expoimaging「ローグ フラッシュベンダー」

〜変形自在のストロボ反射板

 expoimaging社の「ローグ フラッシュベンダー」は、クリップオンストロボに装着するタイプのストロボ反射板。L、M、Sの3サイズを用意し、価格はLが7,980円、Mが6,930円、Sが5,880円。国内では駒村商会が輸入し、イメージビジョンが販売を行なっている。

フラッシュベンダーLの使用例

 同製品は「ロッド」と呼ぶ自在に曲がる背骨のような構造を持ち、任意の形で使用できる点を特徴とする。クリップオンストロボには伸縮性を持つベルトで取り付ける。ストロボ側にベルクロの受けなどを貼らなくてもよいため、使い回しも容易だ。サイズはLが254×280mm、Mが254×178mm、Sが127×228mmで、重量は大きい方から163g、92g、68gとなっている。

ニコンSB-900に装着したところ(左からL、M、S)。カメラはニコンD700
自由に曲がるロッド。硬さが絶妙で扱いやすいロッドの配置はサイズごとに異なる。左からL、M、S
反射面はストロボ光の色温度変化を抑えた設計というベルトで固定したところ。全サイズともニコンSB-900に問題なく装着可能できた

 早速、反射板としての働きを試してみた。比較は「ストロボ直射」、「天井バウンス」、「フラッシュベンダーを用いた簡易バウンス」の3パターンで行なった。フラッシュベンダーはストロボの光が直接天井へ抜けないように曲げ、バウンスに使える天井がない状態を想定している(いずれも画角は70mm)。

作例撮影時の曲げ方
ストロボ直射
天井バウンス
フラッシュベンダー

 フラッシュベンダーを用いた撮影結果は、ストロボ直射時の不自然さが抑えられ、天井バウンスに近いものとなった。反射面の曲げ方次第で状況に応じた光のコントロールが可能な点は、既存のバウンサーに対するアドバンテージと言えるだろう。

 3サイズを用意するフラッシュベンダーだが、筆者は反射面が大きく変形の自由度も高いLサイズの楽しさに惹かれた。とはいえ、用途次第ではMサイズやSサイズも魅力的だろう。反射面の大きさによって効果に多少の差は出るものの、標準〜中望遠付近の撮影ではそこまで大きな差とならなかった。

ベルクロで筒状に固定し、スポット光のような効果を狙うこともできる(Lサイズ)Sサイズには反射面に取り付ける黒いシートが付属。写真はスタンドに設置したスレーブストロボ(オリンパスFL-36R)に取り付けた例

 また、LサイズとMサイズはロッドをよけて半分ほどに折り畳めるのもポイントだ。Mサイズは新書と文庫本の中間ぐらいのサイズになり、LサイズでもA4用紙が収まるスペースに余裕を持って収納できる。畳んだ状態のLサイズを計測してみたところ、およそ140×280mmだった。

Lサイズ(左)とMサイズ(右)を折り畳んだところ折り畳んだMサイズは文庫本程度の大きさ

 簡易的なバウンス発光を行なうだけでなく、思うままに変形して変わったライティング効果を探ってみるのも同製品ならではの楽しみだ。1枚備えておけば、ストロボ撮影の幅が大きく広がるアイテムと言えるだろう。

【2010年12月22日】「国内ではイメージビジョンと駒村商会が取り扱う」という表記を「国内では駒村商会が輸入し、イメージビジョンが販売を行なっている」に修正しました。



(本誌:鈴木誠)

2010/12/22 12:45