ミニレポート

ハクバ「LUXXe フォース バックパック」

ビジネスシーンにも馴染むシンプルデザイン “カメラを持ち歩く”が習慣に

デジカメWatchの編集記者になって3カ月近くが経過した。このコロナ禍において完全リモートワークとなっている日常業務以外にも、ようやく取材に出掛ける機会がやってきた。

取材に行くようになって困りごとが生じた。取材に適したバッグを持ち合わせていないということだ。最初のころは以前の営業職時代から使用していたショルダータイプのビジネスバッグを継続して使用していたが、やはりカメラの収納には適していなかった。これまでカメラは趣味で扱う程度だったこともあり、あまりカメラバッグを意識したことがなかったことに気が付いた。

さっそくカメラバッグ購入の検討を開始した。考えられる使用シーンは通勤時や取材時。選定に際しての条件は「動きやすいバックパックタイプ」「ビジネスシーンでも使えるデザイン」「A4サイズの書類が入ること」だった。

これらの条件を基に、数多のカメラバッグの中から吟味した結果、ハクバ写真産業株式会社が2019年2月に発売した「LUXXe フォース バックパック」を購入することにした。実売価格は税込1万3,920円前後。

実際に使用してみると、当初期待していた以上に使い勝手がよく、“仕事ではカメラは使わないが、普段から持ち歩きたいな”と思っているビジネスマンにもおすすめができるのではないかと感じたので、今回ご紹介したい。

外観~シンプルで大きすぎないサイズ感~

外観で重視したのは「ビジネスシーンでも使えるシンプルなデザイン」「あまり大きすぎないサイズ感」である。使用用途が取材や通勤なので、ビジネスの場に持ち出してもおかしくないものであるということが重要だった。また、店舗取材等においては、狭い場所を動き回らなくてはいけない場合もあるため、サイズが大きすぎると身動きを取りにくく、商品にぶつかってしまうリスクもある。

表面はポケットが少ないためすっきりした印象。背面はメッシュ素材で、キャリーバーホルダーを装備している。
自立も可能。サイドポケットは付いていないので、ペットボトルなどは中に収納する必要がある。

外形寸法は約310×480×150mm。身長180cmの男性が背負うと、背中を覆い隠すまではいかないくらいのサイズ。横から見ても、あまり厚みを感じさせないスリムなデザインとなっている。電車での移動などにおいても、無駄にスペースを取りすぎることはないように思う。

バッグのカラーはオリーブ。グレーのパンツに白いシャツという夏にはありがちなスタイルにも、無理なくあわせられる印象。表面のポケットは一つのみであるためゴテゴテしておらずシンプルな見た目なので、様々なシーンで使える汎用性もあるだろう。

バッグ本体の重量は約900g。背負ってしまえばカメラと少々の書類関係を収納しても重さに苦しむことはない。

収納~ゆずれなかったA4サイズの書類収納~

収納および機能面で重視したことは、「A4サイズの書類が入る」「PCを収納できる」「バッグを下ろさずにカメラにアクセス可能」であること。

本バッグは、2気室構造を採用している。下部にカメラ収納部を備えており、上部にはその他小物類が収納できる。

カメラ収納部はインナーケース式となっている。中の仕切りはマジックテープ式となっており、自由に幅を調整できる。収納部の内寸法は280×140×100mm。メーカー側の推奨する収納目安は標準レンズ付き小型一眼カメラ+交換レンズ1本+撮影小物としている。

インナーケースは取り外しが可能。バッグ内部の上下仕切りを外せば1気室構造になり、普通のバッグとしても使用できる。

ニコンのフルサイズ一眼レフ機「D750(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRを装着)」を収納してみると、ケースが少し膨らむが、ファスナーは閉めることができるので、持ち運びも可能だと考える。

D750(ボディのみ)の外形寸法は78×140.5×113mmで、インナーケースより幅0.5mm、高さ13mm程大きい。
SIGMA fp+45mm F2.8 DG DN | C、LUMIX GX7 Mark II+LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7、撮影小物を収納した様子。
バッグを下ろさずにカメラにアクセスできる。

バッグ選びの際に一番苦心したのはA4サイズの書類が入るバッグがなかなか見つからないことだった。2気室構造になっているバッグは、上部収納室はあまり大きくない構造のものが多い。大事なのはカメラの収納なのでそれも納得できるが、今回のバッグ選びの前提となる“ビジネスシーンでの使用”を考えると、せめてA4サイズの収納は外せない条件だった。

上部の収納室にA4ファイル、B5ノート、500mlペットボトルを収納した。A4ファイルを収納するには、両角が引っかかるので若干前後に傾ける必要がある。背面側には15インチ相当のノートPCが収容可能なポケット(参考収納寸法は250×350×20mm)を搭載している。前面側には小物入れがついている。

小物入れにバッテリー充電器、名刺入れ、ボイスレコーダーを収納した様子。

筆者が気に入っているのは背面側に搭載された小さなポケットだ。メーカー側はパスケースポケットと呼んでいるが、実際には交換用のバッテリーやSDカード、レンズキャップなどが収納できるので重宝している。バッグを下ろすことなくアクセスすることが可能だ。

なくしやすいレンズキャップなどを収納しておけるのはありがたい。
メモリーカードやバッテリーなど、すぐに交換したいときにも便利なポケットだ。
表面上部のポケットには携帯電話などの小物が収納可能
側面にサイドハンドルが搭載されている

日常でカメラを持ち歩くという選択肢

本バッグを購入してから、取材のない日でもカメラを常に忍ばせるようになった。仕事に必要なものに加えて、趣味のカメラを携帯するという選択ができるようになったのだ。

カメラが好きであっても、プロの写真家のように“写真を撮る”ことを仕事にしている人は少ない。カメラに触れるのは週末だけだな、と平日を悶々と過ごしている人も多いのではないかと思う。普通のビジネスバッグにカメラを入れるとかさばるし他の荷物に干渉して邪魔になってしまう、と持ち出しをあきらめることもあるかと思う。

本バッグは、会社に行く日でもカメラを常に(目立つことなく)持ち歩きたい、という人に対しても良い選択だろう。今回筆者がバッグ選定において重要視した「ビジネスシーンに使えるシンプルなデザイン」「A4サイズの書類が入る」という点が有益なポイントになる人は多いと思う。“日常でカメラを持ち歩く”という選択肢を持つために、本稿が少しでも参考になれば幸いだ。

本誌:宮本義朗