Tokina atx-m 11-18mm F2.8 X
発売日:3月14日(金)
実勢価格:9万3,000円前後
<SPECIFICATION>
レンズ構成:11群13枚
絞り羽根枚数:9枚
最小絞り:F22
最短撮影距離:0.19m(11mm時)、0.3m(18mm時)
最大撮影倍率:0.11倍(11mm時)、0.08倍(18mm時)
フィルター径:φ67mm
外形寸法(最大径×全長):約74.4×74.4mm
質量:約320g トキナーの11-18mm F2.8のレンズに富士フイルムXマウント用が登場した。ワイド端11mmの超広角の画角と、ズーム全域で開放F2.8という明るさが特徴だ。超広角は風景撮影でとても重宝する。
micro USBコネクターを備え、ファームウェアアップデートに対応する ※本企画は『デジタルカメラマガジン2025年4月号』より転載・加筆したものです。
ワイド端11mmで梅を撮影。超広角のデフォルメ効果を生かして竜のようにしなる曲線を表現した。ゆがみを感じさせない自然な描写がうれしい。濃厚な美しい青空に梅花が映えて、さわやかな画作りが楽しめた
富士フイルム X-H2/11mm(16.5mm相当)/絞り優先AE(F11、1/500秒、-1.0EV)/ISO 400/WB:太陽光 山頂からダイナミックな朝焼けを捉えたり、森の中で見上げてパースペクティブを描いたり、渓流では低い位置から水の流れを迫力満点に表現できる。
アクティブな撮影にはボディサイズも重要で、全長74mm、質量約320gというコンパクトさは持ち運びに優れている。超広角は手持ち撮影が多いため、軽量であるほど構図を長時間粘れるのでうれしい。迫力のあるパースを生かした撮影でも、木々が不自然にゆがむことがなく、自然な描写が得られた。
星空撮影も快適で、輝きの小さな星たちもたくさん捉えられ、夜空の青色が美しい。軽快に超広角の世界を楽しめ、表現の幅を広げたい人におすすめの1本だ。
夕焼けが美しかったので、急いで車を降りて手持ちで素早く撮影した。テレ端の18mmで撮影したが、標準レンズのような素直な画作りも楽しめる。透明感のあるクリアな描写で、冷たい空気感を伝えられた
富士フイルム X-H2/18mm(27mm相当)/絞り優先AE(F11、1/55秒、-1.7EV)/ISO 400/WB:太陽光 超広角でもゆがみの少ない描写力
ワイド端は35mm判換算で16.5mmの超広角でありながら、ゆがみの少ない自然な描写を楽しめる。デフォルメ効果を生かし、手前の水の流れを大きく、背景の滝は小さく描いた。超広角らしい迫力ある描写をしつつ、周辺の木々や岩肌が引き伸ばされることなく、忠実に再現されている。ゆがみが少ない描写は風景写真で安心して構図を決定でき、違和感を与えることなく写真を見てもらえる。
手前の水流は小さな流れだが、ワイド端の11mmで、50cmほどの距離まで近づいて大きく捉えた。川中での撮影だったが、軽量ボディのためストレスなく撮影できるのは良い
富士フイルム X-H2/11mm(16.5mm相当)/絞り優先AE(F16、1/4秒、-2.0EV)/ISO 250/WB:太陽光 風景でも生きる開放F2.8の明るさ
開放F値2.8通しのズームレンズは、星空風景撮影で重宝する。星を点として描写する星空風景は、ISO感度をできるだけ上げずに星が静止するシャッター速度を選ぶのが重要だ。月がない暗い夜でも開放F2.8なら、ISO 6400でシャッター速度は9秒で適正露出が得られる。小さな星の光を多く捉えられるため、クリアで透明感のある夜空が表現できる。
F2.8の開放絞りで、星団や流れ星などを含めた小さな無数の星たちを緻密に捉えられた。-10℃を下回る寒い夜だったが、持ち運びに体力を消耗せずに撮影できたのもありがたい
富士フイルム X-H2/11mm(16.5mm相当)/絞り優先AE(F2.8、9秒、+1.7EV)/ISO 6400/WB:3,350K 軽量・コンパクトなので撮影の自由度が高い
さまざまなレンズを持ち歩く風景写真において、小型かつ軽量であることは大きなメリットとなる。登山などの長時間の移動や、渓流や雪上といった足場が不安定な場所でも、積極的に持ち出したくなる。
軽量であることで体力が温存でき、撮影の集中力を維持して高いパフォーマンスを発揮する。カメラバッグ内でもかさばらず、収納しやすいのも魅力だ。
渓流の中にある倒木にしぶき氷が付いていた。長靴を履いて、氷の輝きを引き立てるように逆光方向に回り込んだ。水面ギリギリにカメラを構えて写した
富士フイルム X-H2/11mm(16.5mm相当)/絞り優先AE(F8、1/160秒、-1.0EV)/ISO 200/WB:3,700K 最短撮影距離19cmまで近づき、足元の福寿草を大きく捉えた。枯木を背景に春を告げている野山の環境を描く。F5.6で背景を適度にぼかして、けなげな主役を引き立てた
富士フイルム X-H2/11mm(16.5mm相当)/絞り優先AE(F5.6、1/750秒、-0.7EV)/ISO 125/WB:太陽光 林床に手のサイズほどの葉が揺れていた。葉の裏側に周り込み、地面に寝そべるほど低い位置から空を仰いだ。機動力が高いため、苦しい体勢でもじっくりと構図を追い込める
富士フイルム X-H2/12mm(18mm相当)/絞り優先AE(F16、1/55秒、-1.0EV)/ISO 400/WB:太陽光