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ソニー、EVF内蔵の「サイバーショットRX100 III」
レンズは24-70mm相当F1.8-2.8に
Reported by 本誌:鈴木誠(2014/5/16 13:16)
ソニーは、「サイバーショットDSC-RX100M3」を5月30日に発売する。1型センサーを搭載する同社コンパクトデジタルカメラ「RX100」シリーズの3機種目。実勢価格は税別88,000円前後。
前モデルの「DSC-RX100M2」(2013年6月発売)からレンズを広角・大口径化し、新たに内蔵EVF、180度チルト可能モニターを搭載した。レンズ根元のコントロールリング、内蔵ストロボ、Wi-Fi/NFCによるスマホ連携機能、microUSB端子からのUSB充電にも引き続き対応する。
撮像素子は有効2,010万画素の1型。RX100 IIに引き続き、裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を採用する。撮像面積はコンパクトデジタルカメラで一般的な1/2.3型の約4倍とし、集光効率の高さから暗所に強いとアピールする。感度はISO125-12800(拡張ISO80、連写合成のマルチショットNRでISO25600)。
レンズは35mm判換算24-70mm相当F1.8-2.8の「ZEISS バリオ・ゾナーT*」。これまでのRX100シリーズは28-100mm相当F1.8-4.9だった。焦点域を広角寄りにしつつ望遠側の明るさを確保し、それでいて奥行き以外のボディサイズはRX100 IIおよびRX100と同じに抑えた。ボディの厚さも2.7mm増にとどめている。
最短撮影距離(レンズ前)は広角端5cm、望遠端30cm。RX100シリーズをはじめとする大きめのセンサーを搭載するコンパクトカメラでは、近くの被写体を思うように撮れないこと(=寄れない)が多かった。RX100M3では、望遠端でのワーキングディスタンスがRX100 IIの55cmから30cmに縮まり、被写体に近づくことでより背景ボケを活かした撮影が容易になる。
なおソニーでは、RX100シリーズと同サイズの1型センサーを搭載し、35mm判換算24-200mm相当・ズーム全域で開放F2.8の「DSC-RX10」(2013年11月発売)もラインナップしている。
必要に応じてオン/オフ可能なNDフィルターを内蔵。センサーに届く光量を1/8に(シャッタースピード3段分)減らすことで、晴天下のような明るい状況でも絞りを開けられるようになる。屋外の人物撮影など、背景をボカして被写体を浮き上がらせたいシーンで活用できるだろう。
RX100シリーズで始めて、電子ビューファインダー(EVF)を内蔵。144万ドットの有機ELパネルを採用する。アイセンサーで背面モニターとの自動切り換えにも対応。ポップアップ式EVFとしたことで、収納時にはフラットな本体になる。
背面の液晶モニターは3型約122.9万ドット。上180度・下45度のチルトに対応し、液晶モニターを被写体側に向けられるようになった。自分撮りに便利とされる機構。
Wi-Fi機能を搭載。NFC対応のスマートデバイスとは、端末とカメラを近づけることで接続設定が行なえる。また、カメラ内アプリ「PlayMemories Camera Apps」にRX100シリーズで初対応し、画像エフェクトや特殊撮影をカメラ側のガイドで楽しめる。
動画記録は最大1,920×1,080/60p。ビデオフォーマットは、RX100シリーズでもすでに対応していたAVCHDに加え、プロ用のXAVCを民生用に拡張したという「XAVC S」フォーマットを新たに採用。50Mbpsという高ビットレートで動きの多いシーンでも圧縮ノイズを少なく撮影できるという。1,280×720/120pでの撮影にも対応。
また、フルHD動画とともに、Web共有などに向けたデータ量の小さいMP4動画を同時記録することも可能になったという。
バッテリーは「NP-BX1」。RX100およびRX100 IIと同じ。撮影可能枚数は320枚(EVF時は230枚)。記録メディアはSDXC/SDHC/SDカードおよびメモリースティックデュオに対応。
外形寸法は101.6×58.1×41mm。重量はバッテリー・メディア込みで約290g。
別売で「アタッチメントグリップAG-R2」(5月30日発売、税別1,500円)を用意。エラストマー素材で、両面テープを用いてカメラに貼り付ける。AG-R2はRX100シリーズ3機種に付くが、RX100M3で前部のデザインが変わったため、従来のRX100シリーズ用グリップはRX100M3には付かないという。
「専用ジャケットケースLCJ-RXF」(5月30日発売、税別8,400円)もRX100シリーズ3機種共用。ボディ下部に取り付けるケース部分と、上蓋部分のセット。ショルダーストラップも付属する。モニターのチルト、三脚への取り付けが可能。