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シグマの「DP1s」と「DP1」を比較する

Reported by 本誌:折本幸治

左がDP1s、右がDP1。DP1sは10月10日に発売。価格はオープンプライス。実勢価格は5万5,000円前後

 シグマからDP1のマイナーチェンジモデル、DP1sが発売された。気になるDP1との違いを検証してみたい。

 その前にはっきりさせておきたいのは、DP1sはDP1の後継機種ではあるものの、あくまでも小規模な改良にとどまるマイナーチェンジモデルという点だ。DP2と同じ画像処理エンジン「True II」(Three-layer Responsive Ultimate Engine II)の搭載は見送られており、最も改修が望まれていたであろう、撮影レスポンスに変化はない。DP1ユーザーにとって、DP1sに買い換えるかどうかの判断は、悩ましいところだろう。

 気を取り直して、シグマが発表した今回の改良点を改めてまとめると、次のようになる。

  1. デジタルズームボタンにQS(クイックセット)メニューを追加
  2. 逆光撮影をした際に画面が赤くなる現象を改善
  3. ISO感度50を追加
  4. ISO感度設定で「オート」を選択した場合、「ISO AUTO」と表示されるようになった
  5. ホワイトバランス設定で「オート」を選択した場合「AWB」と表示させるようになった
  6. オートブラケットの表示箇所を画面左上に変更した
  7. MFモード時に表示されるスケールにft(フィート)表示を追加した
  8. グリッド表示に画面表示ボタンを押すと、液晶モニターが「アイコン表示」、「グリッド表示」、「アイコン非表示」、「液晶モニター表示」、「液晶モニターOFF」の順に切り替わるようになった

 このうち重要なのは1. 〜2. であり、3. 以下はファームウェアのアップデート(Ver.1.01〜1.04)で実現済みのものだ。

 1. のQSメニューは主要な機能を4方向ボタンに割り振るもので、SD14やDP2ユーザーならおなじみの機能かもしれない。DP1sにはDP2のような専用の「QSボタン」はなく、デジタルズームボタンにQSメニューをアサインする。設定できる項目は、ISO感度、ホワイトバランス、フラッシュモード、測光モード、画像サイズ、色モード、画質、ドライブモードなど8つ。本当はDP2と同じくQSボタンが欲しかったところだが、シグマにも事情があるのだろう。

QSメニューの例(1ページ目) QSメニューに割り当て可能な機能

 2. の「逆光対策」は、DP1ユーザーならピンとくるかもしれない。太陽のような強い明るさの光源を画面内に入れると、光源の周りにマゼンタの斑紋が規則正しく並ぶ現象がDP1では知られており、いわゆる「サッポロポテト」と呼ばれる現象だ。ただし、よほど強い光源でないと現れないため、気づかずに使っているユーザーもいることと思う。

 結果からいうとこの現象は、DP1sで大きく改善した。DP1sとDP1のレンズ前面を見比べて見ると、DP1sが黄緑色、DP1がマゼンタのコートがかかっているように見える。この辺がサッポロポテト対策の秘密なのだろう。

正面。左からDP1s、DP1
背面。左からDP1s、DP1
DP1(右)のレンズコートは、DP1sよりマゼンタが強い DP1sの化粧箱には、うっすらと「s」の文字が

 ただし状況によっては完全に消えず、うっすらと表示されていることもある。また、サッポロポテトは目立たなくなったものの、色味が全体的にシフトして、赤成分が薄くなったのがわかる。色調の変化について筆者はそれほど不自然に感じなかったが、ユーザーによっては気になる人も出そうだ。もっとも、色調はRAWから現像することで比較的容易に変更できるが、サッポロポテトを後処理で目立たなくするのは極めて難しい。

 結局、DP1からDP1sに買い替えるかどうかは、普段撮る写真に、強い光源が入るかどうかで判断することになる。サッポロポテトが派手に出るのは、昼間の太陽、ビル窓に反射する日差し、暗闇に光る水銀灯ぐらい。自分の写真に、こうした被写体を入れる可能性がある人なら、買い替えを検討する価値は高い。また、サッポロポテトのせいで購入を控えていた人にとって、DP1sの発売は朗報といえるだろう。

 DP1はファームウェアの更新で機能の拡張や細かな不具合を潰してきたカメラだが、今回シグマは本誌の取材に、「逆光撮影に関する現象はハードウエアに起因するため、DP1をファームウェアアップデートで対応させることは難しいことからモデルチェンジで対応した」と答えており、DP1sのリリースはサッポロポテト対策が主眼だったことがうかがえる。現行DP1ユーザーにとっては複雑な心境かもしれないが、批判を覚悟の上で、問題点に対処したシグマの姿勢を理解したい。

 とはいえ発売から2年が経ち、APS-Cセンサー搭載のコンパクトデジカメとして根強い人気を誇るDP1についても、機種名に「s」がつかない新モデルをそのうち期待したいところだ。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。

 強い光源を画面内に入れた例。DP1で生じる斑紋上のゴーストが、DP1sでは薄くなっている。

DP1s / 約2.1MB / 2,640×1,760 / 1/1250秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 16.6mm DP1 / 約2.0MB / 2,640×1,760 / 1/1,600秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 16.6mm
DP1s / 約2.1MB / 2,640×1,760 / 1/800秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 16.6mm DP1 / 約2.0MB / 2,640×1,760 / 1/800秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 16.6mm
DP1s / 約1.4MB / 2,640×1,760 / 1/6秒 / F4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 16.6mm DP1 / 約1.7MB / 2,640×1,760 / 1/6秒 / F4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 16.6mm

 画面内の光源が日中の太陽クラスの明るさではない場合、DP1でも症状はほとんど目立たない。

DP1s / 約2.4MB / 2,640×1,760 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 16.6mm DP1 / 約2.4MB / 2,640×1,760 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 16.6mm
DP1s / 約2.4MB / 2,640×1,760 / 1/1,000秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 16.6mm DP1 / 約2.4MB / 2,640×1,760 / 1/1,000秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 16.6mm

 DP1からJPEGの色味が変化。特に赤色が変わったようだ。

DP1s / 約2.1MB / 2,640×1,760 / 1/250秒 / F4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 16.6mm DP1 / 約2.1MB / 2,640×1,760 / 1/250秒 / F4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 16.6mm
DP1s / 約2.3MB / 2,640×1,760 / 1/200秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 16.6mm DP1 / 約2.2MB / 2,640×1,760 / 1/200秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 16.6mm




本誌:折本幸治

2009/11/4 21:01


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