水族館のクラゲでアート作品!

水槽の照明をうまく使ってクラゲを演出してみましょう

今回は、水族館のクラゲをアートに撮影してみましょう。撮影にお伺いした池袋のサンシャイン水族館にはトンネル型のクラゲの水槽があり、演出として水槽内の照明が音に合わせて変化します。この変化する照明と半透明の体を持つクラゲはとても相性が良く、クラゲが体現する様々な表情を撮影することができるのでオススメの撮影スポットです!

いちばんクラゲらしいブルーを全体の色調としました。ホワイトバランスを蛍光灯にするとブルーの発色がキレイになります
クラゲのトンネルにはミズクラゲが沢山います。お気に入りのクラゲを見つけたらそのまま追ってみましょう

ホワイトバランスを蛍光灯にして青っぽさを出すと、とてもクラゲらしい写真が撮れますが、クラゲトンネルの上の方が暗くなる瞬間を狙って白と黒の対比を出すと、クラゲの体の柔らかいイメージとバックの闇の硬いイメージが相まって、シックなイメージの大人っぽい写真になります。

空中からふわりと落ちてくるようなクラゲ。黒バックだと全体が引き締まってシックなイメージになります
ポートレートっぽくいうとクラゲのサイド光です(笑)。丸みを帯びたつるんとしたクラゲのカサの形状を引き立ててくれます

クラゲに関わらず水族館撮影の基本としては、ガラスの映り込みがないように水槽とレンズの距離はなるべく開けないようにしましょう。

ストロボはNGです。また、ISO感度はあまり上げすぎると画像が荒れてしまいますが、低感度だと動きを追いきれません。最近のカメラは高感度撮影もキレイですのでISO1000前後まで上げてしまっても大丈夫でしょう(大きなサイズにプリントするときはなるべく低い感度で撮影しましょう)。

ホワイトバランスは水槽ごとに変わってしまいますので、オートで撮ってみて違うと思ったら蛍光灯から試してみてください。RAWで撮っておくと後からホワイトバランスの調整ができるのでオススメです。

後は、彩度を上げたり、コントラストを上げたり、モノクロームにしたりと自由に遊んでみてください。逆光になるように撮影するとクラゲの体を光が通るので、光を活かした作品になります。

全体像ではなくてレースのような一部分に寄って撮るのもおもしろいですよ
こちらはミズクラゲのトンネルを出た所にいるアカクラゲ。彩度を上げるとこんなにビビッドに!
モノクロームにするとまるで水墨画のように。光の筋をうまく使えばこんなシルエットのクラゲも新鮮ですね

クラゲは光を通す透明な体と水中で柔らかく変形する体を持っているので、じーっと見ていると写真のイメージを膨らませてくれます。普段は「わぁ、キレイ」だけで通り過ぎてしまっていたかも知れませんが、次からはぜひ、被写体として見つめてみてください。

また、カメラを覗いているとどうしても夢中になって撮ってしまうと思いますが、他のお客さんの観賞の邪魔にならないように注意しましょうね!

協力:サンシャイン水族館

撮影機材:ニコンD600
(2013/8/20)
(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com