交換レンズ実写ギャラリー
富士フイルム「XC 16-50mm F3.5-5.6 OIS」
広角24mm相当からのエントリー向けズームレンズ
Reported by澤村徹(2013/9/9 08:10)
XC 16-50mm F3.5-5.6 OISは、「FUJIFILM X-M1」のキットレンズとして登場した標準ズームレンズだ。35mm判換算で24-76mmに相当し、絞りリングを省略しているのが特徴である。製品グレードが普及価格帯モデルということもあり、「XC」という新たな型番が与えられている。
しかしながら、単に安価なレンズというわけではない。1枚のEDレンズを含む10群12枚のレンズ構成で、7枚羽根の円形絞りを採用。もちろん手ブレ補正機能も搭載している。AF動作は俊敏で、動作音もほとんどしない。X-M1はエントリー層を意識したモデルということもあり、XC 16-50mm F3.5-5.6 OISはコストパフォーマンスのよいファーストレンズになりそうだ。なお、X-M1のボディカラーに合わせ、ブラックとシルバー、2色のカラーバリエーションが用意されている。
肝心の描写力は、開放こそわずかに甘さを感じるが、1/3段絞れば引き締まったシャープな描き方だ。ズーム全域にわたって歪曲が少なく、色収差もよく抑えられている方だろう。前ボケ後ボケともにクセがなく、ボケ味を活かした写真も撮りやすいはずだ。
前述の通り、本レンズには絞りリングがない。絞り制御は背面のダイヤルで行なうことになる。ファームアップすることでX-Pro1やX-E1と組み合わせることも可能だ。ただし、X-Pro1とX-E1はモードダイヤルがないため、撮影モードの切り替えで少々手間がかかる。
シャッタースピードダイヤルを「A」にセットした状態では、Aモード(絞り優先AE)かPモード(プログラムオート)が利用可能だ。初期状態ではAモードで、背面ダイヤルを最小絞り以降にまわすとPモードになる。Aモードの状態でシャッタースピードダイアルを「A」以外にセットするとSモード(シャッタースピード優先AE)になり、Pモードで同様にセットするとMモード(マニュアル撮影)になる。慣れが解消する部分とはいえ、直感的操作とは言いがたいだろう。X-Pro1およびX-E1のユーザーで撮影モードを頻繁に切り替えるならば、この操作を受け入れられるか否かが購入の目安になりそうだ。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
- 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。