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ニコンミュージアム、一ノ瀬泰造の「ニコンF」などを長期展示

ライフル弾と手榴弾の破片で破壊 遠方のアンコールワットを撮った作品も

写真提供:ニコンミュージアム(以下同)

株式会社ニコンが運営するニコンミュージアムは、報道写真家の一ノ瀬泰造が使用していた一眼レフカメラ「ニコンF」、報道腕章、ヘルメット、ブーツなどの遺品、"泰造の最後の一枚"と言われる作品などを2021年9月下旬まで展示すると発表した。

9月まで開催していた企画展「戦場の真実、硝煙の中に生きる人々」に展示したもので、来場者からの注目度が高かったことや、一ノ瀬家の協力を得られたことにより、同館で長期間の展示が実現。「世界的なスクープをめざし戦場を駆け回った一ノ瀬泰造の生き様を感じていただける展示をねらいとしています」としている。

撃ち抜かれたカメラ「ニコンF」(プレスリリースより引用)

1972年10月下旬、ベトナムの戦場で取材中にライフル弾で打ち抜かれ、至近距離で爆発した手りゅう弾の破片もカメラを破壊。泰造は奇跡的に右手に軽傷を負っただけですんだ。

一ノ瀬泰造(いちのせ たいぞう)

1947年 佐賀県武雄市生まれ。1972年からフリーの報道写真家として約2年、バングラデシュ、ベトナム、カンボジアの激動地帯を駆け抜け、世界的なスクープを目指す。1973年11月、「地雷を踏んだらサヨウナラ」の言葉を残し、当時、武装組織クメールルージュの支配下にあったアンコールワットに向かい消息を絶った。

ニコンミュージアム

開館時間:10時〜17時(最終入館は16時30分)
休館日:月曜日、日曜日、祝日、および同館の定める日
※土曜日が祝日の場合は休館
入館料:無料(当面の間、入館時に電話番号もしくはメールアドレスを登録する入館登録制)
所在地:〒108-6290 東京都港区港南2-15-3 品川インターシティC棟2F

本誌:鈴木誠