気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

OLYMPUS OM-D E-M1【第1回】

待ちに待ったフラッグシップ機! まずは開封の儀

 オリンパスからミラーレスカメラOM-Dシリーズの新モデルE-M1が発売されました。OM-Dシリーズとしては2代目となり、初代のE-M5の上位機種に位置するカメラとなります。E-M5もミラーレス機としてはかなり完成度は高く、また画質も良いので私も発売当初に購入してこれまで様々な撮影に使用してきました。

E-M1ボディにM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROを装着。なかなかに重厚感ありますね。

 ただ我々のようなプロカメラマンが仕事で使用するカメラとしては、まだまだ物足りないところがあったのも事実です。そこにオリンパスのフラッグシップ機としてE-M1が登場したのですから、ここは躊躇無く購入を決心した次第です。

 ところでこのE-M1にはいくつかの販売体系があります。E-M1ボディ+ボディキャップレンズ(BCL-1580)がセットになった「ボディのみ(BCL-1580セット)」、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZレンズが同梱された「12-50mm EZレンズキット」、そしてM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROがセットになった「12-40mm F2.8レンズキット」の3つです。

 E-M1の発売日とされた10月11日には「ボディのみ(BCL-1580セット)」と「12-50mm EZレンズキット」が発売されました。しかし「12-40mm F2.8レンズキット」は少し遅れて10月19日の発売になりました。

 これによって、悩ましい日々を迎えることとなってしまいました。新製品のカメラなのだがら、やはり発売初日に入手したい思うのがデジモノ好きの性分です。しかし、今回は新標準ズームレンズのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROは絶対に手に入れたいレンズであるにも関わらず、単体での発売時期は11月下旬。

 つまり、初日買いを優先してまずはボデイのみを購入しても、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROを手にできるまでかなり待たなくてはならないのです。しかし10月19日発売の「12-40mm F2.8レンズキット」まで待てばE-M1購入と同時にM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROを使用できる。ムムムム……と悩んだ結果、発売初日はグッとガマンして(といっても8日間ですが)10月19日に晴れて「12-40mm F2.8レンズキット」を購入したのであります。

 ◇           ◇

 というわけで、グッとガマンしてやっと手に入れたE-M1の“開封の議”です。なにはともあれお約束なのでお付き合いください。

「12-40mm F2.8レンズキット」の化粧箱。なにやら今までのPENやOM-Dシリーズとは趣が異なります。ブラックな感じが高級感を醸し出します。
なんと、カメラの外箱なのにまさかのスリーブ構成。スリーブ表面に印刷されたマウント写真部は光沢仕上げという凝りよう。ただし持ち上げるときは化粧箱本体をズリ落とさないように注意。
化粧箱の蓋を開けたところ。まだ中身は見えません。
上面の内蓋を開くと使用説明書やソフトウェアCD-ROMが入った箱があります。
さらに開けてやっとなにやら黒い不織布に包まれたブツが。うっすらとボディキャップのロゴが透けて見えます。なんだかオリンパス気合い入りまくりです。
ということで箱の中身の集合写真。E-M1ボディ、リチウムイオン充電池BLN-1、リチウムイオン充電器BCN-1、付属のストロボFL-LM2(布製ケース付き)、USBケーブル、ショルダーストラップ、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO(レンズポーチ付き)、レンズフードLH-66。
ソフトウェアCD-ROM(E-M1対応版)と取扱説明書。これ以外にもちろん保証書も入っています。
同梱されたショルダーストラップはOM-D E-M1のロゴ入り。幅もこれまでの細身のものから幅広のものに変更されています。
レンズフードLH-66は脱着ロックがあります。ところがこれには思わぬ弱点が……。
パワーバッテリーホルダーHLD-7も同時に購入。グリップ部とバッテリー室&縦位置用レリーズボタンの2ピース構造だったE-M5用のパワーバッテリーホルダーHLD-6とは異なり、グリップがE-M1ボディと一体化したのでHLD-7はバッテリー室&縦位置用レリーズボタン部だけの1ピース型。リチウムイオン充電池BLN-1を格納し、ボディ内の充電池と併用できます。
E-M1+HLD-7+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO。凝縮感があってなかなかカッコいいです。この組み合わせは防塵防滴カメラとしての能力も発揮してくれるので頼もしい限りですね。
背面から。E-M1ボディ単体も良いですが、私はHLD-7との組み合わせが非常に気に入っています。横位置および縦位置の操作性も非常によろしい。縦位置グリップの握りの厚みもちょうど良いです。

 「12-40mm F2.8レンズキット」発売日のこの日、東京はあいにくの小雨&曇り空。とはいってもせっかく手に入れたカメラを箱に入れたまま持ち帰る筈も無く。まずは出かけた先の新宿の街をふらふらとスナップ撮影してきました。カメラ設定はデフォルトを基本にしてISO感度をオートや任意の数値に設定しての撮影です。レンズはM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROのみ。明るい開放絞り値前後を活かして撮影しました。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/125秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/80秒 / F2.8 / +1.3EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/100秒 / F2.8 / +1.3EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/80秒 / F3.2 / +0.7EV / ISO500 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/80秒 / F2.8 / 0EV / ISO1250 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/100秒 / F2.8 / 0EV / ISO1000 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/80秒 / F2.8 / 0EV / ISO1250 / 絞り優先AE / WB:オート / 38mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/100秒 / F2.8 / 0EV / ISO1600 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/100秒 / F3.2 / +0.3EV / ISO1000 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/100秒 / F3.2 / +0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/80秒 / F2.8 / +0.7EV / ISO500 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/80秒 / F3.2 / 0EV / ISO12800 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 1/100秒 / F3.2 / +0.3EV / ISO1000 / 絞り優先AE / WB:オート / 40mm

 E-M5を日常のカメラとして使用していた私の、このE-M1を使用した感想としては、まずE-M5よりもかなり「しっかりした」カメラになったという印象です。ボディ一体型のグリップ構造となったボディは確実に持ちやすくかつ(当然ですが)グリップ性が向上。表皮の「シボ」パターンも滑りにくいものになってます。またグリップ部を握った際に感じるボディの剛性も上がっているようです。

 撮影に関してはカスタマイズ可能なボタンが増えたうえに、PEN E-P5から搭載されるようになった「レバー切り替え機能」がE-M1にも搭載されたおかげで、素早い設定切り替えを複数項目に渡って行なえるのが便利。とくにEVFを覗いたままでの設定変更がメイン・サブダイヤルで素早くできるのはありがたいですね。またレリーズした際のシャッター音がE-M5に比べて静かに、かつ高級感のあるものになっています。

 その他にもいろいろとE-M5から変わった点がありますが、それについては今後の長期レポートにおいて触れて行きたいと思っています。

 ところで、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO用フードのLH-66ですが、脱着ロックがあるにも関わらず、ことあるごとにレンズから外れてコロコロと転がって行きます。ロックがあるのになぜ? と思ったのですが、なんと左右に2つあるのロックボタンのひとつをちょっと押すだけで簡単にフードが外れてしまうことが判明! これって私のフードだけでしょうか?

 ということで、これからはE-M1が筆者のミラーレス機のメインカメラとして活躍してくれることを期待しています。命題は「E-M1はプロ機としての要望に応えてくれるのか?」といったところでしょうか。何はともあれガシガシと使い倒して行きたいと思っています。

礒村浩一

(いそむらこういち)1967年福岡県生まれ。東京写真専門学校(現ビジュアルアーツ)卒。広告プロダクションを経たのちに独立。人物ポートレートから商品、建築、舞台、風景など幅広く撮影。撮影に関するセミナーやワークショップの講師としても全国に赴く。近著「マイクロフォーサーズレンズ完全ガイド(玄光社)」「今すぐ使えるかんたんmini オリンパスOM-D E-M10基本&応用撮影ガイド(技術評論社)」Webサイトはisopy.jp Twitter ID:k_isopy