スマホSNSユーザーに贈る「PowerShot S110」活用術(第2回)

〜無線LANでスマホに画像転送してみよう
Reported by 本誌:鈴木誠

 前回は“SNS時代のデジカメ選び”と題して、「スマホの内蔵カメラが物足りない」という悩みに向けてキヤノンPowerShot S110を紹介した。

 今回は、実際にスマートフォンへの画像転送を行なう手順を紹介する。無線LANの設定ということで不安に感じる方もあるかもしれないが、以下に流れをまとめてみた。これならできそう、とポジティブに捉えていただければ幸いだ。

準備と接続手順

 設定はカメラ側(PowerShot S110)と端末側(転送先のスマートフォンもしくはタブレット)の双方から行なう。

 まずは端末側に、キヤノンが用意している専用アプリをインストールする。対応するのは、iOS 4.3〜5.1.1、Android OS 2.3/4.0以降(11月16日現在)で動作しているスマートフォンもしくはタブレット。無償アプリ「Canon Camera Window」を、App StoreもしくはGoogle Playからダウンロードしよう。

今回はiPhone 4Sで試した

 続いては無線LANの設定だ。カメラを画像再生の画面にし、方向キーの上ボタン(露出補正マーク、青で無線LANのマークがある)を押すと、カメラやスマートフォンなどのアイコンが並ぶ画面に移る。ここで上段左から2つ目のアイコンを選ぼう。

方向キーの上ボタンで無線LAN機能を呼び出す転送先の機器にスマートフォンを選択する

 すると画面が「接続先の機器の選択」に移り、ここから接続先の端末を登録する。「接続先の機器の登録…」→「カメラをアクセスポイントにする」と選択すると、ネットワーク上でカメラを識別するためのSSIDと、セキュリティのための暗号化キーが表示される。この画面になったら、次は端末側の操作だ。

カメラのSSIDを端末側で選び、暗号化キーを入力して接続する

 iOS端末では、「設定」(歯車アイコン)画面内の「Wi-Fi」を選び、「ネットワークを選択…」のリストから、カメラ側に表示されているSSIDを選ぶ。暗号化キーを入力して処理中の回転マークが現れたら、そのまま「Canon Camera Window」(Canon CW)アプリに切り替えよう。

Wi-Fiネットワークの選択画面で、カメラに表示されているSSIDを選ぶCanon Camera Windowの画面

 アプリが起動して数秒ほどで「接続しました」と表示され、画面下に接続したカメラのSSIDが表示されるはずだ。もしカメラの表示が「接続中」のままタイムアウトになってしまうような場合は、端末側でSSIDの選択からアプリ起動までを改めて試してみるとよいだろう。

「カメラ内の画像を見る」でサムネイル表示したところ。iOSのカメラロールのような操作感複数枚をまとめて選んで転送することもできる

 このPowerShot S110の特徴的なスマホ連携機能として、スマートフォン側のGPSを使って画像に位置情報を書き込む「GPSモバイルリンク」がある。前モデルのPowerShot S100では無線LANの代わりにGPSをカメラ本体に内蔵していたが、基地局の位置情報も併用できるスマートフォンのGPS機能のほうが、現在地を割り出すまでが速いのだ。

 使い方は、アプリを立ち上げてログ記録の開始ボタンを押しておき、記録終了後に再度カメラを接続して「カメラ内の画像に位置情報を追加する」を選ぶ。

アプリでスマートフォンの位置情報を記録し、カメラ内の画像にまとめて付与できるカメラ側で画像データを表示したところ。位置情報が書き込まれたことがわかる

転送後の可能性は無限

 画像をスマートフォンに転送してしまえば、あとは内蔵カメラで撮影した画像のように自由に扱える。PCレスでデジカメ画像を転送すると、スマホの内蔵カメラが拡張されたような気分にもなる。

 転送アプリのCanon Camera Windowには、アプリ内からFacebookに画像を直接投稿できる機能が備わっている。細かな画像編集を行なわない場合には最もシンプルな手段だ。

カメラ内画像のサムネイル表示から、1枚を選択したところ。メニューからSNS投稿や位置情報の削除が可能アプリ内でコメントとリサイズの設定ができる

 スマートフォンの画像アプリを使って一手間かけたい場合は、まず「画像を保存」を選んで端末内に画像を保存する。任意のアプリで画像を加工・保存し、FacebookやTwitterなどのSNSアプリから投稿しよう。

カメラ内でも簡単なトリミングやリサイズが行なえる。小さめの画像サイズだとスマホアプリでより快適に扱えるため、バランスを試してみてほしいiPhoneアプリ「Snapseed」を試してみた。無料から有料まで、個性溢れる無数の画像アプリを活用できるのもスマホ連携のポイントだ
投稿をパソコンのWebブラウザで見たところ

 このようにスマホ転送からFacebook投稿までの手順をおさらいしてきたが、いかがだっただろうか。無線LANはこれまでにもデジタル一眼レフカメラにおけるプロユースでの画像転送に使われてきたが、コンパクトデジカメに搭載するからには万人に扱いやすくなければ、という考えが伝わってくる。

 何より、画像をスマートフォンに送りさえすれば、ちょっとした出先の空き時間などにも様々なアプリで写真に一手間を加えることができるのだ。これはパソコンにあまり親しみのない層に改めて強調したいポイントである。PowerShot S110のスマホ連携で、一歩踏み込んだ写真ライフを楽しんでいただければ幸いだ。

 次回はPowerShot S110で撮影し、スマートフォンで加工した写真を小さなプリントなどに仕上げるまでの手順を紹介したい。

(協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社)






本誌:鈴木誠

2012/11/16 12:47