特別企画

三脚がなければ撮れない最新機能やテクニックを紹介!

解像度アップ、ハーフND、タイムラプスなど…デジタルならではの技術やトレンドをまとめました

UTC-63

使いたいときに持ってなければ「無い」のと同じ。小型三脚のすすめ

大きく重い三脚を常に持ち歩くのは大変だ。

今日はこんなシーンを狙うから三脚が不可欠という場合や、撮影ポイントまで車で行けて、ほとんど歩かずにその場で撮影できるような場合には、大きく重い三脚のほうが固定力やブレ抑制力は上。

しかし、徒歩移動の距離が長かったり、具体的に何を撮るのか決まっていない散策しながらの撮影では、三脚はできるだけ小さく軽いほうがいい。

無理して重い三脚を持っていって機動力が大幅に低下してしまっては本末転倒だし、疲れるから今日は三脚を置いていこう、なんて日に限って、三脚がなければ撮れない絶景シーンを目の当たりに、ああ、今、三脚があればなぁ〜、なんて後悔したりする。

なので、常に持って歩ける三脚として、ボクが今、愛用しているのが、ベルボンの「ウルトレックUT-43」だ。

脚を反転して収納状態にすると、400mmクラスの超望遠ズームほどの大きさなので、リュック型のカメラバッグの中に余裕を持って収められる点が気に入っている。

ただ、携帯性重視ということで、脚を目一杯伸ばしても高さが足りないこともあるし、剛性を考えると一番細い脚やエレベーターを最大に伸ばして使うのは少し不安がある。

カーボンを初採用したウルトレック

そこで、今回、ベルボンにお願いして貸してもらったのが、ウルトレックシリーズの最上位モデル「UTC-63」。

ウルトレックシリーズ初のカーボン素材採用で、脚の太さは30mmと太く、一番細い5段目の脚でも約14.3mmある。

UTC-63

ちなみに、UT-43の一番細い6段目のパイプ径は9.8mmで、4段目でやっと15.4mmだ。これだけパイプ径が太くなっても、脚のみの実測重量は、UT-43の約900gに対し、UTC-63は約1,150gと、わずか250gしか増えていない。

ただ、縮長はUT-43の約27cmに対し、UTC-63は約36cmで、150-600mmクラスの超望遠ズーム並の長さになるが、愛用しているリュック型カメラバッグにはなんとか収めることができた。

ボクが愛用しているのは、thinktank photoの「StreetWalker HardDrive」というリュック型カメラバッグ。UTC-63は超望遠ズームくらいの大きさなので、リュック内にすっぽり収納することができる。

この日はストロボを持って出たのでレンズは少なめだが、間仕切りを工夫すれば、UTC-63を入れても、超広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームとボディ1台くらいは余裕で収納できる

ところで、自分のカメラは、すべてRRSやKIRK(KES)などアルカタイプのプレートを装着しているので、三脚を貸し出してくれたベルボンさんには申し訳ないが、雲台をRRSのBH-30というボール雲台に交換している。

アルカタイプのプレート/クランプシステムの魅力は、各カメラの形状に合わせて設計された各機種専用のカメラプレートが用意されている点。

カメラプレートを装着したままでもバッテリーの交換や側面端子にアクセスでき、さまざまなアクセサリーを組み合わせることで、パノラマ撮影やマクロスライダー的な撮影にも対応できる。

また、L型プレートを使えば、縦位置でもカメラの重心が崩れないので、小型三脚でもブレにくいのが特徴だ。

ただ、UTC-63に標準装備のQHD-S6Qという自由雲台も、ベルボン独自のクイックシュー「QRAシステム」を採用していて、別売で「BR-Q」というLブラケットも用意されている。これを使えば、縦位置撮影でも重心が崩れず、小型三脚でも安定した撮影ができる。

アルカ系ブラケットは、各カメラ専用Lブラケットが用意されていて、組み合わせの自由度が高いのが魅力だが、アルカスイス“規格”ではなく、あくまで“互換”なので、アクセサリーメーカーごとに微妙に形状や寸法が違ったり、横滑りの脱落防止のストッパー仕様もバラバラ。

うっかりプレートが傾いた状態で雲台に装着し、クランプを締めて、ちゃんと固定されたと勘違いしてカメラやレンズから手を離した途端、機材を落下させてしまう、という恐れもある(経験者は語る……汗)。

その点、ベルボンのクイックシューは装着時に“カチッ”とハマった感触と音でダブルチェックできるので、そういった撮影者の不注意による機材の落下事故を起こしにくいのが特徴だ。

これが三脚必須のカメラ機能や撮影手法だ

最近は、手ブレ補正と高感度性能の進化で、ライトアップされた都市夜景くらいは、三脚を使わなくても手持ちで撮影できることが多くなってきた。

また、観光地で長時間三脚を据えて陣取ったり、花壇など立ち入り禁止の場所に脚を入れて撮影するなど、周囲に配慮を欠いた三脚使用が問題となり、三脚禁止の撮影場所も増えつつある。

そんなこともあって、ますます三脚を積極的に使用する頻度は減っているのだが、夜景、星景、パノラマ、タイムラプスなど、どうしても三脚が不可欠な撮影もある。

また、最近は、ボディ内手ブレ補正を活用した画素ずらしによる高解像度撮影や、ピント位置を少しずつズラしながら深度合成素材を撮れる機能を搭載した機種もあり、これらも三脚必須の撮影機能だ。

このように、三脚がなければ撮れない最新の機能や撮影手法のいくつかを、これから簡単に紹介していこう。

精細感が向上する「画素シフト解像度UP系」機能

ボディ内手ブレ補正の強みは、手ブレ補正機能を搭載していないレンズでも手ブレ補正が効くことだ。

しかも、ティルトブレだけでなく、シフトブレ、回転ブレまで補正できるようになり、オリンパスやパナソニックのように、レンズとボディの手ブレ補正を協調動作させることで、手ブレ補正段数をさらに向上させるメーカーも登場してきた。

さらに、撮像センサーを高速、高精度に動かせるボディ内手ブレ補正の機能を活かし、ピクセルあるいはサブピクセル単位でセンサーを微小駆動しながら複数回撮影することで、画素数以上の高精細描写を実現する機能を搭載したカメラも増えてきた。

その先駆け的存在が、PENTAX K-3 IIで初めて搭載された「リアル・レゾリューション・システム」だ。

一般的な撮像センサーはモノクロセンサーなので、各画素の前にRGBのカラーフィルターをモザイク状に配置して色分解を行っている。

そのため、ひとつの画素で捉えられるのはRGBどれか1色だけで、足りない色情報は近傍の画素の情報から演算で補間処理している。あくまで補間なので、演算の誤差によって擬色や色モアレが生じたり、赤や青など単色で構成されるディテールが甘くなってしまうこともある。

そこで、センサーを上下左右に1ピクセルずつ移動させながら4回撮影することで、ひとつの画素でRGBすべての光を取り込み、補間のない色情報を得られるようにしたのが、ペンタックスの「リアル・レゾリューション・システム」や、α7R IIIの「ピクセルシフトマルチ撮影」だ。

これらの機能は、記録画素数は通常撮影とまったく同じだが、色補間を行わないので、擬色やモアレに配慮した無難な画像処理を行う必要がなく、解像性能を最大限に引き出す攻めの画像処理が行える。

通常撮影と同じ画素数とは思えないほど、ピクセル等倍鑑賞でも緻密な高精細描写が得られるのが特徴だ。

α7R IIIのピクセルシフトマルチ撮影

山梨県富士吉田市の新倉山浅間公園からの眺望。ここは五重塔(忠霊塔)と富士山が一望できる海外観光客に人気のスポット。桜や紅葉、雪シーズンには多くのカメラマンが集まるが、最近は「混雑時三脚禁止」の貼り紙が……。

現在はカメラマンのマナーに期待、といった感じなので、全面的に三脚撮影禁止にならないよう周囲に配慮した撮影を心がけたいものだ。

α7R IIIのピクセルシフトマルチ撮影を試みたのは、展望台から少しだけ左に逸れた場所で、ここは比較的空いているので、安心して三脚撮影ができる。

ピクセルシフトマルチ撮影は、被写体にわずかでも動きがあると、その部分が幾何学模様のように破綻した描写になってしまうが、この日は比較的風が穏やかだったので、ダメもとでピクセルシフトマルチ撮影に挑戦。

ペンタックスのリアル・レゾリューション・システムは、カメラ内で合成処理を行ってくれるので、撮影現場ですぐに写りを確認できるが、α7R IIIのピクセルシフトマルチ撮影は、カメラ内での合成処理機能はなく、Imaging Edgeというソフトウェアを使って撮影した4枚のRAW画像を合成する仕様だ。

そのため、うまく撮れたかどうかはその場ではわからない。しかも、撮影間隔の設定が最短で1秒なので、1セット撮影するのに4秒はかかってしまう。

今回撮影したピクセルシフトマルチ撮影の結果を見ると、一見うまく撮れているように見えるが、ピクセル等倍で細かくチェックすると、立ち上る煙や動いているクルマ、動いている雲に幾何学模様が生じている。

しかし、通常撮影と比べてみると、おどろくほど細部までクッキリと解像していて、画素数は同じでも情報量の圧倒的違いが感じられる。ただ、Imaging Edgeで1枚のRAW画像から現像したJPEGは、少しキレが甘く、カメラで撮影したJPEGのほうが解像感が高い。

α7R III FE24-105mm F4G OSS(48mm域) 絞り優先オート F10 1/25秒 +0.3EV補正 ISO100 WB:AUTO(ホワイト優先) クリエイティブスタイル:風景

※以下は画面の中央部を等倍に拡大したものです。クリックするとオリジナル画像を表示します。

通常撮影
ピクセルシフトマルチ撮影した4枚のRAWをImaging Edgeで現像
ピクセルシフトマルチ撮影したRAWを1枚だけImaging Edgeで通常現像

α7R IIIのピクセルシフトマルチ撮影は、[撮影モード/ドライブ1]メニューから設定する。

ピクセルシフトマルチ撮影の撮影間隔は、1/2/3/4/5/10/15/30秒。自然風景には1秒間隔でも長すぎるが、これはスタジオ等でストロボ撮影する際に、フルチャージに必要な時間を確保するためらしい。

一方、センサーシフトで少しずつ画素をずらすことで記録画素数を大幅に増やし、センサーの画素数よりも高解像度で撮影できるのが、E-M1 Mark IIやE-M5 Mark IIの「ハイレゾショット」、G9 PROの「ハイレゾモード」だ。

ピクセル等倍鑑賞では多少キレが悪く感じるかもしれないが、プリント出力したり、通常撮影と同じ画素数に縮小すると、確かにより細かな部分まで解像しているのがわかるはずだ。

E-M1 Mark IIのハイレゾショット

浅草・吾妻橋から東京スカイツリー方面を撮影。通常撮影の記録画素数は約20メガピクセルだが、ハイレゾショットで撮影すると、センサーシフトをしながら8回画素ずらし撮影を行い、カメラ内で約50メガピクセルのJPEG画像を生成する。

RAWで記録すれば、OLYMPUS Viewer3で80メガピクセル出力も可能だ。

東京スカイツリーの先端を見ると、20メガピクセルの通常撮影だと擬色が生じて、細部が少し不鮮明だが、50メガピクセルのハイレゾショットは完全に先端の微細構造が解像し切っている。

さらに、OLYMPUS Viewer3で出力した80メガピクセルのハイレゾショットは、ピクセル等倍では少しキレが甘く感じるが、スカイツリーの先端の微細構造が完全に解像して見える。

ちなみに、ハイレゾショットは、被写体が完全に静止しているのが前提の撮影機能で、高速を走っているクルマが多重に透けて写っているが、水面の揺らぎは破綻していないように見える。動きの少ない自然風景撮影にはなんとか使えそうだ。

E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO 絞り優先オート F4.5 1/1250秒 -0.3EV補正 ISO200 WB:晴天

※以下はタワーの一部を等倍に拡大したものです。クリックするとオリジナル画像を表示します。

通常撮影
ハイレゾショット
ハイレゾショットのRAWデータをOLYMPUS Viewer3で80Mピクセルで現像出力

E-M1 Mark IIのハイレゾショット。コントロールパネルのドライブモードからも設定できる。

G9 PROのハイレゾモード。80.5Mと40M出力を選択できる

UTC-63の脚を全段伸ばすと雲台の高さは約130cm、エレベーターも伸ばすと150cmちょっとで、身長170cmくらいの人のアイレベルの高さから撮影できる。トラベル三脚でここまで高さがあれば、手前に柵があっても十分避けられる。

三脚の高さが足りないときは、脚を最大に開脚させて、テーブル三脚的な使い方も可能。脚が短いので、ちょっとしたスペースがあれば設置できるのが強みだ。

ハイレゾdeパノラマ

パノラマ撮影も三脚があると、しっかり水平を保ちながら横パンニングできるので便利だ。

ただ、このような望遠での縦パンニング撮影は、自由雲台だとあまり御利益はないが、それでもライブビューに格子線を表示し、スカイツリーの中心と画面の中心を合わせながら、繋ぎ目が足りなくならないよう確認しながら慎重に撮影できるのが三脚撮影のメリットだ。

せっかく三脚を使って撮影するのなら、と、E-M1 Mark IIのハイレゾショットで8枚の素材を撮影し、PTGuiというパノラマ合成ソフトで、2億4,600万画素の高解像度パノラマを作成してみた。

E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO マニュアル露出 F6.3 1/1,000秒 ISO200 WB:晴天

パノラマ合成ソフトの定番、PTGui。撮影した素材をPTGuiに読み込んで、[Align image...]ボタンをクリックするだけで、高精度に繋がったパノラマ写真ができあがる。

小絞りボケを起こさずパンフォーカス撮影ができる「被写界深度合成系」機能

手前から奥までピントを合わせたいときは、絞りを絞って被写界深度を深くするのが基本。

しかし、35mmフルサイズ機は被写界深度が浅いので、F22まで絞っても、手前から奥まで被写界深度でカバーできないことも多い。しかも、F22まで絞ってしまうと、光の回折現象で解像やコントラストが低下してしまい、せっかくの高画素の解像性能を引き出せない。

高画素モデルならではの解像性能を活かすなら、どんなに絞ったとしてもF16、できればF11までに留めておきたいところだ。

では、絞りを絞らず、深い被写界深度を得るにはどうしたらいいのだろうか? そのひとつの答えが「深度合成」というデジタルならではの撮影技法だ。

カメラを完全に固定した状態でピント位置を少しずつズラしながら撮影した複数枚の写真を、パソコンのソフトウェアを使ってピントの合った部分だけを抽出、合成することで、通常撮影では得られないような深い被写界深度を得ることができる。

主にマクロ撮影で深い被写界深度を確保したいときに使われるが、風がなく、草木がピタッと静止している場合や、手前の被写体が遠景と被っていないなど条件がマッチすれば、自然風景撮影でも有効な撮影手法だ。

深度合成の素材を撮影する際、ピント位置を少しずつズラしながら撮影することになるが、この作業を自動的に行ってくれるのが「フォーカスブラケット」という機能だ。

E-M1 Mark IIやE-M5 Mark II、LUMIX G8/GH5/G9 PRO、D850などに搭載されているが、この機能を備えていないカメラでも、手動でピント位置を移動させれば(ちょっと面倒だけど)深度合成は可能だ。

ちなみにボクが使っている深度合成ソフトは、Helicon Focusというソフト。Photoshopでも深度合成は可能だが、遠近の被写体が同一箇所に混在しているようなシーンはHelicon Focusのほうが得意で、合成が不自然になっている箇所の修正作業も楽だ。

深度合成については、「ニコンD850『フォーカスシフト』 風景撮影での使用法を考える」で解説しているので、ぜひこちらも参照してほしい。

D850のフォーカスシフトで深度合成

結氷した山中湖と富士山をローポジションで撮影。18mmの超広角で撮影しているので、かなり被写界深度は深いはずだが、F11まで絞っても手前の氷と富士山は被写界深度外、F16まで絞ると、富士山はなんとか被写界深度に収まってきた感じだが、一番手前の氷は微妙にピントが甘い。

F22まで絞ると小絞りボケで全体の解像が低下してくる。センサーに付着したゴミもF16以上絞るとクッキリ目立ってくる。フルサイズだと、近景から遠景までパンフォーカスで撮影するのはかなり大変だ。

そこで、D850のフォーカスシフト撮影を使って、深度合成のための素材を撮影。構図を決めたら、ライブビューAFで一番手前の被写体にピントを合わせ、フォーカスブラケットを開始。すると、カメラが自動的にピントを移動しながら撮影を繰り返し、無限遠方向にこれ以上フォーカスリングが動かなくなると撮影が終了する。

安定した露出で撮影するため、マニュアル露出に切り換え、絞りは回折の影響を考慮しF7.1に設定、富士山の冠雪が白トビしないようにシャッタースピードは1/640秒で撮影した。

こうして撮影した14枚の素材をHelicon Focusという深度合成ソフトに読み込ませ、[レンダリング]ボタンをクリックすれば、手前の氷から富士山までビシッとピントが合った高解像のパンフォーカス写真が完成する。

その後、山中湖の平野に移動すると、さらに結氷した氷が割れてフォトジェニックな光景が広がっていた。

逆光で湖面が光るまで待ち、深度合成するための素材をフォーカスシフトで撮影。太陽の光条を出すため、絞りはF9まで絞っているが、小絞りボケの影響はまだ少なく、D850の高い解像性能が十分引き出されている。

D850 AF-S NIKKOR 18-35mm F3.5-5.6G マニュアル露出 F7.1 1/640秒 ISO100 WB:自然光オート フォーカスシフトで撮影した14枚を深度合成
画面奥を等倍に拡大したもの(クリックでオリジナル画像を表示します)
画面手前を等倍に拡大したもの(クリックでオリジナル画像を表示します)

D850 AF-S NIKKOR 18-35mm F3.5-5.6G マニュアル露出 F9.0 1/250秒 +0.3EV補正 ISO64 WB:自然光オート フォーカスシフトで撮影した7枚を深度合成
画面奥を等倍に拡大したもの(クリックでオリジナル画像を表示します)
画面手前を等倍に拡大したもの(クリックでオリジナル画像を表示します)

Lブラケットを使えば縦位置撮影でも重量バランスが安定するので、小型三脚でも余裕でフルサイズ一眼レフカメラを支えられる。また、ライブビューでサイレント(電子シャッター)撮影すれば、ミラーやシャッターショックがないので、風さえなければブレのない撮影が行える。

フォーカスステップは最小間隔の[1]に設定、サイレント撮影は[ON]で撮影する。同一箇所に遠近の被写体が混在する場合は、小絞りボケ覚悟でF11〜F14まで絞って撮影すると、繋ぎ目が不自然になりにくい。

E-M1 Mark IIのフォーカスブラケットは、ブラケット撮影の一種。AEブラケット等と切り換えて使用する。

マイクロフォーサーズは被写界深度が深いのが特徴なので、超広角や広角撮影では深度合成の必要性を感じないが、被写界深度の浅いマクロ撮影や望遠撮影には深度合成は有効なテクニックだ。

G9 PROも、ブラケット撮影の一機能として、フォーカスブラケット撮影が可能だ。

ニコンやオリンパスのフォーカスブラケット撮影は手前から無限遠方向のみだが、パナソニックはピント位置を中心に前後にフォーカスブラケット撮影することもできる。

SNSで人気の「ハーフND&高濃度NDフィルター」による長時間露出

フィルム時代には、現像するまで仕上がり結果がわからないし、フィルム代や現像料もかかるので、むやみにシャッターを切ることもできず、露出とピントが合った写真を撮るだけでも、知識と技術が必要とされた。

しかし、デジタル時代が訪れ、撮影した瞬間に仕上がり結果が見られるようになり、誰でも簡単に写真を撮れるようになった。

しかも、失敗してもフィルム代や現像料といったコストは掛からないので、思う存分シャッターを切って、その中からいいカットを選べるので、よほどの絶景や決定的瞬間でもない限り、SNS等でよく見る見慣れた写真になってしまう。

そこで、単にシャッターを切るだけでなく、特別な撮影テクニックを駆使して、フォトジェニックな写真を撮りたい!、と思う人も増えてきた。ハーフNDや高濃度NDフィルターを使った撮影もそのひとつだ。

夜明けや日の出、日の入シーンなど、輝度差が極めて大きなシーンは、どんなに露出を調節しても、明るい部分と暗い部分の階調を両立させるのは困難だ。

そこで、角型のハーフNDフィルターを使って、明るい部分だけ減光し、明暗の輝度差を少なくして階調を整えるのだ。

フィルム時代からある撮影技法だが、最近は、Cokin NuanceやNiSi、Kaniといったクォリティの高いガラス製の角型フィルターや、同じくNiSiやKaniなど使い勝手の良いフィルターホルダーが登場してきたこともあり、プロ・アマ問わず、自然風景に活用するカメラマンが急速に増えている。

夜明け・日没前後に太陽の方向にカメラを向けて本気で撮影しているカメラマンの半分以上は、ハーフNDを使って撮影しているといっても過言ではないと思う。

夜明け前や日没後など、光量が少なく、シャッタースピードがかなり遅くなってしまうシチュエーションでは三脚は欠かせないが、太陽の光がある明るいシーンでは、手持ちでもハーフNDを使った撮影は可能だ。

ただ、手持ち撮影だと、画面内でハーフNDの境目をどこに配置するかアバウトになりがちだ。

撮影結果をチェックしながらハーフNDの境目を微調整するなら、やはり三脚があったほうが確実だし、フィルターを交換する際にも両手を使えるので、高価なガラス製フィルターをうっかり落として割ってしまう、というミスも起こしにくくなる。

さらに、ND1000やND32000といった角型の高濃度NDフィルターもあり、日中でも30秒から数分の長時間露出が行える。

雲の流れや水面のさざめき、打ち寄せる波など、長時間露出によって動いているものが平滑化され、普通にシャッターを切った写真とはまるで違った仕上がりを狙うことができる。

ただ、なかなか長時間露出がピタリとハマるシチュエーションに出逢えるのは稀で、そのためだけに大きく重い三脚を持ち歩くのは大変だ。しかも、角型フィルターやフィルターホルダーも必要なので、少しでも荷物は軽い方がいい。

そういう意味でも、小型軽量と剛性を兼ね備えたウルトレックUTC-63は、徒歩移動の撮影には頼りになる相棒だ。

江ノ島の稚児ヶ淵の夕景。薄雲越しの夕陽なので、この程度の輝度差であれば、少しアンダー気味の露出でRAWで撮影し、現像時にHDR的な画像処理を行えば、ストレート撮影でも十分再現可能だが、空の明るい部分をハーフNDで減光すれば、露出を切り詰めなくても太陽の周りが白トビしなくなるので、その分、シャドーの階調に余裕が出る。

さらに、ND2000という11段分減光できる高濃度NDフィルターをハーフNDに重ねがけし、20秒のスローシャッター撮影をすることで、波の動きを平滑化し、静寂感のある夕景に仕上げてみた。

C-PLフィルターのみ使用。C-PLフィルターを水面の反射を目立たせる方向に調整しつつ、NDフィルターとしての効果も期待。ただ、F16まで絞ってもシャッタースピードは1/3秒までしか落ちないので、波の動感はちょっと中途半端かも。

クリエイティブスタイル[夕景]の[彩度]と[コントラスト]をそれぞれ[+1]にして、DROを[Lv5]に設定して明暗差を圧縮。ちょっとHDR的な仕上がりになった。

ソニーα7R III FE16-35mm F4 ZA OSS 絞り優先オート F16 1/3秒 ISO100 -0.7EV補正 WB:日陰 クリエイティブスタイル[夕景] DRO[Lv5]

次はC-PLフィルターに加え、Cokin NUANCES GND8とNiSi Neutral Density IR ND2000 を重ねがけ。これでシャッタースピードは20秒まで落ちた。

ハーフNDの効果で太陽の周りの階調に粘りが出て、波の動きも20秒の露出で平滑化され、穏やかな海面に。目で見る光景とはまったく違う静寂な海に仕上がった。

ソニーα7R III FE16-35mm F4 ZA OSS 絞り優先オート F16 20秒 ISO100 -0.7EV補正 WB:日陰 クリエイティブスタイル[夕景] DRO[Lv5]

この撮影では私物のUT-43を使用して撮影。エレベーターを伸ばしていなくても、半分、エレベーターを伸ばした腰高な状態ではあるが、風さえなければ特に問題なし。α7R III+FE16-35mm F4 ZA OSSに、NiSI 100mm Filter Holder V5PROを装着し、Cokin NUANCES GND8とNiSi Neutral Density IR ND2000 を重ねがけしている。

山中湖パノラマ台からの眺望。ちょうど雲が横に流れていたので、高濃度NDフィルターを使って、雲の動きを長時間露出で狙ってみた。

本当は、手前から奥、もしくは奥から手前に細い雲が流れていれば雲の動きが放射線のようになってダイナミックな写真になるのだが、そう簡単に狙いどおりの雲には出会えない。

だからこそ、いつでも長時間露出ができるよう、NDフィルターと三脚を携行したいとは思っているが、現実はテスト撮影のための機材でカメラバッグはパンパン。たまには、お気に入りの機種だけ持って、じっくりと撮影を楽しみたい……なんて、贅沢な悩みだろうか(笑)。

日中に3分以上の長時間露出を行うには、ND2000ではまったく力不足で、C-PLフィルターを併用してもせいぜい15秒程度がやっと。これでは、よほど雲の動きが速くないと、フワッと綿菓子のような雲にはなってくれない。

そこで、ND64も重ねがけしてND32000相当に。この濃度になると、もはやライブビュー表示も真っ暗で、AFはおろかMFも不可、構図の確認もかなり厳しい状況になる。

しかし、NiSI 100mm Filter Holder V5PROは、ワンタッチで角型フィルターホルダーを着脱できるので、構図の調整やピントを合わせ直したいときは、一時的にフィルターホルダーを外し、作業が終わったら再びフィルターホルダーを装着するだけだ。

また、ほとんどのカメラはスローシャッターの下限が30秒(マイクロフォーサーズ機は60秒)なので、それよりも長時間露出したいときは、ケーブルレリーズを使ってバルブ撮影することになるが、キヤノンEOS 5D Mark IVやEOS 6D Mark IIなどには「バルブタイマー」という機能が搭載されていて、バルブモード時にメニューで指定した秒数だけ長時間露出できる。星の撮影や日中長時間露出を行うカメラマンにとって、これは実に便利な機能だ。

また、撮影モードにB(バルブ)ポジションがあるのも、MモードとBとの使い方の違いがよくわかっている。このあたりの仕様は他のメーカーも見習ってほしいと思う。

青空にクッキリと映える冠雪した富士山と白い雲。C-PLフィルターのみ使用して撮影すると、目で見たままの写りになる。

ソニーα7R III FE24-105mm F4G OSS 絞り優先オート F5.6 1/640秒 -0.7EV補正 ISO100 WB:AUTO(ホワイト優先) クリエイティブスタイル[スタンダード] DRO[オート]

ND32000相当の高濃度NDフィルターを使って180秒の長時間露出。フィルターなしのシャッタースピードとNDフィルターの濃度を入力すると、必要な露出時間を計算してくれるスマホのアプリもあるが、なかなか計算通りに行かないことも多く、まず、感度を高めにし、絞りも開けることで露出時間を短縮してテスト撮影。

これで適正露出が得られたら、感度を落とし、絞りも絞って、それぞれ落とした段数分、露出時間を長くするというのが手っ取り早いかも。

ソニーα7R III FE24-105mm F4G OSS 絞り優先オート F5.6 1/640秒 -0.7EV補正 ISO100 WB:AUTO(ホワイト優先) クリエイティブスタイル[スタンダード] DRO[オート]

長時間露出では風で三脚が揺れたり、最悪、倒れてしまうこともあるので、できればストーンバッグも携行しておくと万全だ。

星景撮影でも三脚が大活躍

天体写真は極めて奥が深く、高度な画像処理技術も求められるので、敷居が高く感じられるが、「星景写真」なら“星のある風景写真”なので、天体写真の作法にとらわれず、もっと自由に撮影を楽しめばいい。

ボクも、小学生時代に天体写真の撮り方の参考書を熟読したものの、実践を伴わない座学に終わり、正直、星景写真撮影もド素人に毛が生えたレベルなのでご容赦を。

星景写真には、星の動き(日周運動)を止めて点として写す表現と、逆に星の動きを線で表す2通りの手法がある。

前者は、星の動きを追尾する自動追尾機能を備えた赤道儀を使うのが基本だが、星景撮影のように超広角や広角レンズを使って撮影する場合、8〜15秒程度のシャッタースピードで撮影すれば、星が大きく流れずに済む。

開放F2〜F2.8前後の明るいレンズを使って、ISO3200〜6400の高感度で撮影すれば、カメラを三脚に固定した状態でも星の動きを止めた星景写真が撮れる。

また、ポータブル赤道儀(ポタ赤)と呼ばれる小型の自動追尾赤道儀も安価な製品なら2万円台、高価なものでも10万円前後で買えるので、それほどシビアに極軸を合わせなくても、広角レンズなら数十秒程度のスローシャッターでも星を点に写せるので、より低感度で画質の良い星景写真を狙え、少々、強引な画像処理をかけてもノイズの少ない星景写真に仕上げられる。

一方、星の動きを線に写す場合、撮りたい構図でカメラを三脚に固定すればよく、赤道儀などの特別な機材は不要だ。

ただ、星の動きをある程度の長さの線に写すには、少なくとも30分から1時間程度、できれば数時間の長時間露出が必要となるが、B(バルブ)モードで数十分もシャッターを開けていたら、どんなに光害が少ない暗い場所でも露出オーバーは必至。

そのため、星の動きを線として表現する際には、インターバルタイマーを使って数秒から数十秒の露出で固定撮影を繰り返し、撮影した大量の写真を比較明合成するのが一般的だ。

比較明合成というのは、合成前の写真と比較して、それより明るい部分だけを抽出して重ね合わせるという合成手法で、星の動きやクルマのヘッドライトなどの光の軌跡を長時間撮影しても露出オーバーにならないのが特徴だ。

星景撮影でもっとも重要なポイントは、星がきれいに見えていること。せっかく晴れてもいつ、雲が出てくるかわからないし、星はどんどん動いていくので、追尾撮影した後に固定撮影を試す、なんて余裕はない。

せっかくのチャンスを最大限に活かすためにも、同時に複数のカメラで異なる撮影法を試したい。しかし、中・大型の三脚を複数持っている人はそう多くはないだろう。

そんなとき、小型三脚を持っていれば、中・大型三脚で長時間の固定撮影、小型三脚で短時間の追尾撮影と、複数のカメラで同時に星景撮影できる。特に、小型三脚としては剛性の高いUTC-63は、星景撮影にも安心して使用できる。

星景写真というからには、星だけではなく、写っている風景も重要な構成要素。そこで、富士山とオリオン座という二大スターを凍結した山中湖をアクセントに撮影してみた。

使用機材は、SIGMA 20mm F1.4 DG|ArtをMC-11でα7R IIIに装着。星景撮影では明るい星を滲ませて目立たせるソフトフィルターを使用するのが定番だが、20mm F1.4 DGはフロントフィルターが装着できないので、LeeのソフトフィルターNo.3を20mm F1.4のリア形状に合わせて切り抜き、テープで貼り付けている。

20mm F1.4 DGの開放性能とα7R IIIの高感度性能を合わせれば、露出時間も数秒で済むので、三脚にカメラを固定して、そのままシャッターを切るだけで星景写真が撮れるが、金環日食の際に買ったポータブル赤道儀(TOAST Pro)をほとんど活用していなかったので、せっかくなので星景撮影モード(恒星を追尾する1/2のスピードで動かし、星と風景のバランスを狙ったモード)で追尾撮影してみた。

ただ、極軸合わせは、スマホのコンパスを目安に北を向けただけなのでかなり適当。まあ、超広角レンズで撮影するのでこれでも十分なはずだ。

ピント合わせはライブビュー拡大でMF。画面中央ではなく、中央と周辺の中間あたりの星がもっともシャープに見えるようにピント位置を調整し、実際に撮影してみて、すぐに拡大再生して、ちゃんと中央の星もシャープに写っているかをチェックする。

これで、準備は整った。後は、オリオン座が富士山の近くまで移動してくるのを待って、シャッターを切るだけだ。

この夜の気温は-12度。風はほとんどなかったので、撮影を始めてから30分くらいはなんとか耐えられたが、だんだんと指先や足が痛くなってきて、10分おきに車に避難し、暖を取り、再び、撮影を繰り返した。

その間、ポタ赤に設置したα7R IIIは、電源を切って-12度に放置したままだったが、バッテリーがダウンすることもなく、液晶モニターが黒くなることもなく正常動作してくれた。

一応、レンズには結露防止ヒーターも巻いてはみたは、空気が乾燥しきっていることもあって、途中からヒーターを外してもまったく結露なしだった。

シグマArtラインといえども、絞り開放だと周辺の星はコマ収差でクリオネみたいに羽が広がってしまい、これを目立たなくするにはF2.8くらいまで絞る必要があるが、明るいレンズを使う意味が半減してしまう。

そこで、2/3段だけ絞って色にじみを抑え、シャープネスの向上を図ってみた。画像処理一切なしの撮って出しJPEGだ。JPEG撮って出しだと星も富士山も凍結した山中湖も見えづらい(でも、肉眼で見える光景はこんな感じ)。

ソニーα7R III シグマ20mm F1.4 DG マニュアル露出 F1.8 10秒 ISO400 WB:3000K(A2,G4) クリエイティブスタイル[夜景(彩度+1)] DRO[Lv4]

そこで、同時記録したRAWをAdobe Photoshop CCのCamera RAWで16ビットで現像、[明瞭度]と[かすみの除去]を使ってHDR的な処理で星やシャドーの描写を際立たせつつ、彩度も高めにしてSNS受けする派手めの仕上げにしてみた。

まあ、風景は風景、星は星で撮影し、マスクを切って合成すれば、もっときれいに仕上げられると思うが、個人的には写真と呼ぶなら一発撮りにこだわりたい。

比較明合成は、数秒から数十秒の露出でインターバルタイマー撮影した大量の画像をソフトウェアで合成する必要があるので、仕上がりまでには手間がかかる。

しかし、E-M1 Mark IIやE-M5 Mark II、E-M10 Mark II、PEN-Fなどには、長時間露出を行いながら、どの程度の明るさに写っているかを液晶モニターで確認しながら撮影できる「ライブバルブ」や「ライブコンポジット」機能が搭載されていて、お手軽に長時間露出を楽しめる。

タイムラプスムービーも撮ってみた

タイムラプスとは、微速度撮影ともいうが、いわゆる早回し動画のこと。実際にムービーを撮影して、通常の数十倍の速さで再生させるという方法もあるが、インターバルタイマーで数秒間隔で撮影した静止画を繋げることで、タイムラプスムービーを作成することもできる。

最近のカメラには、インターバルタイマー撮影機能やタイムラプス撮影機能を搭載した機種も増えてきているが、タイムラプス撮影でむずかしいのは露出の設定だ。

特に、夕焼けから日没、暮景、夜景と刻々と光量が変化するシーンでは、マニュアルで露出を固定すると、日没後のシーンが暗くなりすぎてしまうし、といって、オート露出では太陽の位置が変わったり、一瞬、太陽の光は雲に遮られて光量が変化したときに、1コマごとに急激に露出が変化すると、タイムラプスムービーを作成したときに明るさがちらついてしまう。

タイムラプス撮影では、このコマ間の露出レベルをいかに緩やかに抑えられるかが重要なポイントとなる。

すべての機種を試したわけではないが、タイムラプス撮影にはニコンD850がお薦めだ。

撮影間隔を最短で0.5秒間隔に設定でき、最大で9,999コマまで撮影可能、そして、タイムラプス撮影に適している最大のポイントが「露出平滑化」という機能だ。

シャッターを切る瞬間の明るさだけで露出を決定するのではなく、直前に撮影した数コマの露出レベルを参照し、急激に明るさが変化しないように露出をコントロールする。

D850以前から搭載されている機能だが、D850は、インターバルタイマー撮影で電子シャッターを使えるので、いたずらにメカシャッターを酷使せずに済むのはありがたい。

また、D850の8,256×5,504ピクセルという記録画素数は、8K UHDでタイムラプスムービーを出力することも可能。現時点では8K UHDを再生できる環境はまだまだレアだが、いずれ8K環境が身近になったときの楽しみとして、この瞬間を最高画質で残せるのが強みだ。

D850のインターバルタイマー機能を使って、5秒間隔で撮影した399枚のJPEG素材をEDIUS8を使って、4Kタイムラプスムービーを作成。そのままでは雲の動きが速すぎるので、5倍スローで再生されるようにしている。

また、メカシャッターを酷使しないよう、できれば電子シャッターで撮影したいところだが、ライブビュー状態で太陽を長時間撮影するとセンサーが焼けてしまうリスクがあるのと、ちゃんと撮影してますよ、と周囲にアピールする意味もあって(そうしないとカメラを覗き込まれたり触られたりする恐れがある)、あえてメカシャッターでインターバル撮影している。

D850 AF-S NIKKOR 18-35mm F3.5-5.6G 絞り優先オート F8 1/20〜1/40秒 +0.3EV補正 ISO64〜400 WB:自然光オート

本当はもっと長くタイムラプス撮影したかったのだが、この日は滅多に見られないような夕焼けだったので、一度目の焼けのピークでインターバル撮影を泣く泣く終了。

その後の二度焼けから暮景、夜景までは、いろいろ構図を変えながら普通の写真撮影をした。このときほど、D850が2台あれば!!! と思ったことはなかった。やっぱり、カメラも三脚もサブを持っていかないとね。

まとめ

大は小を兼ねる、というが、三脚は大も小も必要だ。クルマで移動するなら大きく重い大型三脚のほうが安定性に優れているが、徒歩移動で大きな三脚を持って歩くのはツライだけ。どんどん体力を奪われ、機動力が低下し、あまり場所を変えずに撮影することになる。

その点、UTC-63のようなトラベル三脚なら、小型軽量なので徒歩移動でも機動力を奪われにくいし、カメラバッグに三脚を収納してしまえば、人混みで三脚を人にぶつけてケガさせてしまう心配もない。

それに、冒頭で述べたように、三脚を使いたいときに、三脚を持ってなければ「無い」のと同じだ。

今回、三脚を必要とする機能や撮影テクニックをいくつか紹介してきたが、撮れるか撮れないかは運次第といったケースも多く、せっかくテクニックを駆使できる絶好のチャンスが訪れても、肝心の三脚がなければお手上げ。

だからこそ、持って歩いても機動力を大きく損なわない三脚が必要なのだ。

CP+2018のベルボンブースでもテクニックを紹介!

3月1日から始まるCP+2018のベルボンブースでは、この記事で使用された伊達淳一さんの作例と解説を見ることができます。実際の写真で、三脚を使った高精細な作例の数々を確認してください!(編集部)

CP+(シーピープラス)2018
会期:3月1日(木)・2日(金)・3日(土)・4日(日)
開催時間:10:00〜18:00(最終日のみ17:00)※3月1日午前は特別招待者・プレス関係者・プレスタイム招待券持参者のみ
会場:パシフィコ横浜(展示ホール、アネックスホール、会議センター)/大さん橋ホール

制作協力:ベルボン株式会社

伊達淳一

(だてじゅんいち):1962年広島県生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒。写真誌などでカメラマンとして活動する一方、専門知識を活かしてライターとしても活躍。黎明期からデジカメに強く、カメラマンよりライター業が多くなる。