果に。

 それでも、スイングパノラマに3D撮影機能を追加したり、操作性の改善が行なわれるなど、ファームウェアのバージョンアップも行なわれ、使いやすくなってきた。レンズラインナップがまだ足りないし、ライバルのマイクロフォーサーズ陣営も頑張っているところで、そちらにも目移りしてしまっているが、こうした切磋琢磨は、購入する側にとっても楽しいものだ。

 今後、ソニーがどんな手を打って、どんな製品を送り出してくれるのか。将来の楽しみも感じさせてくれるカメラだ。

小山安博(こやまやすひろ):IT系フリーランスライター。今年はカメラよりもスマートフォンに手を出しすぎた1年。「iPhone 4」のカメラ機能は優秀ですが、それがコンパクトデジカメの新たな一歩につながることを期待。次の初日の出はNEX-5でチャレンジしてみます。

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ペンタ史上最速のレスポンス


ペンタックスK-5/伊達淳一

 ペンタックス贔屓のボクとしては、今年もっとも気に入ったデジタルカメラは、もちろん「K-5」。外観は同「K-7」とほとんど変わらないものの、連写スピードが7コマ/秒へと速くなり、シャッターやミラー駆動も実に静粛で上質なフィーリング。レリーズタイミングも[フォーカス優先/レリーズ優先]を選べるようになるなど、ペンタ史上、最速のレスポンスを誇る。

 K-7からの最大の改良ポイントは、高感度の画質。ISO400までのK-7の画質は結構好きなのだが、ISO800を超えるとカラーノイズ、輝度ノイズの両方が増えてきて、あまり積極的に使える画質ではなかった。そのため、F値があまり明るくないボーグ(天体望遠鏡)と組み合わせるために、急遽、高感度画質に定評のあるペンタックス「K-x」(オリーブ)を買い足したくらいだ。しかし、K-5は、オンチップ・カラムA/D変換のCMOSセンサーの採用で、高感度ノイズが非常に少なく……、というか、ノイズはそれなりにあるのだが、粒が細かく揃っていて、しかもバンディングがほとんどないので、高感度にしても(ノイズはあるが)それほど画質が低下しない。さらに、高感度NRの強度を感度別に細かく指定できるので、解像感とノイズのバランスを、好みに応じて自在に調整できるのも特筆すべき特徴だ。

 これだけ連写や高感度に強くなってくると、望遠ズームが欲しくなってくる。手持ちのAFレンズで望遠系は、「DA★ 50-135mm F2.8 ED SDM」と「DA★ 300mm F4 SDM」、「DA 55-300mm F4-5.8 ED」の3本。それ以上の画角は、AFアダプター1.7X+BORGという組み合わせでしのいでいたのだが、飛行機などを撮影していると500mmまでのズームレンズがどうしても欲しくなり、思い切ってシグマ「APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM」(通称BIGMA)まで買ってしまった。

 ペンタックスはボディ内手ブレ補正を採用しているので、たとえ天体望遠鏡であっても焦点距離を手動入力すれば手ブレ補正の恩恵を受けられる。しかし、超望遠を手持ち撮影するとファインダー像が非常に不安定で、ピントや構図の確認も一苦労だ。その点、BIGMAは手ブレ補正を搭載しているので、手持ちでも非常に快適に撮影できる。もちろん、そのときはボディ内手ブレ補正をOFFにする必要があるが、K-5には、設定を記憶できるUSERモードが5つあるので、その1つに手ブレ補正OFFの設定を記憶させている。これで手ブレ補正の切り忘れや戻し忘れがなくなり、快適なK-5&BIGMAライフを堪能している。

伊達淳一(だてじゅんいち):「K-r」も欲しかったりするのだが、とりあえず12月24日のコレジャナイモデルに挑んでみるつもり。正直、コレジャナイの顔は要らないから、タワーレコードモデルみたいなモザイクカラーボディを期間限定で受注生産してくれないかなぁ。はい、実はタワレコモデルのK-xも買ってます(汗)。

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マウントアダプター遊びに最適な1台


ソニーNEX-3/中村文夫

 レンズ交換式デジタルカメラのなかで最短のフランジバックと大型撮像素子。誰が何と言おうと、ソニーNEXはマウントアダプターのために生まれたカメラだ。これを如実に表しているのが、マウントアダプターの種類の多さではないだろうか。特に中国メーカーの勢いはすさまじく、あっと言う間にあらゆる種類のアダプターが揃ってしまった。

 私がNEXを買った最大の目的は、マウントアダプターで遊ぶため。2機種あるNEXのうち私が選んだのは普及機の「NEX-3」で、最大の理由はNEX-3の方がグリップの出っ張りが少ないからだ。たとえば暗箱などに取り付けてデジタルフィルムバックとして使用する際、ボディがフラットな方が暗箱側との干渉が防げるので有利。それにNEX-3はボディの底面が平らなので、雲台に取り付けたときの安定感も高い。それから忘れてならないのがコストパフォーマンスの高さだ。NEX-5とのスペック上の大きな違いは、フルハイビジョン動画撮影機能の有無だけ。どうせ動画は撮らないからNEX-3で十分だ。

中村文夫(なかむらふみお):Eマウントレンズはキットで同時購入したズーム1本だけ。この一方で、マウントアダプターと交換レンズは着実に増え続けている。

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独特の色とトーンが魅力のライカデジタル


ライカ「M9」/塙真一

 ライカはフィルムで使いたいと思っていたが、「M9」の発表で心が動いた。理由はフィルムカメラのMシリーズとまったく同じ画角でレンズが選べるから。ライカMマウントのレンズに関しては、一般のカメラのようにズームレンズもなく、選べるレンズの焦点距離は非常に少ない。それだけに、センサーサイズの違いが、撮影時の距離感に直結する。特に、50mmのレンズを複数持つ私にとって、この標準レンズを今まで通りの感覚で使えるというのは大きい。

 そうはいっても、M9の価格はプロ用デジタル一眼レフカメラに匹敵するほどのもの。いつかは欲しいとは思っていたが、そのタイミングが来ることなく、2009年を終えてしまった。そして、2010年に入って、最初のニューヨーク行きが決まったとき、「ニューヨークをM9で撮ってみたい」という欲求で頭の中がいっぱいになってしまった。そこで懇意にしているカメラ店に連絡をし、とにかく入手したいとお願い。かろうじて、ニューヨーク行きの数日前に手にすることができたのだ。渡航前に一通りの動作チェックは行なったが、実際にはほとんどぶっつけ本番での撮影。それでもM9は、独特の色とトーンを感じさせる味わい深い写真を記録してくれた。

 それ以来、“海外にはM9”というのが私の基本。もちろん、ほかのデジタルカメラも同時に持って行くが、かなりの頻度でM9を掴んでしまう。国内での作品撮りでも、気持ちが乗ってくるとM9を手にしているという状況。

 当たり前だが、M9にはAFはない。測光方式も中央重点のみというシンプルなもの。だが、自分でピントを合わせ、露出を考えるという、撮影本来の思考と動作がとても気持ちいい。カメラは撮影するための道具であって、それを上手く使えたときには思い通りの写真に仕上がってくれる。そんな当たり前のことを思い出させてくれる良き相棒なのだ。

塙真一(はなわしんいち):M9は買ったものの、最新のライカMレンズまでは手が届かず。でも、フィルム時代からのお気に入りレンズは、デジタルになっても味わい深い描写をしてくれているので満足。そういえば、12月17日にインプレスジャパンより「Nikonユーザーのためのレンズ&アクセサリーガイドブック」が発売になりました。こちらもぜひよろしくお願いします。

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シンクロターミナルが購入の決め手


キヤノンEOS 7D/藤井智弘

 昨年はライカ「M9」やカールツァイス「バリオゾナーT* 24-70mm F2.8 ZA SSM」を買ったおかげでフトコロが寂しくなり、デジタル一眼レフカメラは購入できなかったのだが、今年は欲しかったキヤノン「EOS 7D」をやっと手に入れた。

 私はもともとキヤノンユーザーで、フィルムの頃からEOSを使ってきている。ただプロになってから様々なメーカーの機種を使いはじめ、EOS以外で撮影することも多くなった。EOS 7Dが発売された時も、完成度の高さから欲しくなったが、手持ちの機材でも仕事はなんとかこなせている。そのため優先順位が下がってしまい、なかなか買えない状態だったのだ。とはいえ欲しい気持ちに変わりはない。今年になって、手に入れる機会をうかがっていた。

 そんな私が購入する決心をしたのが夏過ぎ。理由のひとつが、驚くほどEOS 7Dの価格が下がったこと。さらに「EOS 60D」の登場だ。EOS 60Dも候補に入れたが、EOS 7Dと比べてみると、あえてそれを選ぶ理由があまりない。特に重要だったのが大型ストロボで撮影する際に使用するシンクロターミナル。EOS 60Dは、EOS 50Dまであったシンクロターミナルを省略してしまった。だがEOS 7Dには装備されている。しかも価格はEOS 7Dの方が安いくらい。また、ちょうど他誌で、フォトキナ取材の依頼も来た。EOS 7Dを買うのは今がベストだと判断したのだ。

 EOS 7Dは購入してから、依頼仕事でのメインカメラとして大活躍している。ライブビュー時のAFが遅い点は不満だが、全体的な操作性や写りは概ね満足できるレベル。電子水準器も便利だ。ただ作品撮影はメインがM9なので、EOS 7Dの出番は今のところほとんどなし。しかし作品の内容によっては、積極的に使ってみようかと、現在いろいろ思案している。

藤井智弘(ふじいともひろ):写真家。現在欲しい機材はレンズ。M9用に「ズミルックスM 50mm F1.4 ASPH.」が欲しい。お値段がお値段なだけに、決断には勇気がいるが、結局は買うだろう。それを持ってヨーロッパを撮ろうと、イメージを膨らませている。またEOS用の超広角ズームも考え中。

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天候が悪くても安心感を持てるボディ


キヤノンEOS 7D/吉住志穂

 100mmぐらいの中望遠レンズを使うとき、私の場合は35mmフルサイズよりも、APS-Cサイズの撮像素子の方がしっくりきます。そのため、キヤノン機は「EOS 40D」、「EOS 50D」と買い替えてきました。もちろん「EOS 7D」も購入。EOS 50Dに大きな不満はなかったので、EOS 7Dの購入は少し迷いました。しかし、購入して良かったです。

 特に、ボディの造りがよくなり、少しぐらい天候が悪くても安心感を持てるのはありがたい。電池も良く持ちます。また、グリップが握りやすくなったこともあり、「EF 100mm F2.8 L Macro IS USM」を使った手持ちでの撮影が少し増えました。AFもスッと合って使いやすい。マニュアルフォーカスばかりだった私が、最近は高速なAFを使っての撮影にも挑戦しています。画質にも不満はありません。

 今気になっているのが、ボディが軽量になり、バリアングル液晶モニターがついた「EOS 60D」です。正直、私の撮影にあっているのはEOS 60Dの方かな、と思うこともありますが、しばらくはEOS 7DとEF 100mm F2.8 L Macro IS USMで作品づくりをしていこうと思います。

吉住志穂(よしずみしほ):写真家。2010年はDVDを2本と書籍1冊を出版しました。昨年よりも仕事の幅を広げることができ、充実した1年でした。来年以降は30代として新たな雰囲気で作品を発表したいです。

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遅ればせながら手に入れた高級コンデジ


リコーGR DIGITAL III/吉森信哉

 言わずと知れた“大口径単焦点レンズ搭載の高性能コンパクト”。発売は2009年8月。発売から1年半近くも経ってる製品で、すでに昨年のこの企画で種清豊氏が取り上げている(長期リアルタイムレポートでも連載中)機種である。遅ればせながらボクも買いましたヨ。……ええ、遅ればせ過ぎですが(苦笑)。

 このリコー「GR DIGITAL III」は、発売当初から気になっていたカメラだし、カメラ誌で新製品レポートを担当したこともある。だから、その写りの良さ(F1.9に大口径化されたレンズの描写や、高感度画質など)や操作性の良さは、すでにチェック済み。

 でもなぁ、けっこう高価だったんだよね、このカメラ。発売当初は8万円前後もしたし、その後もあまり値崩れせずに高値安定が続いていた。この手のカメラは、仕事に直結するモノじゃないから、余計に高価に感じるのかも……。でも、発売から1年以上経っても、GR DIGITAL IIIには魅力を感じていたので、もう少し安くなったら……そう、実質価格(大手量販店でポイント還元分を引いた価格)が5万円を切ったら買ってもイイかなぁ~と思っていた。

 そして、11月下旬、大手量販店じゃないけど“4万円強”の値段が付いてた店で、ようやく買った。そういえば、単焦点レンズのコンデジを買うのって初めてかも。でも、以前はフィルムのリコー「GR1」を愛用してたから、広角28ミリの画角に対する不満や違和感はない。

 購入してまだ3週間弱(執筆時点)。その間、仕事の撮影や原稿執筆が忙しかったので、まだ本格的に使い込んでいない。それでも、仕事先の行き帰りや、執筆期間中の気分転換(近所の公園とかに行く)などで、首からぶら下げたGR DIGITAL IIIで、ちょこちょこ撮影している。いま、裏コマンド(?)で総ショット数をチェックしたら「664ショット」だった。へぇ~、意外と撮ったんだなぁ。この年末年始、総ショット数はさらにグ~ンと伸びそうだ。

吉森信哉(よしもりしんや):フォトグラファー。祝・東北新幹線「八戸~新青森」開業! もうすぐ祝・九州新幹線「博多~新八代」開業!! ということで“乗り鉄”の自分としては、行かねばなるまい東北&九州、用事はなくても。「その旅費があれば、欲しいレンズが買えるのに」とか考えちゃダメだ!(笑)

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高感度性能の大幅な進化が嬉しい実力派カメラ


ペンタックスK-5/関根慎一

 私がK-5を購入したのは、発売後間もない10月16日。購入の決め手になったのは、大幅に進歩した高感度性能と、2軸式になった電子水準器です。

 比較的装着する頻度が高いのはコシナの「Planar T* 1.4/50 ZK」とペンタックスの「DA 21mm F3.2 AL Limited」の2本。明るめのレンズでも一段程度絞って使いたいたちなので、ISO1600くらいまで躊躇なく感度を上げられるのは嬉しい限りです。また、三脚を立てて風景や夜景を撮る機会が多いので、2軸式の電子水準器は、K-5の導入早々、大いに役立っています。

 その一方で、メジャーアップデートであるはずの高速連写やフルHD動画記録などは、まだそれほど試せていません。もともと連写するような撮り方をしていないし、動画を撮るには静止画とはまた別のノウハウがあるので、手を出しづらいというのもあります。とはいえ、せっかくの機能は活用しないともったいないということで、来年は動き物でも撮ろうかと思っています。

 Kマウントといえば、今年はカールツァイスからZKレンズ製造終了のニュースがありました。人気のあるシリーズなので、在庫が払底する前に、せめてPlanar T* 1.4/85 ZKあたりを確保しておきたいところです。

関根慎一(せきねしんいち):Web編集者。2010年は念願の工場撮影にチャレンジしました。対象は巨大建造物だけに、撮れる範囲も広いだろうと思っていたら、意外とアングルの自由が利かないことが判明。現在、望遠ズームレンズの追加購入を検討中。比較的ゆっくり沈んでいるのは自覚しているのですが、こうしてどんどん深みにはまっていくのを止めることができないところが、レンズ沼の怖いところですね。

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身軽さは“いさぎよさ”から


オリンパス・ペンライトE-PL1/鈴木誠

 思うところの大半は「気になるデジカメ長期リアルタイムレポート」で語り尽くしてしまったのだが、とにかくコンパクトでありながら仕事(弊誌記事の写真など)にも使える画質を得られる点が気に入っている。オリンパスのマイクロフォーサーズレンズにはこれまたコンパクトな超広角ズームレンズや高倍率ズームレンズが存在し、いずれも旅のお供に最適だった。

 ほかのマイクロフォーサーズカメラとE-PL1を比較すれば、ダイヤルがなかったり、液晶モニターが物足りなかったり、欲を言いたくなるポイントは多い。けれど、そこを厳選してコンパクトにまとめた点が何よりの功績ではないだろうか。私にとっては、そのいさぎよい割り切りから生まれたであろう小型・軽量・安価がオリンパス「E-PL1」における最大の魅力だった。

 機能に対する大抵の不満は、一眼レフカメラやコンパクトカメラを使えば解決できる。むしろ、それらと使い分けてこそマイクロフォーサーズは存在感を発揮すると思っている。多少欲を言いたくなるぐらいがちょうどいいのかもしれない。是非ともペンライトシリーズには、このいさぎよさを受け継ぐミニマム志向のシリーズとして今後も発展していってほしい。

鈴木誠(すずきまこと):Web編集者。増え続ける楽器と関連書籍で自室はパンク寸前。今年はそれにカメラ機材が拍車を掛けました。年末は思い出のFM TOWNSやMacintoshを送り出しつつ、今後に備えます。

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デジカメWatch編集部

2010/12/16 11:59