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【レビュー】Insta360 Luna Ultra
「望遠+分離スクリーン」でジンバルカメラの世界が拡大
2026年6月22日 12:00
Insta360から満を持して登場した小型ジンバルカメラ「Insta360 Luna Ultra」。
先日、お披露目イベントでのファーストインプレッションをまとめたが、今回はより細かな部分をチェックしていく。
今回試用したのはクリエイターキットで、標準版に加え、収納ケース、広角レンズ、バッテリーハンドル、Mic Proなどが付属している。
デュアルレンズをジンバルに搭載
本体重量は約233gと軽量コンパクト(52.4×169.9×38.5mm)ではあるが、従来の小型ジンバルカメラと比較するとひと回り大きく、グリップを持った感触もややずっしりしている。ただし実際に使っているうちに、これはあまり気にならなくなるかもしれない。
注目のデュアルレンズを見てみると、まずメインレンズは20mm相当F1.8のLeica Summicronレンズと1インチのイメージセンサーの組み合わせ。
加えてもう一方の望遠レンズは60mm相当F2。イメージセンサーのサイズは1/1.3インチになる。
これら2つのレンズを合わせると、20mm相当から240mm相当の最大12倍での撮影が可能だ。2倍、3倍、6倍がいわゆるロスレスズームで、12倍は画素補間のデジタルズームになる。
操作系としてはジョイスティックに加え、独立したズームスライダーが搭載されている。そのためカメラのアングルを変えながらのズーム撮影にも対応できる。
連続的に画角が変わるリニアズームのスピードは、低速/中速/高速から選択可能だ。ズームスライダーを長押しするとリニアズームとなり、軽く引くと1、2、3、6、12倍とステップで切り替わる。
メインレンズから望遠レンズに切り替わる際に若干の映像のズレは感じたが、被写体までの距離が遠い場合はあまり気にならないだろう。
メインレンズの最短撮影距離は9cmで、被写体に寄った表現も可能である。さらに望遠レンズはズームマクロにも対応しており、花や虫などにぐっと寄って撮影できる。こちらの最短撮影距離は15cmとなっている。
クリエイターキットには、メインレンズに装着するための広角レンズが付属している。マグネットによる着脱式で、装着すると108度の広い画角を実現する。
使用後は広角レンズを装着したまま電源をオフにしても問題ない。その場合、レンズは画面側を向く位置で停止し、そのまま保護ケースに収納できる。自撮りをメインに使用する場合は重宝するだろう。
ブレ補正
3軸機械式ジンバルと電子式補正の組み合わせにより手ブレ補正の効果は高く、非常に滑らかな映像を実現している。歩きながらの撮影やスポーツシーンでも、安定したショットが得られる。
AIを活用したスマートトラッキング機能も利用でき、人物や物体を自動追尾し、複数の被写体を追うグループトラッキングにも対応する。
画期的な着脱式タッチスクリーン
革新的なのは、着脱式2インチOLEDタッチスクリーンの存在だろう。
このスクリーンは本体から完全に取り外せるほか、無線HD画像伝送により最大20m離れた場所からモニタリングと制御が可能となる。
スクリーンには210mAhのバッテリーが搭載されており、本体接続時に充電される。
従来のジンバルカメラやアクションカメラを使用する場合、個人でのレポートはカメラに手が届く範囲内で行うことが多く、画角の自由度が限られていた。
それがLuna Ultraなら、望遠レンズと着脱式タッチスクリーンを使うことにより、カメラから適度な距離を取って背景をぼかしたひとりポートレート撮影が可能になる。
さらにトラッキング機能を使えば、移動しながらのレポートでも画角から外れる心配がない。単なるジンバルカメラではなく、優秀なカメラマンとしても機能してくれるわけだ。
音声については着脱式タッチスクリーンにマイクが内蔵されているので、スクリーンを持って話すことで、そのときの音声が本体に無線で送信される。もちろん別途、Bluetoothヘッドホンや外部マイクを使用することも可能だ。
クリエイターキットには「Insta360 Mic Pro」の送信機が1つ付属しており、より本格的な音声収録が可能となる。
ちなみにジンバル部にも3つのマイクが搭載されている。
また、着脱式タッチスクリーンに備えられた2つのカスタムボタンに、よく使う設定のショートカットを登録できる。
左右それぞれのボタンに、シングルクリックとダブルクリックの動作を設定可能だ。スクリーンと一緒に回転するため、縦横どちらの向きでも常に使える。
選択できる動作は以下の通り。
- 左ボタン:フリップカメラ、写真/動画の切り替え、360度パノラマに入る、バレルロールに入る
- 右ボタン:フィルターの切り替え、EV調整、ジンバルをセンターに戻す、ジンバル方向のロック/ロック解除、焦点距離の切り替え
撮影時にはジェスチャーコントロールも利用でき、操作の自由度は比較的高いといえるだろう。
記録関連の機能
最大8K30fpsでの動画記録に対応しており、4K編集時にクロップして使える利便性がある。ただしフレームレートが低く、データ量も大きいため、ここぞという場面で活用したい。
スローモーションは4Kで120fps、フルHDでは240fpsの超スロー撮影もサポートする。トラッキングや望遠レンズにも対応しており、スポーツやペット、ダンスなどの撮影にも最適だ。
10-bit I-Log記録により、14ストップのダイナミックレンジを活かした後処理の自由度が高く、シネマティックな色調調整が容易である。
公式LUTはInsta360の公式サイトから無料で
https://www.insta360.com/jp/download/i-log
ちなみにInsta360の既存の主力モデル「Insta360 Ace Pro 2」「Insta360 Go Ultra」「Insta360 X5」などのI-Logは、10-bitではなく8-bitになる。
こうしたポストプロダクションの調整が面倒に感じる方は、ダイナミックレンジが広いDolby Vision記録を試してみても良いだろう。
暗所撮影
メインレンズに1インチ、望遠レンズに1/1.3インチと比較的大型のイメージセンサーを採用しているため、夜間や屋内などの低照度下でも画質は優秀だ。
機械式のジンバルの効果もあり、歩きながらの暗所撮影は、望遠レンズであっても安定している。
さらに低照度撮影用のPureVideoモードでは、ノイズを大幅に軽減しつつ明るさとディテールを強化してくれる。
ストレージとバッテリー
本体に47GBのストレージを内蔵しているので、購入してすぐに使える。もちろんmicroSDカードスロットも搭載しており、併用可能である(最大1TB)。
PCへの接続および本体充電用のUSB Type-Cポートは、USB 3.0に対応している。USB Type-Cポートは付属の1/4インチねじハンドルやバッテリーハンドルにも搭載され、ファイル転送や充電だけでなく、有線マイクやワイヤレスマイク受信機などの外部オーディオ機器の接続にも使用可能だ。
1/4インチねじハンドルおよびバッテリーハンドルの底面には、針金のような超小型三脚も内蔵されているので、テーブル上などに設置する際の安定性が高い。
内蔵バッテリーは1,550mAhで、最大約4時間の連続撮影が可能。急速充電により23分で80%まで回復する。
クリエイターキットに含まれるバッテリーハンドルの容量は1,000mAh。Luna Ultraの拡張バッテリーとして使用できるほか、単体でもモバイルバッテリーとしてスマートフォンの充電などにも使える。
その他、特徴的な撮影機能
本機ならではの機能として、360°パノラマ撮影がある。
シャッターボタンで記録を開始すると、ジンバルが自動回転しながら撮影し、そのまま本体内でスティッチング処理が行われて360°写真が完成する。
さらに200MPパノラマでは、望遠レンズを使用した超高精細なパノラマも撮影できる。
注意点として、いずれも撮影に多少時間を要するため、動きのある被写体やカメラを固定できない場面には向かない。
4Kタイムラプス撮影も可能だが、カメラ固定時のみ対応しており、電動ジンバルならではのモーションタイムラプスには非対応である。
今後のファームウェアアップデートで対応してほしい機能のひとつだ。
気になった点
望遠撮影時、画角外にある手前の被写体にピントが引っ張られてしまうことが何度かあった。画面に映っていない6倍ズーム画角内の被写体が影響しているのかもしれない。
12倍の望遠はスペックとして魅力的であるが、画質を考えると実用的なのは6倍までと感じた。将来的にはISO感度の上限設定のように、利用できる倍率の上限を設定できると良いかもしれない。
また、録画中はジンバルモードの変更メニューを表示できない。そのため、撮影開始時に設定したジンバルモードでしか実質的に運用できない。とはいえよく使うロックモードをカスタムボタンに登録することで、カバーできそうだ。
カスタムボタンにフォーカスロックを登録できれば便利そうだ。
まとめ
Luna Ultraの強みは、単なる小型ジンバルカメラではなく、クリエイターのワークフローを根本的に変える柔軟性にある。
デュアルレンズと着脱式スクリーン、Mic Proとの組み合わせにより、従来の固定観念を超えた撮影スタイルを実現できる。
低価格帯のアクションカメラとミラーレスの中間に位置する価格帯(標準モデル11万9,800円)でありながら、プロユースにも耐えうる画質と機能を備えている点が魅力的だ。
どこへでも持ち運び、昼夜を問わず高品質な映像を撮影したいクリエイターにとって、強力な選択肢となるだろう。
特に1人で撮影することが多い方にとっては、小さな専属カメラマンとして重宝しそうだ。








