デジカメ Watch


 2008年を締めくくるにあたり、当サイトへ主にレビュー記事をご寄稿いただいている皆さん(プラス2名)に、今年新品で購入したデジタルカメラのうち、最も思い入れのあった機種について、購入に至る経緯や使用しての感想などを寄せていただきました。(50音順、敬称略)




●動きものの撮影にはおすすめ
ソニー「α350」 / 安孫子卓郎

SP AF 17-50mm F2.8 XR Di IIを装着したα350。奥はAPO 50-150mm F2.8 II EX DC HSM
 以前オリンパスから「E-330」が発表されたとき、これぞ犬猫用理想の一眼レフと驚喜したものです。E-330は液晶が水平にしか動かず、AFももっさりした動作でしたが、それでも犬猫の撮影では大きな威力を発揮しました。しかし残念ながらオリンパスは後継機を出してくれず、失望していたのですが、2008年はソニーがクイックライブビュー方式の「α350」を発売してくれましたので、歓喜をもって購入しました。

 オリンパスの「E-30」やパナソニックの「LUMIX DMC-G1」など、コントラスト検出式のAFもかなり進化してきてはいますが、α350の位相差AFにはかないません。猫の場合は止まっているところを撮影することが多いので、LUMIX DMC-G1やE-30でも十分対応できるのですが、犬はじっとしている場面を撮影する方が例外的で、ほとんどの場合は動いています。

 α350の液晶モニターは可動しますが横位置にしか対応しておらず、またAFもその後発表された「α900」などに比べればまだまだのところがあります。逆に言えば後継機種では格段の進歩も期待できるわけで、2009年に後継機種が発売されることを熱望しております。

 レンズはタムロンの「SP AF 17-50mm F2.8 XR Di II」と、秋には待望のシグマ「50-150mm F2.8 II EX DC HSM」がα対応となりましたので入手しました。残念ながらソニーにはAPS-Cに特化してF2.8を実現した、手頃な軽量レンズがありません。そのあたりが今後の問題点だろうと思いますが、タムロンとシグマ、この2本のレンズでも十分満足のゆく描写性能です。ドッグランで犬の撮影をするときには、現在必須の組み合わとして重宝しています。

安孫子卓郎(あびこたくお):カメラマン・ライター。被写体は犬、猫とFC町田ゼルビアが中心。動き物ばかりを追うこととなってしまいましたが、オールドレンズで動かない物も撮っています。2008年12月23日~2009年3月2まで、薬師池公園内・町田市フォトサロンで、FC町田ゼルビア展を開催。(年末年始と火曜休館)

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●国産デジカメとは一線を画するおもしろさ
サムスン「NV24HD」 / 飯塚直

NV24HD
 9月23~28日に、ドイツのケルンメッセで行われた「フォトキナ2008」に取材スタッフとして参加してきた。初めての海外取材だったこともあり、どうせなら日本で購入できない(量販店などで売っていないという意)デジカメを買おうと思って選んだのがサムスン「NV24HD」だった。価格は249ユーロ。

 このカメラを選んだ一番の理由は、HDビデオ撮影に対応していたり、AM-OLED(有機EL)やスマートタッチという独自のインタフェースを採用していたりと、メカニカルな部分で興味深い点が多かったから。さらにカラーチャンネルを変えるための専用ダイヤル「PHOTO STYLEダイヤル」を軍艦部に備えるなど機能面で国産デジカメとは一線を画す。

 正直なところ、レビューを書かせてもらったら御の字という下心もあったりした。実際使ってみると、海外仕様なために電源コネクターの形状は日本とは違い、変換アダプタを利用する必要があるなど少々面倒。とはいえ、デジカメでは珍しくUSB充電に対応しているので、国内での利用はUSBに頼ることになる。

 というわけで、USB-AC変換アダプタを利用して充電していたのだが……2回目の充電くらいでどうにも電源ケーブルの調子が悪い。そして一切充電できなくなるという結果に。どうも内部で断線していたようだ。海外製品を購入した際は、壊れた時の保障がどういうふうに行われるのかというのをシッカリ確認しなくてはならないと痛感した次第だ。

 とりあえず海外のオークションを利用してケーブルを入手。購入以来、使っていた時間よりも電池切れで眠っていた時間の方が長く、現在、その時間を挽回すべく持ち歩く毎日である。ちなみに、インターフェースのスマートタッチは慣れると両手で利用でき、操作はサクサクと行える。

 電源ケーブル不調のせいで完全にレビューのタイミングを逃してしまった「NV24HD」だが、ネタカメラとして面白かったかなと。

飯塚直(いいづかなお):パソコン誌&カメラ誌、Web媒体を中心に編集、執筆活動を行なうフリーランスエディター。撮影ロケの時、ネットブックを持ち歩くか、それともフォトストレージにするか真剣に悩み中。皆さんはどちらを持ち歩きますか?

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●大型センサーを搭載した唯一無二のコンパクト
シグマ「DP1」 / 大浦タケシ

DP1
 とにかくイメージセンサーの大きいコンパクトデジカメが欲しかったボクにとって、シグマ「DP1」は待ち焦がれていたカメラ。小さなイメージセンサーの普通のコンパクトデジカメだと記念写真程度ならいいけど、ちょっと気合い入れて撮りたいような被写体と出会ったとき、やっぱり大きなイメージセンサーのカメラで撮りたいと思うことが常だったからである。

 いうまでもなくフォトダイオードが大きいほうが描写ではゼッタイ的に優位だし、ボケ具合なども一眼レフの描写に慣れた目には自然。とにかく、大きなイメージセンサーを持つコンパクトが欲しいのだと、切に願い続けていたら、とうとう夢が叶ってしまったのである。

 発売日の朝一番で引き取りに行ったDP1は、良きも悪きもボクが思っていたとおりのカメラだった。一般的なベイヤー方式の撮像素子にくらべ描写にややクセはあるものの、当ったときのそれは、ほかのコンパクトデジカメを遥かに凌駕し、デジタル一眼レフの代わりとして充分といえる素晴らしい描写である。

 もちろん、高い解像度やメリハリのあるコントラストなど単焦点レンズならではの光学特性も良質の描写の一端を担っているといっていいだろう。RAWでしかこのカメラの真価は発揮できないが、個人的には一眼レフはRAWで撮ることが多いので面倒に思うようなこともない。

 旧態然としたメニューの操作性や画像の書き込み時間の遅さなど、最新のデジタルカメラとして消化しきれてない部分もあるけれど、これも想定の範囲内のことであり、大型のイメージセンサーを搭載する唯一無二のコンパクトデジカメだと思うとなぜか許せてしまうのである。カメラ仲間のなかには、ファームアップを幾度も繰り返しているのは元々の完成度が低いからだという口の悪い連中もいるが、ボクはメーカーがユーザーに飽きさせないための工夫だとポジティブに思うことにもしている。

 価格を考えるとコンパクトデジカメとしてはちょっと贅沢だったかなぁと思うこともあるけれど、ボクにとってDP1は買ってよかったと思える数少ないカメラのひとつ。35mm判に換算して40mmの画角とF2.8の明るさを持つ「DP2」が2009年には発売される予定だが、それとのコンビだともっと愉快に使えそうだ。

大浦タケシ(おおうらたけし):せっかくDP1を買ったのに、2008年はあまり旅に出かけることができませんでした。仕事では様々なところに行きましたが、2009年はそれで貯まったマイルを使いどこか行ってみたいと考えています。

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●人の記憶を定着させたような描写が楽しめる
ローライフレックス「MiniDigi AF5.0」/ 河田一規

MiniDigi AF5.0
 ずいぶん前から「これ欲しいなぁ」と思いつつも、なぜか手に入れそびれていたローライフレックス「MiniDigi AF5.0」をついに買ってしまった。二眼レフの名機、「ローライフレックス2.8F」を忠実にミニチュア化したアレである。

 フィルムカメラの歴史的な名機をデジタル&ミニチュア化した製品としては、このMiniDigi AF5.0のほかにもライカ「M3」をモチーフとした「DCC Leica M3(5.0)」も発売されているが、DCC Leica M3は背面の液晶モニターを見ながら撮影するという、本物のM3とは異なる撮影スタイルなのに対し、MiniDigi AF5.0はピントフードを立ち上げると現れる液晶モニターを見ながらウエストレベルで撮影できる点が本物のローライフレックスっぽくて気に入っている。

 残念ながら2つあるうちの上のレンズはダミーだし、針式の露出計もダミーだけど、フォーカスノブや絞りとシャッター速度のダイヤルがいずれもクルクルと可動するなど、ミニチュアとしての作り込みはかなりハイレベルだ。1コマ撮影するごとに、巻き上げクランクを回さないと次のコマが撮影できないようになっているのも実機っぽくていい感じである。

 ホワイトバランスは変更不可、露出補正もできないといったスペックから想像できるとおり、MiniDigi AF5.0の写りは最近の高機能で高画質化したカメラ付き携帯にも及ばないレベルだが、写りすぎるくらい写ってしまうこの頃のデジカメ画像を見慣れた目には、逆にそのユルい描写が何とも心地よい。

 一般的なよく写るデジカメ画像の場合は細部まで高精細に描写されるので、その特性は記憶を強力に補う方向にあるのに対し、MiniDigi AF5.0のあまり高精細ではない写りは、ちょうど人間の記憶に近く「人の記憶を画像として定着させたらこんな感じでは?」と思わせてくれるところがある。

 手に入れたのは12月の初めなので、まだあまり使い込んではいないが、常時持ち歩いても気にならない大きさなので、いろいろなところへ持ち出してみたいと思っている。

河田一規(かわだかずのり):カメラマン、ライター。今年買ったカメラはほかににシグマDP1とかパナソニックのLUMIX DMC-G1など、ちょっと変わったヤツ……いや、個性的な機種ばかり。どうやら王道よりは亜流というか、反主流派的なカメラが好きなようです。

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●あらゆる用途に大活躍
ニコン「D700」 / 北村智史

APO Macro 150mm F2.8 EX DG HSMを装着したD700
 かなり衝動的に欲しくなってしまったことや、買った前後の話については長期リアルタイムレポートにも書いたとおりで、付け加えなきゃいけないことはなさそうに思う。

 で、その後どんなふうに活用しているかというと、もう何でもかんでも、である。仕事の撮影はもちろん、趣味としての撮影も「D700」なら、家族で遊びに行くときの写真もD700である。ケースバイケースだとかTPOだとかはまるっきり関係なしに、とにかくD700という感じで使っている。

 カメラ自体を気に入っていることもあるが、放っておくと楽なほうに流されてしまいそうなこともあって意識して使っている部分もある。なにしろ、オリンパスの「E-520」ならレンズ2本で28mm相当の広角から300mm相当の望遠までの範囲をカバーできて、しかもD700のボディー単体より110gも軽かったりする。それに比べてD700のほうはと言えば、重いうえに単焦点レンズしかないのだから、前もって気合いを入れておかないと、常時お留守番になりかねないのである。

 それはさておき、いわゆるAPS-Cサイズのカメラやフォーサーズ機をメインにしていたころよりも深い絞りを使うようになったこともあって、ゴミやホコリの写り込みが増えた気がしている。まあ、ゴミ取り性能抜群のオリンパスと比べるのは気の毒な気もしなくはないが、ゴミ発見率がアップしたのはたしかである。

 もうひとつ、気になっているのが、ブツ撮りのときのパースペクティブ。同じ焦点距離ならフルサイズ機のほうが画角が広くなる分、斜めアングルから撮ったときにはパースペクティブが強く出る。APS-Cサイズ機と100mmの組み合わせなら気にならない形のゆがみが、フルサイズ機では目立ってしまう。

 もっと焦点距離の長いマクロレンズが……というわけで、シグマの「APO Macro 150mm F2.8 EX DG HSM」を手に入れた。望遠マクロとしては焦点距離は短めだが、狭い我が家でのブツ撮りには取り回しがしやすいうえに、開放F2.8だし普通に望遠レンズとしてそれなりに使えそうな軽さなのもお気に入りポイントだ。

 とまあ、そんな感じでレンズも少しずつそろってきたかなぁという状態である。

北村智史(きたむらさとし):おもにデジタルカメラ関連の記事を書いて生計を立てているライター。今年は大物を買ってしまったうえに、テレビやオーブンレンジとかの家電の買い替えとかで出費がかさんだものだから、けっこう生活苦な1年でした。

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●パンケーキレンズと組み合わせた機動性の高さ
オリンパス「E-420」 / 小山安博

ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8を装着したE-420
 昨年は「E-410」の購入をガマンした筆者だったが、今年は結局「E-420」を購入。単純なスペックアップだけだったらガマンできたが、パンケーキレンズ「ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8」が同時発売されたため、“レンズとボディ全体でコンパクトに収まる”というのが購入のポイントだった。

 取材やレビュー機材のブツ撮りはこれまで通りキヤノンの一眼レフを使い、E-420はほぼプライベート利用だけ。たまに取材でも使ってはいるものの、手ブレ補正がないし外部ストロボも購入していないので、仕事ではあまり使っていない。その代わり、プライベートでは良く持ち歩いている。

 何しろ、機動性の高さがいい。それまではプライベートでもEOS 40D+EF 17-40mm F4 L USMに、室内だと外部ストロボを使うことが多かったが、とにかく重いので、E-420+25mm F2.8のコンパクトサイズは魅力的。

 普段はストラップを長めにしてたすき掛けにして持ち歩いており、25mm F2.8のレンズキャップもねじ込み式からバネ式に変え、素早く脱着ができるようにしたので、気になったときにサッと取り出して撮影できる。ポケットやバッグの中に入れていない分、機動力に関してはコンパクトデジタルカメラとそう大差はない。旅行先などでは、荷物が減って大助かりだ。

 25mm F2.8だと広角が物足りないので、標準の「ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」も持ち歩くようにはしている。あとは「ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6」も欲しいのだが、今度は「マイクロフォーサーズ」が発表され、特にオリンパスがドイツのフォトキナ2008で展示していたプロトタイプが、小さい物好きの筆者の心をわしづかみ。ちょっと様子見の気分になってしまっている。

 あとは高感度時のノイズと手ブレが不満点。とはいえ、プロトタイプ通りの大きさのものが出ればマイクロフォーサーズを購入することになりそうだ。

小山安博(こやまやすひろ):フリーランスライター。海外出張のたびに何かをなくす。今年もやりました。来年も年2回の海外出張になりそうなので、当面の目標は海外出張中にものをなくさないこと。

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●発色とファインシャープネスが気持ちいい
ペンタックス「K20D」 / 伊達淳一

DA★ 300mm F4 ED [IF] SDMを装着したK20D
 “2008年に実際に購入したデジタルカメラでもっとも気に入った1台”と聞かれ、いったい今年は何を買ったのか、もはや忘却の彼方なので記憶の糸をたどりながら買った順にリストアップしてみると、

  • ペンタックス「K20D」
  • キヤノン「EOS Kiss X2ダブルズームキット」
  • ニコン「D60ズームキット」
  • ソニー「α350(限定版シルキー)ズームキット」
  • ニコン「D700」
  • パナソニック「LUMIX DMC-LX3」
  • キヤノン「EOS 50D」
  • キヤノン「IXY DIGITAL 3000 IS(限定レッド)」
  • パナソニック「LUMIX DMC-G1(ブルー)レンズキット」
  • キヤノン「IXY DIGITAL 2000 IS」(デジスコ用予備)


 うーん、今年こそ散財はやめようと思っていたのに、物欲には勝てなかったようで……(笑)。

 どのカメラも自腹を切ってまで欲しいと思って買ったわけで、どれもそれなりに気に入っているのだけれど、1台を選べ、と言われると悩ましい。撮影していて楽しいのはD700やEOS 50Dだし、ハイエンドコンパクトデジカメ(死語)として気に入っているのはLUMIX DMC-LX3やLUMIX DMC-G1。でも、仕上がりというか、撮影したという満足度が高いのは、K20Dだったりする。

 ボクがペンタックスK20Dを気に入っているのは、発色が実にリバーサル的というか、ボクの好みにマッチしていて、RAWから現像し直さなくてもJPEG撮りで十分満足いく仕上がりが得られるから。それと、“ファインシャープネス”に設定すると、ピクセル等倍で見たときにレンズの実力以上にキレがよく感じるのも気持ちがイイ。まあ、シャープネスによるごまかしなんだけど、輪郭強調の縁取りが細いので、それほど下品な描写にならないのだ。

 そして、K20D最大の特徴が、撮影した後でホワイトバランスやカスタムイメージを変更できる点だ。バッファメモリに、最後に撮影したRAWイメージが残っているので、液晶モニターで色調を確認しながらパラメータを変更、新規JPEGとして保存できるという機能だ。

 また、カメラ内RAW現像も搭載されていて、これがまた実に便利。RAWとJPEGの同時記録で撮影することが多いが、RAWをパソコンで現像することは稀で、セレクトしたRAWをSDHCカードに書き戻して、K20D本体でRAW現像を行うことがほとんどだ。とにかく、自分好みの色をJPEG撮影で出せる数少ないデジタルカメラなのだ。

伊達淳一(だてじゅんいち):カメラマンというよりも、もはやデジカメライターかな。年末の散財はカメラではなく、エックスライトの「i1 BASIC」とジッツオの「GIGT3541XLS」&「GS5121LVL」、「GIGS3511S」、マンフロットの「503HDV」などなど足回りを強化。ああ、それとアドビ税も納めなきゃだわ。

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●予期せず使ってみて目から鱗が落ちた
キヤノン「EOS-1Ds Mark III」 / 野下義光

EF 50mm F1.2 L USMを装着したEOS-1Ds Mark III
 さて、今年筆者が購入したデジタル一眼レフカメラは4台です。2001年に初めてデジタル一眼レフカメラを購入し、去年までそれを合わせて6台しか購入していないのと比べると、今年は異様にたくさん買ってしまいました(苦笑)。内訳は購入した順に、キヤノン「EOS Kiss X2」、「EOS-1Ds Mark III」、「EOS 50D」、「EOS 5D Mark II」です。この中で、取り上げたいのがEOS-1Ds Mark IIIです。

 昨年発売された機種を今更と思う方もいるかもしれませんが、私もその1人です(笑)。デジタルカメラは最新機種でいられる期間が最長となる発売直後に購入する方針な私としては、発売から半年以上後に購入するのは異例のことでした。結論を先に書くと単純に私のリサーチ不足です。

 1D系については、初代からその時点では多すぎない画素数と、大容量バッファで早いテンポでも途切れることなく撮影が可能だったので、「EOS-1D Mark II」も「EOS-1D Mark III」も迷うことなく発表直後に予約してきました(EOS-1D Mark IIIは予約が一歩出遅れたため1カ月待たされましたが)。

 しかし1Ds系はさすがに価格が高いので、自分の撮影スタイルに合うかどうかをよく吟味しないと手が出せません(笑)。試用して吟味した結果、初代1Dsも「EOS-1Ds Mark II」も高画素ゆえの大ファイル容量で、通常のテンポではすぐバッファが一杯になり撮影を中断するか、スローテンポでの撮影を強いられるため購入には至らず、どうしてもその高画素が必要な場合のみレンタルで済ませていました。

 EOS-1Ds Mark IIIが発表されても撮影テンポについてはそれほど変わっていないだろうと勝手に思い込んで試用もしていなかったのですが、偶然運良く(?)EOS-1D Mark IIIをメンテナンスに出した際の代替機が、キヤノンのプロサービスの手違いでEOS-1Ds Mark IIIだったのです。

 予期せずEOS-1Ds Mark IIIを試用する機会に恵まれた私の目からは鱗が落ちました(笑)。さらに高画素そしてA/D変換14bitとなり、より大容量化したRAWデータでもUDMA対応の高速コンパクトフラッシュを装填すれば、みるみるうちに転送されストレスのないテンポで撮影ができるようになっていました。これならかなりの使用頻度で使えると判断し、頻度さえ高ければ元が取れると思った私は、EOS-1DMark IIIのメンテナンスが終了し代替機を返却する前に、EOS-1Ds Mark IIIを購入してしまいました。

 銀塩ピーク時には645判がメインだったので、35mmフルサイズを存分に味わうのは約10年振り。とはいえ体に染み込んだ感覚は忘れていません。画角や距離感、被写界深度、ボケ具合などファインダーを覗いたり画像をプレビューさせなくてもわかります。1DのAPS-Hサイズにも最近ようやく慣れたとはいえ、想定したフレーミングになるようにモデルとの距離を取ったつもりがファインダーを見ると違っていてまた距離を前後するなんてことも時々ありますが、35mmフルサイズのEOS-1Ds Mark IIIではめったにそんなこともありません。


 画質はやはり今まで使ったデジタル一眼レフの中では最高です。先日購入したEOS 5D Mark IIとの比較も気になるところではありますが、1Dで得た揺るぎない信頼感は仕事道具として何物にも代えがたいものがあります。

 高画素によるポスターなど大きな印刷物での解像感も然ることながら、1,800×1,200ピクセルで載るWeb用画像でもEOS-1D Mark IIIやEOS 50Dと比べて立体感や質感描写に優れています。ただ、まだ発売1年ちょっとしか経っていないにもかかわらず、液晶モニターやライブビューなどの機能面ではもう古さを感じます。デジタル機器の宿命ゆえ、いずれは次期機種に替えられてしまうのは明白ですが、それまでは筆者の主力機として活躍してくれることでしょう。

野下義光(のしたよしみつ):熊本県生まれ、千葉県育ち。国立木更津工業高等専門学校機械工学科卒業後、エンジニアとして大手コンピューター会社に5年勤務。その後、夢を捨てきれず写真界へ身を投じる。現在ジュニアアイドルを中心にWeb、DVDジャケ写などで活躍中。フルデジタルの写真集も多数手がけている。趣味はネットオークション(笑)

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●視野率100%の明るいファインダーに安心感
ソニー「α900」 / 吉住志穂

100mm F2.8 Macroを装着したα900
 2008年に私が購入したカメラは、オリンパス「E-420」、キヤノン「EOS 50D」、ソニー「α900」の3機種。中でもα900は初めて所有した35mmフルサイズデジタル機として、ちょっと気合いが違います。カメラ雑誌のレビュー記事を書くため、購入する前に試用したのが、最初に使ったきっかけ。ソニーのデジタル一眼レフは、初代の「α100」からメインボディとして使用していますし、最近まではα700がメインボディでした。α700は発売開始から最近まで「100mm F2.8 Macro」とともに活躍してくれましたが、一度α900の画質とファインダーの品質を知ってしまうと、「どうしてもα900を手に入れなければ!」との思いが強まったのです。

 つい先日、購入したα900ですが、その魅力はやはり35mmフルサイズならではの高画質にあります。ベストマッチのレンズは「Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM」でしょう。以前デジカメWatchでも奄美大島のときの作品を掲載しているので、ぜひご覧ください。そして、視野率約100%の明るいファインダー。ノートリミングで厳密なフレーミングをしたい私にとって、視野率100%には高い安心感を覚えます。95%や98%でも慣れればどうってことはないのですが、少しでも気を使わずにすむのならそのほうが楽です。

 色々いわれる高感度の画質ですが、私の撮影スタイルでは、感度を上げることがほとんどないのであまり関係ありません。秒5コマの連写も必要としていません。ただ、インテリジェントプレビューは便利です。「ライブビューは付いてないんだ」と最初はがっかりしたものですが、実は三脚を使う私にはうってつけの機能。細かい設定を素早く変えながら確かめられるので重宝しています。欲を言えばクリエイティブスタイルもプレビューで変更できると、さらに良かったです。

 悩みは所有しているフルサイズ用のレンズが少ないこと。現在あるのは100mm F2.8 Macroくらいで、あとはデジタル専用のDTレンズです。はやくVario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSMや「Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM」を買わなければ……と考えています。

吉住志穂(よしずみしほ):写真家。2008年はマレーシアのボルネオ島、奄美大島、沖縄本島と南国巡りの一年でした。年末ギリギリまでお仕事です……年明けはまた沖縄へ行こうかな? 撮影した写真はブログ(Heartful Nature)にアップしますので、ご覧下さい。

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●撮影機能の追加で使いやすさが向上
リコー「GX200」 / 吉森信哉

LC-1を装着したGX200。右はテレコンバージョンレンズのTC-1
 ボクは、かなりの“コンデジ好き”なので、今年もいろいろ購入した。しかも、発売直後の“旬な時期”じゃなくて、後継機が出てきて値段がガーンと下がる“賞味期限ぎりぎり”に買う。う~ん、こういう仕事をしてる者の買い方じゃありませんネ(苦笑)。

 そんな買い物のなかで、春に購入したリコー「Caplio GX100」は、広角側を重視した24~72ミリ相当の3倍ズームや、ズーム全域でマクロ撮影に強い点、RAWモード撮影が可能……など、他の機種にはない特長を備えている。だから、仕事用カメラとしても重宝する。具体的には、撮影機材や写真用品などの「ブツ」を撮るカメラとして使用するのだ。

 でも、発売から1年くらい経つカメラなので、購入して3カ月くらい後には、後継機の「GX200」が登場(泣)。購入して3カ月のカメラだと、さすがに買い替えは躊躇するなぁ……。ということで、完成度が高まったGX200を横目に、同時発売の自動開閉式レンズキャップ「LC-1」を購入してガマン。

 そして、秋。GX100を買って約半年経つから、もうガマンしないで買い替えるよ(笑)。撮像素子の有効画素数が1,001万画素から1,210万画素にアップした点は手放しでは喜べないけど、撮影機能の追加&向上には目を見張るモノがある。

 いちばん大きいのは、RAWモードで連写できるようになったこと。GX100だと1枚撮ると約5秒の“書き込み待ち”になる。それが、GX200だと5枚まで連写できる。ボクの場合「RAW+JPEG」で撮るから、実際には3枚くらいになるけど、それでもGX100と比べると雲泥の差! ちなみに、液晶ビューファインダー同梱の「GX200 VF KIT」を購入したけど、収納性を重視してコレは取り外す(持参もしない)。

 ブツ撮りに関しては、マクロ撮影時しか使えなかった「AFターゲット機動機能」が、通常撮影でも可能になった点が大きい。これは“カメラとレンズがたくさん並ぶ場面”を、三脚を使って撮影する時などに重宝する。

 ……とまあ、GX200に買い替えてからも“ブツ撮り用カメラ”として活用してるワケだけど、望遠端が72mm相当だと「ちょっと短いよなぁ~」と感じる場面も多い。そこで、新たにテレコンバージョンレンズ「TC-1」も購入した。コンデジとしては、けっこうな出費になったけど、それに見合う“満足感”や“充実感”が得られる買い物になりました。

吉森信哉(よしもりしんや):フォトグラファー。この年末年始は、月刊誌の仕事に加えて、カメラメーカーのクラブの写真添削や、講師を努める写真専門学校の課題判定などに追われる。……なんだか、年越しの宿題を出されてるみたい(苦笑)。

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●パンケーキレンズでスナップ
ペンタックス「K-m」 / 関根慎一(本誌)

DA 40mm F2.8 Limitedを装着したK-m
 今年は私にとって、初めて本格的にデジタルカメラに触れる年になりました。デジカメWatchに配属され、はじめは編集部からニコン「D40」や「D90」を借りて取材などの際に使用していたのですが、しばらく使っているうちに、自分のデジタル一眼レフカメラが欲しくなってきました。折しも、ペンタックスが「K-m」を発表したタイミングで、以前に父がペンタックスの「MZ-60」を使用していたこともあり、値段も手頃だったことから、購入を決めました。

 取材で使うつもりで購入したカメラですが、絞りやシャッタースピードの勘を掴む練習も兼ねて、休日など暇な時は、外に出て色んな設定を試しています。レンズは「DA 16-45mm F4 ED AL」と「DA 55-300mm F4-5.8 ED」を取材で使用し、休日は「FA 35mm F2 AL 」と「DA 40mm F2.8 Limited」を主に使って、散歩しつつスナップ撮影をしています。中でも最も出番の多いレンズはDA 40mm F2.8 Limitedです。

 K-mはデジタル一眼レフにしては小柄で、常に懐に忍ばせておくとまではいきませんが、特にパンケーキレンズのDA 40mm F2.8 Limitedと組み合わせた時は、撮ろうと思ったときにサッと取り出せるというところが気に入っています。

 右手側に操作ボタン類を集約し、ほとんどすべての撮影設定を行なえるという点も本機の特徴ですが、これも慣れるとかなり素早く操作できて快適です。

 K-mの前はD40とD90を使っていたので、測距点を選べないところに不便さを感じることもありますが、そこはもう慣れというやつで、測距方式をスポットに設定し、カメラを振って対処しています。これでライブビューがあれば最高だったのですが、搭載していないのは残念です。

 なにぶんデジカメ自体を使い始めて日が浅いもので、気の利いたことは何も書けませんでしたが、今後もK-mとは末長く付き合っていこうと思っています。

関根慎一(せきねしんいち):Web編集者。デジタル一眼レフを購入して早々にレンズ遊びにはまりこむ。年末年始は親戚の家の犬猫撮りとインクジェットプリントに挑戦する予定。

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●非常にありがたい露出補正ダイヤル
キヤノン「PowerShot G10」 / 武石修(本誌)

PowerShot G10
 2007年に「PowerShot G9」を買った自分にとって、今年最も気になっていたカメラの一つがPowerShot G10でした。初めて見たときは2段ダイヤルというギミックに感心し、待望の広角28mm化を果たしたことで、一瞬「これは即買いだ!」と意気込みました。しかしながら、決して安くはない値段で購入したPowerShot G9を1年も経たずに買い換えるのかと考えると、なかなか決心が付かないでおりました。

 PowerShot G10の価格は、出始めでおよそ6万円。流石に高価なため、このままPowerShot G9を使い続けて、G11かG12(!?)くらいが出たら買い換えようかと思っていました。しかし、年末が近づくにつれて一部の販売店ではPowerShot G10の価格がみるみる下がっていき、「これなら、PowerShot G9をドナドナすれば、少ない差額で乗り換えられるのでは?」と思うようになってきました。

 そもそもPowerShot G9を買ったのは、普段持ち歩いてスナップ的に使いたかったのと、取材の時のサブ機という2つの目的があったからです。取材では社の機材である「EOS Kiss Digital X」をメインに使用していますから、バッテリーが共通だったこともPowerShot G9を選んだ大きな理由でした。画質はもとより、ISO感度をダイレクトに変えることができるダイヤルなど気に入っていた部分も多かったのですが、一方で、広角端の画角が35mm相当というのは物足りなく感じていたのも事実です。

 いわゆる高級コンパクト機を選ぶに当たって、特に広角24mm対応の、リコー「GX200」やパナソニック「LUMIX DMC-LX3」には大変魅力があり大いに迷いました。しかし、PowerShot G9に付いているISO感度ダイヤルの便利さを知ってしまった身としては、PowerShot G10から付いた露出補正ダイヤルにもかなり惹かれていました。そんなことで、「まあ今回は、広角端28mmで良しとするか」と自分を納得させつつPowerShot G10を“ポチッとな”しました。

 購入したのは12月の中旬で、まだショット数は少ないものの、やはり露出補正ダイヤルは至便でした。どうしてもっと早く付いていなかったのかと思うくらいです。外観は、PowerShot G9でシルバーだったパーツのほとんどがブラックになり、精悍になったのが○。

 買ってみて気になったのはまず重さ。PowerShot G9からは40g程増えていて、ズッシリ感が増した感じです。常にポーチに入れてズボンのベルトに掛けているのですが、結構重い。それと、バッテリーが変更になってしまったのも残念。一眼レフカメラとは全く互換性が無くなってしまいました。また、細かいところでは、なぜか充電器が巨大化してしおり、なんだかなぁと。

 とはいえ、ほとんど機能全部入の本機は取材時のサブ機として安心できるし、本格的な作品撮りもOK。もちろん、お散歩カメラとしても使いやすい。今度は長く使っていこうと思っております。

武石修(たけいしおさむ):Web編集者。結局、今年最大の買い物は「PowerShot G10」でした。来年は、35mmフルサイズデビューを目指してがんばりたいと思います。でも、マイクロフォーサーズも大いに気になるなぁ。

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編集部

2008/12/24 00:51
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