気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

OLYMPUS PEN E-P5【第5回】

ボタンのカスタマイズを考える

 オリンパスのカメラはカスタムメニューの項目がやたらと多い。と言ってもそれは、普通なら撮影メニューとかに入っているはずのAF方式だとかISO感度だとかまでがカスタムメニュー入りしているからだが、カスタマイズ可能なボタンがけっこう多いのも特徴だ。

 E-P5の場合、上面のFnボタンのほか、背面のムービーボタン、拡大ボタン、十字ボタンの右ボタンと下ボタンのほか、新設のレバーも機能を選べるようになっている。

 いちばんの考えどころは「レバー機能」だろう。新しい「2×2ダイヤルコントロール」をどう使うか、である。でも、それを考える前に、十字ボタンの右ボタンと下ボタンをどうするかを決めたほうがいい。と言うのは、この2つのボタンは割り当てられる機能が少ないので、こっちからやっつけたほうが効率がいいからだ。

背面の十字ボタン。右ボタン(フラッシュモード)と下ボタン(ドライブモード)は機能の変更が可能になっている。

 もちろん、十字ボタンにAFターゲット(測距点)選択を割り当てたい場合は話がまた違ってくるが、オリンパスのカメラは左ボタン(AFターゲット選択)を押してAFターゲット選択をするという操作に慣れてしまっているので、右ボタンと下ボタンはほかの用途に使うことができる。

 右ボタンと下ボタンに割り当てられる機能の選択肢は、露出補正、ISO感度、WBモード、ドライブモード、フラッシュモードの5つ。初期設定は右ボタンがフラッシュモード、下ボタンがドライブモードになっているが、ほとんどストロボは使わないし(今のところ、筆者のE-P5はストロボ発光回数ゼロである)、連写もブラケット撮影時以外はやらない。露出補正は上ボタンに割り当てられていて、これはカスタマイズできないから、残りはISO感度とWBモードだけ。という次第で、右ボタンにISO感度、下ボタンにWBモードを割り当てることにした。

右ボタンと下ボタンに割り当てられる項目は多くないので、消去法的にだけれども、右ボタンには使用頻度の高いISO感度にしている。
下ボタンには同様にWBモード。この2つはLVコントロールやLVスーパーコンパネからアクセスできるので、ボタン割り当てなしでもそんなに不便ではない。

 となると、レバーの使い道も限られる。なにしろ、「2×2ダイヤルコントロール」の売りは、ISO感度とホワイトバランスをダイヤル操作で素早く変えられることなのに、それを十字ボタンに割り当ててしまったのだ。

 レバー位置が2のときにダイヤルでISO感度とホワイトバランスを変えられる「mode1」と「mode2」はいらないことになる。「mode3」はムービーボタンの機能を、レバー位置が1のときは好みの機能、レバー位置が2のときはムービーボタン(動画撮影開始と停止)として使うもの。でもまあ、動画は動画モードで撮ればいいと考えているので、これも対象外である。結果、消去法式に「mode4」に決定である。

2×2ダイヤルコントロールの要となる新設のレバー。同軸にあるのがムービーボタン、その下に拡大ボタンがある。

 と書くと、若干後ろ向き気味に感じられるかもしれないが、AFとMFの切り替え(あるいはS-AFとC-AFの切り替え)が素早くできるというのは案外に便利なので、文句はまったくない。と言うか、E-PL2を使いはじめたときから、どこかのボタンに必ず「MF切換」を割り当てている。

 MF時の「AEL/AFLモード」は「mode3」にしているので(AEL/AFLを割り当てたボタンを押すとS-AF動作を行なう“親指AF”の設定である)、より正確には、レバー位置が1のときは“人差し指AF”で、2のときは“親指AF”ということになる。

十字ボタンにISO感度とWBモードを割り当てたので、“残り物には福がある”式にレバー機能は「mode4」を選択。
ムービーボタンにはAEL/AFLを割り当てた。実のところ、AELはほとんど使わなくて、“親指AF”を使うために必要なのだ。
MF時のAEL/AFLモードをmode3にしておくと、AEL/AFLボタン押しでAF作動が可能となる。基本MF、ときどきAFという使い方のときに便利。
拡大ボタンには拡大機能。画面にタッチして拡大表示にすることもできるけど、ファインダー撮影時はボタン操作が必要なので。

“親指AF”時のAF作動は、押しやすい位置にあって手探りでも見つけやすいムービーボタンに「AEL/AFL」を割り当てている。その下の拡大ボタンは素直に「拡大」、残りのFnボタンには「AE BKT切換」を選択した。

「AE BKT切換」は、ボタンのワンプッシュで「記憶されている設定でAE BKT撮影に設定される」もの。最近、1/3EVで5コマのブラケットをよく使うのだが、オリンパスの場合、メニューボタンを押すと撮影メニュー1が表示されるので(いい加減、最後に使った項目から表示するようにして欲しいんですけどねぇ)、下ボタン押して撮影メニュー2のタブを選んで右ボタンで中に入って、下ボタンを2回押して「ブラケット撮影」で右ボタンを押すといちばん上が「AE BKT」なのでさらに右ボタンを押して、そこから上ボタンを5回(または、下ボタンを7回)押さないといけない。さらにOKボタンを押して確定しないと、それまでの操作はさっくり消えてしまう。

 オリンパスのカメラを使い慣れている人が見たら、「あー、そうそう、面倒なんだよねぇ」だろうけれど、それ以外の人から見たら、「なんですか、それ?」だと思う。AEブラケットをセットするのに、メニュー→下ボタン→右ボタン→下ボタンを2回→右ボタンを2回→下ボタンを5回→OK、という操作を要求されるのだ。もちろん、解除するときも同じだけの手数が必要となる。こうやって書いてみると、オリンパスのメニューの構造がよろしくないのがよくわかる。このへんもなんとか改善してもらいたいところだ。

 そのへんは開発陣の頑張りに期待するとして、「AE BKT切換」を使うと、一気に簡単になる。さすがに初回だけはメニューから設定しないといけないが、解除は簡単。「AE BKT切換」を割り当てたボタン(筆者の場合はFnボタンである)を1回押すだけだ。もう1回押すと、さっき設定した内容でAEブラケット撮影が行なえる状態になる。今まではいろんなボタンを13回も押さないといけなかったのが、1個のボタンを1回押すだけでOKになってしまう。そういうわけ。つまり、AEブラケット撮影を多用する人には超絶おすすめの機能なんである。

E-P3はFnボタンが上面と背面に計2個あったが、E-P5は上面のひとつだけ。その代わりにレバーが追加されているわけだ。
Fnボタンには新しく追加された項目からAE BKT切換を選択。AEブラケットを多用する人にはかなりおすすめの機能だ。

 本音を言うと、「プレビュー」とかも欲しいのだけれど、もう使えるボタンが残っていない。個人的には、露出補正が割り当てられている上ボタン、それから撮影時の消去ボタンもカスタマイズできればいいのに、と思っている。

M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8のキャップをパナソニックの中つまみタイプのに変えた。フードを付けたままでも着脱しやすくて便利。今回のネタとは関係ないけどね。

 E-M1やE-M5、E-P5のような2電子ダイヤル式のカメラの場合、前後のどちらかのダイヤルに露出補正を割り当てることができるので、露出補正ボタンはなくても困らない。まして、再生時にしか使わない消去ボタンを、撮影時に遊ばせているのはもったいない(パナソニックは消去ボタンにクイックメニューが割り当てられていて、機能の変更もできる)。

 それと、右ボタンと下ボタンに割り当てられる機能の候補をもっと増やして欲しいし、レバー機能ももっといろいろできるようになって自由度が上がるといいと思う。とか言いはじめるとキリがないからこのへんで。

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円山公園の入り口付近の花壇で。背景には木漏れ日を使って丸ボケを入れ込んでみた。M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 1/500秒 / F2 / +0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 45mm
市街地近くにある円山に登ってきた。山の大部分は原始林として保護されていて、登山道沿いにも大きな木が並んでいる。M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 1/30秒 / F4 / -0.7EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 9mm
山頂だけ岩場になっていて、札幌市街が一望にできる。標高は225mと低いが、その分短時間で登れるのでお散歩感覚の人も多い。M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 1/1,600秒 / F5.6 / 0.0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 9mm
山頂近くにある八十八個所大師堂の奥の院。札幌軟石が彫りやすいからって、いたずら書きはほんと止めて欲しいと思う。M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 1/25秒 / F5.6 / 0.0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 9mm
2つある登山道の一方には、四国八十八個所にならって小さな石仏(観音像)が並べられている。薄暗かったのでほとんどISO400で撮った。M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 1/60秒 / F2.5 / -0.3EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:晴れ / 45mm
石仏は登山口が一番で山頂手前が八十八番。番号でだいたいの道のりが分かるようになっている。M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 1/15秒 / F2.5 / 0.0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:晴れ / 45mm
100年ほど前に建立された当時は八十八体だったらしいが、今は一個所に複数体設けられているところもあって、ずいぶんにぎやかになっている。M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 1/20秒 / F2.8 / +0.3EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:晴れ / 45mm
おおかたはお手製の前掛けを付けているだけだが、中には毛糸の帽子(頭巾?)をかぶっている石仏もある。M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 1/25秒 / F2 / +0.3EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:晴れ / 45mm
こちらは登山口から動物園に向かう道の途中で撮ったもの。樹齢なんて想像もできないでかさ。M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 1/13秒 / F4 / 0.0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:晴れ / 9mm

北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら