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桜を絶景に仕上げるためのマストアイテム「K-Series 100mmフィルターホルダー Mark III」

K-Series 100mmフィルターホルダー Mark III
発売日:2024年12月6日
実勢価格:1万7,800~1万9,800円前後(税込)
バランサー使用
歴史ある古い石橋と桜の美しいコラボレーション。桜の後ろには沈みゆく太陽があり、透過光によって桜の花びらが輝きを放っている。明暗のコントラストが強くなったため、バランサーを使用して光のバランスを整えながら撮影を行った
ソニー α7R V/FE 70-200mm F2.8 GM OSS II/151mm/マニュアル露出(F16、1/10秒)/ISO 50/WB:太陽光

角型フィルターのホルダーはH&YのK-Seriesを初期型からずっと愛用している。ユーザーの要望に応えてアップデートされてきているが、Mark IIIはこれまでの中で最も大きな進化を遂げたと言える。

Mark IIはホルダーをレンズに付ける際にアダプターリングを使用し、ホルダーとネジで固定していた。この作業はかなり手間がかかり、ホルダーを取り付ける時間がなく、手持ちで角型フィルターを使うときもあった。

しかし新型のMark IIIは、アダプターとホルダーがマグネットで簡単に取り付けられるため、装着にかかる時間が大幅に減った。ホルダーがしっかりと取り付けられれば、角型フィルターもマグネットでホルダーにピタッとくっつくため、あとはじっくりと構図を決めて被写体を追い込める。Mark IIIは撮影に集中させてくれるため、今後の桜撮影ではマストアイテムだ。

※本企画は『デジタルカメラマガジン2025年3月号』より転載・加筆したものです。

角型フィルターホルダーの操作性が向上

マグネットで瞬時に装着

レンズの口径に適したアダプターリングを取り付ける。アダプターリングとMark IIIホルダーはマグネットでしっかりと接続される。近くで手を離すと、簡単に固定されるため、手間がかからない

スライド式ロックでスムーズに固定

アダプターリングとホルダーを取り付けた後、背面の両側にあるスイッチを上にスライドさせてロックする。動作は滑らかで、操作も容易だ。Mark IIに比べて、装着が格段に迅速に行える

ドロップインCPLも使える

H&Yフィルターホルダーの特徴はCPLフィルターを装着できること。ドロップイン式で上から簡単に差し込むだけ。CPL効果を調整するための回転ダイヤルも大きく、操作がしやすい

風景をドラマチックにするH&YのGNDフィルター

風景では一見明暗差がないように見える場所でも、実際は微妙な明暗差があったりする。GND(ハーフND)は、その明暗差を調整し、見た目の状態に近づけるためのフィルターだ。明暗差がそれほど顕著でないシーンはレタッチで調整もできるが、朝日や夕日など光が強いときの逆光シーンではGNDを使用しないと白飛びが発生してしまう。

この場合、レタッチでは対処が難しい。データが飛ばないためには撮影時に適切なGNDを使うことが重要だ。GNDには境目の違いでいくつかの種類が存在するので、その違いを紹介しよう。

フィルター未使用
バランサーとソフトを使用
GNDは上部が暗くなっているフィルターだ。上のような空が明るく、手前が暗いシーンで使うことが多い。グラデーションが滑らかなバランサーを使い、もう少し空を暗くしたかったのでソフトを重ねた。H&Yのフィルターはマグネット式であるため、重ね付けが簡単なのも良い点だ
ソニー α7R V/FE 16-35mm F2.8 GM/24mm/マニュアル露出(F16、5秒)/ISO 80/WB:オート

画面全体の階調を均一に整えられる「バランサー」

ソニー α7R IV/FE 16-35mm F2.8 GM/17mm/マニュアル露出(F13、3.2秒)/ISO 160/WB:太陽光

オールマイティーに使えるフィルター。私はまずはバランサーを装着して状況を確認し、必要に応じてGNDを追加する方法をとっている。一見明暗差がないように見える場所でも、バランサーを使用して明るさを整えると、まとまりのある写真になる。

緩やかなグラデーションで使用範囲の幅が広い「ソフト」

ソニー α7R V/FE 28-70mm F2 GM/70mm/マニュアル露出(F11、1/160秒)/ISO 800/WB:オート

ソフトは明暗差がありながらも境目がそれほど明確でないシーンに適している。例えば、朝日が昇る前の状況では、明暗差があるものの太陽の光はまだ見えていない。このような穏やかに空が明るい状況に向いている。

水平線などはっきりした境目に向く「ハード」

ソニー α7R V/FE 28-70mm F2 GM/35mm/マニュアル露出(F16、1/500秒)/ISO 64/WB:オート

海のシーンなど、被写体の明暗差が明確な場合に効果的なフィルター。特に夕日や朝日など太陽の光が強く、空の露光を大胆に減らしたいときに有効だ。上の写真は、ハードを使用し、空のメリハリを与えている。

ニュートラルな発色のNatural CPL

実勢価格:2万2,600円前後(税込)

フィルターホルダー対応のCPLフィルター。Natural CPLフィルターは、装着時も自然な色合いを保ち、色彩を忠実に再現する。CPLの効果を最大にしても色が平たんにならず、とても繊細で美しい色を再現してくれる。GNDと併用できるところも便利だ。

フィルター未使用
CPL使用
清家道子

福岡生まれ。カラーコーディネーターを経て風景写真家となり、現在は九州を中心に活動している。JPS 日本写真家協会会員、OM SYSTEMゼミ講師、αアカデミー講師。