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オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

テレコンバーター内蔵 “機動力“を体現する超望遠ズーム

OMデジタルソリューションズ株式会社が1月22日に発売を予定しているオリンパスブランドの交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」(受注生産。希望小売価格は税別100万円)の外観をお届けする。

本レンズは、同社がM.ZUIKOレンズのフラッグシップとして位置づける超望遠レンズ。「望遠撮影に比類なき自由を」というコンセプトのもと、手持ち撮影を意識した“軽さ”にも徹底的にこだわった設計だとしている。内蔵テレコンバーターを搭載している点が大きな特徴となっており、レンズ単体で35mm判換算300-1,000mm相当の画角をカバーできる。

なお、11月末の時点で既に多くの予約があったため、「ご予約分の多くは発売日にお届けができない見通し」と告知している。

OMデジタルソリューションズは、オリンパスから映像事業を譲り受けて2021年1月1日より事業を開始している。オリンパスブランドを象徴するOM-D、PEN、ZUIKOといった商標名を継承。製品の開発やサポートなど、既存製品群を含めて継承していくことが報じられている。

外観

最大径×全長は115.8×314.3mm、重量は1,875g。スペック上の焦点距離から抱く印象よりも“小型”であり、実際に手に持ってみても、想像していたよりも重量感がないように思う。

鏡筒や三脚座にはマグネシウム合金を採用。内蔵テレコンバーター周りを含むマウント部分にはカーボン繊維強化プラスチックを使用している。カーボン繊維強化プラスチックは、マグネシウム合金よりも複雑な形状を作ることができるうえ、剛性や強度にも優れるとのことで、適材適所に使用することで軽量化と高剛性を実現しているという。

内部温度上昇を抑制するための白塗り遮熱塗装を新たに採用。
レンズの前玉にはフッ素コーティングが施されている。水滴・油・砂埃など拭き取りやすくなっているという。
ズームリングとフォーカスリングには異なるゴム形状が採用されている。
三脚座にはクッション性のある素材を備えている。柔らかすぎない感触で、持ち運びの際の重量感をより緩和させてくれる印象。

マウント部付近の右側面には内蔵テレコンバーター切り替えレバーを配している。スイッチ可動範囲の中央に備えられたロック用つまみを解除してレバーを動作する仕様となっている。撮影時には、ファインダーを覗いてカメラをグリップしたままでも手を大きく動かすことなく指が届くように配置されている。

ロック中
ロック解除
カメラをグリップしたままでも指が届く位置。
内蔵テレコンバーター切り替えレバーを鏡筒の左側に移設するカスタマイズサービス(有償)を用意している。(「オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(後編)」より)

本レンズの三脚座には90度クリック機構が搭載されている。購入後のカスタマイズサービスで、クリック機構の取り外し(静音化)にも対応している。

本レンズは、7枚のEDレンズを含む18群28枚のレンズ構成で、ズーム全域で高い光学性能を実現できるように画質にもこだわって設計を進めたという。また、対応ボディと組み合わせた際には、「5軸シンクロ手ぶれ補正」により最高8段分の手ブレ補正効果を有しているという。

本レンズのカットモデル。インナーズーム方式を採用しており、ズームによる重心の変動を抑えたとしている(「オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(前編)」より)
手ブレ補正ユニットはレンズ後方に配置されている。ここにもEDレンズを採用することで、画質の劣化を最小限に抑えつつ補正ストロークの幅を増やすことができたのだという。(「オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(前編)」より)

OM-D E-M1Xに装着

同社のミラーレスカメラ「OM-D E-M1X」に装着してサイズ感を確認した。OM-D E-M1Xは開発当初から本レンズとの組み合わせを想定してきたとしており、手持ちで超望遠撮影をするという点において、同カメラとの組み合わせがベストマッチングだと訴求している。そうした経緯から、より多くの人にOM-D E-M1Xと本レンズをパッケージで体験してもらえるように、2020年11月に同カメラの価格が引き下げられている。

OM-D E-M1Xと本レンズと組み合わせた際の重量は2,872g(付属充電池2個 およびメモリーカード2枚含む アイカップなし)。正方形に近い大きめのカメラボディともよくマッチングしているイメージで、手に持った際の収まりが思いのほかしっくりくる。そのため重量による圧をさほど感じず、確かに手持ち撮影においても柔軟なとりまわしが可能になるであろうと思う。

35mm判に換算した時に、同等クラスの焦点距離および明るさを備える製品と比べて大幅な小型化と軽量化が可能であるマイクロフォーサーズならではのメリットを追求しており、同社が大きなテーマとして掲げている高い「機動力」を体現した製品だといえ、その意味でも本レンズがフラッグシップという位置付けとなっていることがわかる。

手に持った際の収まりが良く、“機動力”を重視しているという点にも納得できる。

レンズフード&プロテクトフィルター

本レンズにはカーボンファイバー製のレンズフードが付属している。軽量で堅牢性に優れるとしており、単品での販売価格は税込8万2,500円。

内面には植毛処理を施しており、内面反射を抑制するという。
付属のレンズキャップは、フードをレンズに逆付けした状態で取り付ける。

また、別売でプロテクトフィルター「ZUIKO PRF-ZD95 PRO」(税別3万7,500円)も用意。反射防止のZEROコーティングやフッ素コーティングが施されている。本レンズはフィルターがドロップイン式ではなく、鏡筒前部に95mmサイズのものを取り付ける方式。

本誌:宮本義朗