ミニレポート

モノクロ好き注目「Nik Collection 3」の喜びポイント

待望の"非破壊ワークフロー"で、仕上げの作業が快適に

Nik Collection 3にバージョンアップし、Lightroom上で各プラグインによる再編集が可能になった。非破壊編集に対応しているので、画像劣化を最小限に抑えた再編集が行える。

Nik Collectionがメジャーバージョンアップし、Nik Collection 3 by DxOとなった。Silver Efex Pro 2を含む本プラグイン集は、モノクロ写真好きの間では特に有名だろう。今回のバージョンアップで、非破壊ワークフローによる再編集、新プラグインPerspective Efexの追加、Photoshop上のランチャーツールNik Selective Toolの搭載などが行われている。

Photoshopで新たに利用できるNik Selective Tool。いわゆるランチャーツールで、お目当てのプラグインをワンクリックで呼び出せる。

様々な機能向上が盛り込まれている今回のバージョンアップだが、筆者個人としては最初に挙げた非破壊ワークフローによる再編集というのが熱い。待ち焦がれたと声を大にして言いたいほどだ。

詳しいバージョンアップ内容の前に、Nik Collection 3について軽くおさらいしておこう。このソフトウェアはAdobe PhotoshopならびにLightroom Classic用のプラグイン集だ。Silver Efex Pro 2を筆頭に、Color Efex Pro 4、Viveza 2、Define 2、Sharpener Pro 3、Analog Efex Pro 2、HDR Efex Pro 2、そして今回のバージョンアップで追加されたPerspective Efexの計8本を収録している。Silver Efex Pro 2のプリセットの出来が秀逸で、モノクロ好きのフォトグラファーならこのプラグインのためだけにNik Collection 3を購入しても十分に元が取れるだろう。

6月3日に発売された「DxO Nik Collection 3」。本稿掲載時点では、発売開始キャンペーンとして通常1万4,900円のところ9,998円で販売中。30日間の無料体験版もある(編集部)

「非破壊ワークフロー」の有り難み

前述の通り、今回のバージョンアップは非破壊ワークフロー、Perspective Efex、Nik Selective Toolなどを新機能として搭載した。中でも特に注目したいのが非破壊ワークフローによる再編集だ。このおかげでLightroom上での再編集が可能になった。

従来のNik CollectionをLightroom上で使う場合、一度の編集ですべてをキメる必要があった。編集後に再度画像をプラグインに読み込んでも、編集パラメーターは初期状態。一度編集した画像を新規で読み込んでいるに過ぎない。何度もやり直せるのがRAW現像の利点なのに、ここは一発勝負になってしまうというわけだ。実はこの仕様のせいで、筆者はNik Collectionが好きなのに、あまり使わないという状態に陥っていた。

それが最新バージョンでは、プラグインで編集してLightroomに戻った後、再度プラグインでの編集を再開できる。再編集のためにちょっとした設定が必要となるが、慣れてしまえば苦にならない。個人的にはSilver Efex Pro 2で再編集できる点がありがたい。Silver Efex Pro 2はモノクロプリセット自体も優秀だが、コントロールポイントと呼ばれる部分補正も可能だ。再編集に対応することで、これからは時間を気にせずに1枚の写真をじっくりと仕上げられる。今後はSilver Efex Pro 2の使用頻度が高まりそうだ。

再編集の流れ

LightroomからNik Collection 3の各プラグインを起動すると、この画面が現れる。TIFF形式で画像をインポートした際、再編集が可能である旨が記されている。

各プラグインの下段に「保存して後で編集を再開する」というオプションがある。再編集したい時は、ここにチェックを入れて「保存」ボタンをクリックしよう。

Lightroom上で編集済みの画像をプラグインに再読み込みする。その際、この画面で「元画像を編集」を選んで「編集」ボタンをクリックしよう。

Silver Efex Pro 2で再読込した状態。各種編集パラメーターが、保存直後の状態になっている。編集を途中から再開できる。

Silver Efex Pro 2の補正例。従来は一度の編集で作業を完遂する必要があったが、再編集が可能となり、後から思い付いた編集のアイディアをいつでも試せるようになった。

補正前
補正後

そのほか、注目の新要素

Perspective Efex「パース補正」

新プラグインPerspective Efexでパース補正しているところ。水平垂直を自由に調整できる。Lightroom自体にも同種の機能があるので、どちらを使うかはユーザー次第だろう。

Perspective Efexで「垂直方向の平行を強制」を使って補正してみた。垂直方向を直感的な操作で補正できた。

補正前
補正後

Perspective Efex「ミニチュア効果」

Perspective Efexのミニチュア効果を使うと、いわゆるミニチュア写真が制作可能。編集の自由度が高く、この機能のためにPerspective Efexを手に入れたくなる。

Perspective Efexでミニチュア写真を作ってみた。「ブラーの形」で玉ボケの形状を設定できる。ここでは「6枚羽根」を選び、六角形の玉ボケにしてみた。

編集前
編集後

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp