新製品レビュー
LeoFoto ポケット三脚 MT-03 + LH-25
自己完結能力の高さも光る、ポケット三脚における可能性の獣
2019年10月23日 07:00
小型の三脚は、もっぱらスマートフォンやコンパクトデジタルカメラ向けが中心だったが、最近はポケットに入るサイズで耐荷重性能の高い小型三脚がいくつか登場している。今回は、そのひとつであるLeoFoto ポケット三脚 MT-03 + LH-25を購入してみたので、レポートをお送りする。
LeoFoto ポケット三脚 MT-03 + LH-25は、ポケット三脚MT-03と自由雲台LH-25がセットになった製品であり、それぞれ単品での販売も行なわれている。MT-03は1万2,000円、LH-25は1万8,000円(クイックリリースプレートPU-25付き)なのだが、MT-03 + LH-25は1万8,500円と妙に安い(いずれも税別価格での表記)。
サイズは次の通り。全長249mm、縮長212mm、最低高99mm。重量はMT-03 + LH-25で340g。また2段であり、内側から脚を引き出して伸ばすことができるほか、無段階調整に対応しており、微妙な角度で止めることも可能。そのため、不整地での安定性を確保しやすい。カタログスペックでの耐荷重量5kg。3kgを上限として運用するとよさそうである。開脚角度は35°/ 55°/ 85°。部材はアルミニウムを採用しているほか、脚部には脚ごとに1/4-20UNC×5もある。
雲台のLH-25にも触れておくと、低重心型ボール雲台で、ボール径25mm、ベース径36mm、高さ69mm、本体重量178g、耐荷重量6kgとなっており、小型ながら対価重量の高さ魅力である。
付属するクリックリリースプレートPU-25も小型なのだが、α7RM4+SEL70200GMで問題らしい問題と遭遇していない。アルカスイス互換であるため、愛用のクリックリリースプレートがあるのであれば、PU-25は保険としてカバンに忍ばせておくといいだろう。
なお専用ケースはMT-03 + LH-25のセットのみに付属する。
導入に至った経緯としては、センターポールを横に倒せるVANGUARD Alta Pro 2+ 263APを愛用中だが、極端にローポジションにしたい場合は、そもそも変形させるよりも、別途ローポジション用のサブ三脚があれば効率化ができるだろうと考えたからだ。よく撮影をする研究所や研究室は、時間制限が厳しめであり、変形させるよりも、付け替えるだけであれば大幅な時間短縮になるほか、研究室の場合は、そのへんの机や機器の上にも載せやすい。
実際に運用してみたところ、想定通りに変更時間の短縮ができたほか、荷物としても邪魔にも、移動の妨げにもならず。脚部にベルトを取り付けておいて、メインの三脚に固定して運ぶのもアリと判断している。
また1段目と2段目の接続はすぐ緩む気配はないほか、六角レンチで硬さを調整可能であるため、撮影キットに六角レンチを追加した。
気をつけたい点としては、望遠レンズにも耐える作りだが、脚はなるべく55度/85度に開いておくに限ることだろうか。300〜400gのレンズあればそのへんの心配は不要だが、600g以上になると不安定になりがちだ。もちろん、レンズ長による重心変動もある。
また小型であるため、ついついカメラに取り付けたまま移動をしてしまうが、その際にLH-25からMT-03が外れてしまうことがあった。これは軽い接触でゆるんでしまったのが要因と思われる。意識しておけばいいだけなのだが、ロック機構があってもよかったかもしれない。
さて。脚部に用意された1/4-20UNC対応のネジ穴は可能性の獣だ。小型アームやクランプを取り付ければ、自己完結性能が極めて高くなる。小物撮影おいて、レフや光源を持たせたりできるほか、茶碗と箸を持たせることも可能だ。またゴリラポッドのようなフレキシブルタイプの三脚と組み合わせることで、設置の自由度を高めることもできてしまう。この辺の用途は個人個人で大きく異なり、意外な運用方法もありそうだ。
小型ながら実用性の高いポケット三脚だといえる。サブ三脚としてだけでなく、お散歩用に念のため三脚が欲しくなりがちな人にもオススメ。雲台については好みがあるため、愛用の物を流用してもいいし、MT-03 + LH-25を購入してLH-25を保守に回すのもアリだろう。