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レンズ交換式Xシリーズ最小の「FUJIFILM X-M1」

チルト式液晶、Wi-Fiを搭載。新レンズキットも

 富士フイルム株式会社は、レンズ交換式カメラ「FUJIFILM X-M1」を発売する。レンズ交換が可能なXシリーズとして、最小最軽量のボディとなる。

 本体色はブラック、シルバー、ブラウンの3色。ボディのみに加え、2種類のレンズキットが用意される。なお、「X-M1発売記念キャンペーン」も実施する。

商品形態カラー発売日店頭予想価格
レンズキットブラック7月27日85,000円前後
シルバー
ダブルレンズキットブラック100,000円前後
シルバー
ボデイのみブラック9月75,000円前後
シルバー
ブラウン
レンズキットブラウン85,000円前後
ダブルレンズキットブラウン100,000円前後

 発売時期はブラックおよびシルバーの各レンズキットが7月27日。ボディのみ各色、ブラウンの各レンズキットが9月。

 発売が遅れるブラウンは、X100S、X20、X-Pro1、X-E1にはないカラー。これまでXF1にのみ設定されていた。

 レンズキットに付属するのは、新レンズ「XC 16-50mm F3.5-5.6」。これまでのXFシリーズと異なり、絞りリングの省略、プラスチックマウントの採用などグレードダウンが見られる。XCの「C」は「コンパクト」の意。ただし、外観はXFレンズのテイストを受け継ぐもので、高級感は大きく損なわれていない。

XC 16-50mm F3.5-5.6を装着したところ

 ダブルレンズキットにはXC 16-50mm F3.5-5.6に加えて、「XF 27mm F2.8」が同梱される。これもX-M1にあわせて投入される新レンズ。いわゆるパンケーキスタイルをとっている。

XF 27mm F2.8を装着したところ

小型ボディにXシリーズの性能を凝縮

 X-Pro1、X-E1に続く、レンズ交換式Xシリーズの第3弾。これまでの重厚路線とは異なり、高級コンパクトデジタルカメラ並みの小型ボディを実現した。光学ファインダーを搭載する2/3型センサー搭載機のX20よりもサイズは小さい。それでいて上位機種と同じく、Xマウント用のフジノンXレンズやMマウントアダプターを使用できる。

 大きく異なるのは、ファインダーを搭載しないこと。X-Pro1は光学ファインダー/電子ビューファインダー(EVF)切替式のハイブリッドマルチビューファインダーの搭載を特徴としており、その下位モデルのX-E1は光学ファインダーを省略したEVFを備えている。X-M1ではファインダー類を一切内蔵せず、外付けのEVFも用意されない。

ブラック
シルバー
ブラウン

 また、操作ダイヤル・ボタン類の配置も上位機種と異なる。例えばX-Pro1、X-E1になかった撮影モードダイヤルを装備。シーン認識オートのアドバンスSRオートのポジションも用意されているなど、上位機種よりエントリー層を見据えた設計が行なわれている。

 また、右手側上部には2つのコマンドダイヤルを装備。ひとつは上面、ひとつはすぐ近くの背面に装備されており、背面のコマンドダイヤルは上方向を向いて設置されている。ともに右手親指1本で操作することが想定されている。

 その他のボタン配置は、X-Pro1やX-E1より、XF1に類似している。X-Pro1、X-E1、X100S、X20などにない、動画ボタンがあるのもXF1との共通点だ。

 撮像素子はX-Pro1、X-E1と共通。23.6×15.6mmのAPS-Cサイズ相当で、独自のカラーフィルター配列を採用するX-Trans CMOSセンサーを使用する。X100SやX20で採用された、位相差センサー画素内蔵のX-Trans CMOS IIは見送られた。

 ただし、ピント位置の検出を高速化するアルゴリズムを新開発したことで、AF速度はX-Pro1、X-E1より高速化しているという。7月23日には、X-Pro1およびX-E1をX-M1と同等のAF速度にする新ファームウェアが公開予定だ。

 感度はISO200~6400で、ISO100、ISO12800~25600への拡張設定にも対応する。

 上位機種から引き継いだクラシカルなデザインは健在。ただしボディはトップカバーも含めて樹脂製となった。小型ボディながら内蔵ストロボ(ガイドナンバー7相当)も備えている。

内蔵ストロボをポップアップしたところ
オプションのクリップオンストロボ「EF-X20」の装着例

Wi-Fi、チルト液晶モニターなど上位機種にない装備も

 背面モニターは、3型チルト式約92万ドット。高倍率ズームレンズ搭載の「FUJIFILM X-S1」を除くと、Xシリーズで唯一のチルト式モニターとなる。

 マニュアルフォーカス時のピーキング機能も、レンズ交換式のXシリーズではX-M1がシリーズ初。これまではX100S、X20にだけ搭載されていた。

 Wi-Fi機能もXシリーズ初。機能としては「FinePix F900EXR」などの現行機種と同等で、専用アプリを介してのスマートフォンへの画像転送(カメラ側、スマートフォン側の両方で操作が可能)、位置情報付加が行なえる。

 ポップカラー、トイカメラ、ミニチュア、パートカラーなどの「アドバンストフィルター」も利用可能。多重露光も搭載されている。

 動画記録は30fpsでのフルHD記録が可能になった。X-Pro1、X-E1は24fpsまで。

 専用オプションとして、レザーケースとハンドグリップを用意する。

製品名X-M1X-E1X-Pro1
撮像素子X-Trans CMOSセンサー(APS-Cサイズ相当)
有効画素数1,630万
レンズマウントFUJIFILM Xマウント
センサークリーニング圧電素子による超音波方式
撮影感度ISO100~25600(拡張設定含む)
ファインダーEVF光学/EVF
背面モニター方式3型チルト式2.8型固定式3型固定式
背面モニタードット数約92万約46万約123万
動画記録解像度最大1,920×1,080ピクセル
動画フレームレート30fps24fps
記録メディアSDXC/SDHC/SDメモリーカード(UHS-I対応)
Wi-Fi機能
電源NP-W126
標準撮影枚数約350枚約300枚
116.9mm129.0mm139.5mm
高さ66.5mm74.9mm81.8mm
奥行き39.0mm38.3mm42.5mm
質量約330g約350g約450g

※質量はバッテリー、メモリーカードを含む数値

【2013年6月25日】製品画像を追加しました。

(本誌:折本幸治)