拝見 写真家の機材

[防湿庫管理編]トレーやボックスを活用して庫内を整理…河田一規さん

写真家の方々は、機材をどのように管理しているのでしょうか? 特別企画「【2020梅雨版】機材管理、保管時のポイントとは?」と連動し、当誌で執筆協力いただいている写真家の方々に防湿庫の中身や管理のコツを教えてもらいました。(編集部)

連動記事「【2020梅雨版】機材管理、保管時のポイントとは?」はこちら
Part1:防湿庫編
Part2:ドライボックス編

――機材の管理はどうしていますか?

よく使う機材はカメラバッグに入れっぱなしにしていますね。そこまで使用頻度が高くない機材は防湿庫で管理しています。

さらにほとんど使わない機材は、ドライボックスというか樹脂製のコンテナに収納・保管しています。

――気温や湿度が高くなるこれからの時期、特別なことはしていますか?

季節に応じて保管のやり方を変えることはなく、通年で同じ管理方法です。

――防湿庫(またはドライボックス)はいくつ使われていますか?

防湿庫は2台使用しています。ドライボックス代わりの樹脂製コンテナは5個あります。

2台の防湿庫のうち、新しい方(と言っても買って10年以上経っていますが)をメイン、古い方をサブ的に使っています。

――ズバリ、防湿庫の中をみせてください

先ほどお話しましたとおり、防湿庫は2台あり、幅が約800mm、高さは約900mm、奥行きは約380mm、棚数5段の製品をメインに使ってます。冒頭の写真のものです。湿度計はデジタル式で庫内と庫外の湿度を独立表示するタイプです。

以前はこの防湿庫の上にオーディオアンプを載せていたので、それ用に厚さ50mmのウッドボードを置いています。今はネコがよく飛び乗っているので、爪痕だらけです。

日常的によく使う取材セットはここには入れず、カメラバッグに入れっぱなしです。あと、リコーGRとかSIGMA dp等のエブリデーカメラも防湿庫じゃなくその辺の棚に置いてます。

この防湿庫には樹脂製のトレーが2つ付属していました。ひとつはレンジファインダー機用の小型レンズ、もうひとつはビューファインダーやL→Mアダプター、レンズフードなどを収納。けっこう重宝してます。

防湿庫のメーカーはトーリ・ハン株式会社。機種名は「H-205W-DD」のようです。ライカユーザーの必需品、ビゾフレックスは2型を1台、3型を3台装備。

カメラやレンズだけでなく、古い露出計なんかも防湿庫に入れてます。

――理想の防湿庫とは? 防湿庫に求めることをざっくばらんに教えてください。

防湿庫のサイズやカラー、外装素材をユーザーの好みに応じてオーダーできるといいと思います。あるいはUSMハラーのようなオシャレなファニチャーメーカーと防湿庫メーカーがコラボしても面白いと思いますね。

――これからの時期、管理面でおすすめのアイテムなどがあれば教えてください。

やはり鉄板なのは防湿庫だと思いますので、そこそこ機材量があるけど防湿庫は無いぜって人は早めに導入するのが精神衛生的にもよろしいのではないでしょうか。

――今回の内容に関しまして、「これは伝えたい」という内容がございましたらお願いします。

ご存じの方が多いと思いますが、カメラやレンズはケースに入れた状態で押入のような風通しの悪い場所に長期保管すると高確率でカビが発生します。

よく使う機材は特別なことをしなくてもカビたりしないので、なるべく頻繁に使ってあげましょう。問題はあまり使わない機材ですが、こちらも防湿庫に入りきらなくなったら思い切って売却とか下取りとかで処分するのもアリかと思います。

河田一規

(かわだ かずのり)1961年、神奈川県横浜市生まれ。結婚式場のスタッフカメラマン、写真家助手を経て1997年よりフリー。雑誌等での人物撮影の他、写真雑誌にハウツー記事、カメラ・レンズのレビュー記事を執筆中。クラカメからデジタルまでカメラなら何でも好き。ライカは80年代後半から愛用し、現在も銀塩・デジタルを問わず撮影に持ち出している。