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オリンパス、手ブレ補正が向上した「OM-D E-M5 Mark II」

ワンショット8枚合成で4,000万画素相当の撮影も

ブラック
シルバー

オリンパスイメージングは、マイクロフォーサーズカメラ「OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II」を2月下旬に発売する。

同社EVF内蔵ミラーレスの「OM-D」シリーズ初号機であるE-M5(2012年3月発売)の後継機種。初代E-M5が担った「新しい価値を提供する中核機」という立ち位置を継承するため、Mark IIとして“E-M5”の名前を残したという。

補正効果がより向上したボディ内5軸手ブレ補正や、手持ちムービー撮影を容易にした「OM-D MOVIE」、センサーの微細駆動と連写合成で高画素画像を記録できる「40Mハイレゾショット」などが特徴。

店頭予想価格は、ボディ単体が税別11万円前後、14-150mm IIレンズキットが税別16万円前後、12-50mm EZレンズキットが税別13万円前後の見込み。いずれの組み合わせでもボディカラーはブラックとシルバーの2色から選べる。

ブラック
シルバー

シャッター速度5段分の5軸手ブレ補正

これまでのOM-Dシリーズと同様、センサーシフト式の手ブレ補正機構を搭載。フラッグシップのE-M1などと同じく、センサーを磁力で浮かすVCM方式を採用する。

補正効果はシャッター速度5段分に向上。E-M5やE-M1の4段分に対し、アルゴリズムなどを見直すことで実現した。シャッターボタンの半押しでファインダー像が安定する。

センサーシフトを使った「40Mハイレゾショット」

E-M5 Mark IIの撮像素子は、有効1,605万画素の4/3型Live MOSセンサー。12bit RAW記録に対応する。画像処理エンジンはTruePic VII。

新機能の40Mハイレゾショットは、手ブレ補正機構と連写合成を用いて4,000万画素センサー相当の高画素記録を可能にするモード。イメージセンサーを0.5ピクセルずつずらして16Mの画像を計8枚を撮影し、カメラ内の画像処理で40M相当の画像として記録する。ハイレゾショット撮影には高解像のZUIKO PRO/PREMIUMレンズを推奨している。

撮影に約2秒(短時間露出の場合)かかるため、三脚が必要。被写体が動いた部分は解像が低下する場合があり、静止被写体に向く機能としている。また、交流光環境下でフリッカーの影響がある場合には解像しないという。

撮影後の画像処理時間は約2秒。RAW+JPEG記録時には、「40MのJPEG(約20MB)」「64MのRAW(ORF。約100MB)」「16MのRAW(ORI。8枚撮影の1枚目。カメラ内現像不可)」がそれぞれ記録される。

64M RAW(ORFファイル)は、E-M5 Mark IIの発売時点ではカメラ内で40MのJPEGに現像するか、Photoshop CS4以降(64bit版)に専用プラグインを入れて現像できる。Photoshop現像時に扱えるパラメーターは、露出補正、カスタムホワイトバランス、コントラスト、シャープネス、彩度、カラー設定(sRGB/AdobeRGB)。

アートフィルター、多重露光、ライブバルブ/コンポジット、インターバル撮影、HDR、各種ブラケット撮影、eポートレートは40Mハイレゾショットと併用できない。ストロボ撮影はマニュアル発光で1/20秒まで。

手持ちでブレを抑えられる「OM-D MOVIE」

動画機能は、手ブレ補正機構を活かしたフルHD記録の「OM-D MOVIE」として訴求。三脚やスタビライザーといった装置や撮影テクニックを要するという“4K一眼動画”に対し、フルHD解像度ながら手ブレ補正機能による手持ち撮影が可能な点を特徴とする。

最高60pフレームレート、50Mbpsのビットレートに対応。動画用のAF・AE制御を刷新し、なめらかな動画記録を可能にしたという。撮影中のフォーカスピーキング、タイムコード設定、ライブビュー画面のHDMI出力、露出やマイク感度のタッチパネル設定も利用できる。

新たに加わる「クリップス」というショートムービー機能では、静止画撮影の感覚で1〜8秒の動画を細かく撮影し、カメラ内で1つのムービーに編集して書き出せる。

E-M1ゆずりの236万ドットEVF・最高1/8,000秒シャッター

EVFは最大約1.48倍・約236万ドットで、スペック上はE-M1と同等。アイポイントは約21mm。初代E-M5は最大約1.15倍・約144万ドットだった。

自動調光機能(キャッツアイコントロール)、2軸の電子水準式表示、ファインダースタイルを3種類から選べる点などを継承している。

搭載するメカニカルシャッターは最高1/8,000秒(E-M5は最高1/4,000秒)。先幕に電子シャッターを利用した低振動モードは、最高5コマ/秒の連写に対応した。

通常の連写速度はAF追従で約5コマ/秒、手ブレ補正OFF・AF非追従で約10コマ/秒。連続撮影可能枚数は、秒10コマ連写時にRAWで約16コマ、JPEG L/Nで約19コマ。その他の場合はカード容量フルまで(UHS-IIカード使用時)。

また、シャッター音や電子音がすべてオフになり、無音撮影できる静音モードも利用可能。設定できるシャッター速度は60秒〜1/16,000秒。最高11コマ/秒の連写に対応する。メカシャッターを使わないかわりに、被写体が高速で動くとローリングシャッター歪みが出る可能性があるとしている。

加えて、E-M1のファームウェアVer.2.0から搭載されたライブビュー台形補正「デジタルシフト」、PCからリモート操作可能な「OLYMPUS Capture」、ライブビューで星の軌跡を見ながら撮影できる「ライブコンポジット」といった機能をE-M5 Mark IIも継承した。

液晶モニターはバリアングル式の3型約104万ドット。タッチ操作に対応する。E-M5、E-M1はいずれも上下チルト式だった。

OM-Dシリーズ初のバリアングル液晶モニターを採用

Wi-Fi、UHS-IIカード対応

E-M5になかったWi-Fi機能を内蔵。OM-Dの全ラインにWi-Fi機能が備わった。「OI.Share」アプリとの連携による画像転送、位置情報付加、リモート撮影が可能。

対応記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード。UHS-I、UHS-II規格に対応する。

防塵防滴仕様ボディ。耐低温仕様も

43箇所にシーリングを施し、雨の中でも撮影できるという防塵防滴仕様。E-M5にはなかった-10度までの耐低温仕様も備えている。E-M5 Mark IIに合わせてリニューアルされる「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」も防塵防滴仕様になる。

E-M5 Mark IIブラック+M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II

同梱バッテリーは「BLN-1」で、E-M1、E-M5、E-P5と共通。充電器「BCN-1」が付属する。撮影可能枚数は約310枚。

外形寸法は123.7×85×44.5mm。重量は約469g(バッテリー、記録メディア込み。アイカップなし)、約417g(本体のみ)。

バリアングルモニターのないE-M5は、同121×89.6×41.9mm、約425g/約373gだった。

AP2端子を廃止。外付けドットサイトなどアクセサリーも

E-M5 Mark IIは内蔵ストロボを非搭載。発光部を上下左右に可動させられる同梱ストロボ「FL-LM3」が付属する。RCワイヤレスフラッシュコントロールにも対応。E-M5 Mark IIはAP2端子ではなくホットシューの新接点から給電するため、他機種では使用不可。同時に、ホットシュー下のAP2端子を用いるアクセサリーはE-M5 Mark IIでは非対応となった。

FL-LM3
装着イメージ

オプションでパワーバッテリーホルダー「HLD-8」(税別3万5,000円)を用意。グリップ部(HLD-8G。単体利用可能)とバッテリー収納部(HLD-6P。E-M5用のHLD-6と共通。バッテリー1本収納)が分離する仕様。HLD-8Gにはヘッドホン端子を備える。

パワーバッテリーホルダーHLD-8
HLD-8GとHLD-6Pに分離できる
HLD-8装着例
同背面
グリップ部のみの使用も可能

加えて、外付けドットサイト照準器「EE-1」(税別1万5,000円。春発売)を用意。超望遠撮影に適するという製品で、ボタン型電池で駆動する。同社の高倍率ズームカメラ「STYLUS SP-100EE」に搭載されていたものに近い見た目をしている。

EE-1装着例

そのほか、クイックシュー対応レールを備える外付けグリップ「ECG-2」(税別1万7,500円)、大型アイカップ「EP-16」(税別2,200円)、革フロント&ボディーケース「CS-46FBC」(税別1万3,750円)、専用防水プロテクター「PT-EP13」(オープン価格)をラインナップ。

外付けグリップECG-2
装着イメージ
対応クイックシューに直接取り付け可能
革フロント&ボディーケースCS-46FBCの使用イメージ
専用防水プロテクターPT-EP13
ストロボなど拡張例
同梱ストロボの使用を想定

上記アクセサリーのうち特に記載のないものは、2月下旬に発売する。

【2月26日11時30分】記事初出時、Olympus ViewerもハイレゾショットのRAW現像に対応すると記載していましたが、正しくは対応未定でした。該当部分を修正しています。

(本誌:鈴木誠)