デジカメアイテム丼
安原製作所「NANOHA TUBE」
手軽にマクロ撮影ができるミラーレス用中間リング
Reported by 本誌:武石修(2013/8/9 08:30)
変わり種レンズを手がける安原製作所が新たなアイテムを7月にリリースした。マイクロフォーサーズとソニーEマウント用接写リングの「NANOHA TUBE」(ナノハ チューブ)だ。価格はいずれも1万800円。
中間リングとは、カメラと撮影レンズの間に装着して最短撮影距離を縮めるためのアクセサリーで、手軽にマクロ撮影が行なえる。
安原製作所の「NANOHA」と言えば超マクロ撮影専用の特殊レンズで、弊誌でも以前にレポートした。NANOHA TUBEは、NANOHAレンズの撮影倍率である5倍には及ばないが、マクロ撮影のアイテムということでNANOHAシリーズとなっている。
中間リング自体は昔からあるアイテムだが、NANOHA TUBEは電子接点を備えており、AFやAEの動作を謳っている。今回はパナソニックの「LUMIX DMC-GH3」および「LUMIX G VARIO HD 14-140mm F4-5.8 ASPH. MEGA O.I.S.」と組み合わせたが、AF、AEともに問題なく動作した。
最短撮影距離はレンズの繰り出し量で決まるが、NANOHA TUBEは10mmと16mmという厚さの異なるリングのセットになっており、これらを取り替えることで撮影距離を調節可能。繰り出し量を長くするほど最短撮影距離は縮まるので、10mmのリングと16mmのリングを重ねて使用した場合が最も撮影倍率を高くできる。
なお、目安として組み合わせるレンズの焦点距離をNANOHA TUBEの厚さよりも長くしないと、どこにもピントが合わなくなってしまうとのことだ。今回のレンズでいえば16mmのリングを装着して広角端の14mmにすると、フォーカスを無限側にしてもピントは合わなくなる。とはいえ、ある程度望遠側にズームして使えば問題ないと思う。
今回の試写は最も近づけるということで、2つのリングを重ねて撮ったものが多いが、思った以上に被写体に近づけるという印象だ。それだけにF8程度まで絞っても被写界深度は浅く、ピント合わせはそれなりにシビアになる。マクロ撮影一般に言えることだが、AFに頼らずにMFにしてカメラ側を動かしてピントを合わせる方が良いかもしれない。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
- 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
中間リングの装着時は撮影距離が近距離のある範囲に限られてしまうため、一般的なマクロレンズほど撮影距離の柔軟性がないので注意したい(一般的なマクロレンズは無限遠までピントが合う)。しかしながら、NANOHA TUBEもリングの厚みの組み合わせとズーム域の調節である程度対応はできそうだ。
今回のような高倍率レンズであれば、望遠端でそこそこ大きく写すことはできるがそれなりに被写体から離れなければならない。その点、料理をクローズアップで切り取りたいときなどに中間リングを使用すると。イスに座ったまま楽に撮れる。カメラと一緒にバッグに忍ばせておくと便利だと感じた。
また標準ズームレンズしか持っていないユーザーで、とりあえずマクロ撮影を体験してみたいという入門者にもお薦めしたいアイテムだ。手軽に作品のバリエーションを増やすことができるだろう。リング自体はかさばるものでもないので、持ち運びも苦にならないと思う。