My Favorite Leica
LEICA SL2(中尾歓都己)
最新のライカは、最高・最強の万能カメラ!
2020年2月27日 07:00
結論から言うと、私はカメラマンという職業を始めて20年以上経ちますが、今まで出会ったカメラの中で、ライカSL2は最高・最強の完成度を持っていると思います。
私の写真機の歴史は2000年のフランス留学中から始まり、アナログ時代、デジタル時代と仕事でベストが出せるカメラを探し求めましたが……腕(実力)がなかったこともあり、決して満足できる写真を撮れませんでした。
しかし、今から5年程前に私のスタジオの近くにライカ京都店がオープンしたのを機に、ライカのカメラと出会い、それが私のカメラマン人生を変えてくれました。
最初に購入したライカS(Typ006)は、画質に惚れ惚れ。撮りたかった写真を撮らせてくれる魔法のカメラと感じました。それから私はすっかりライカの虜になり、当然、仕事も全てライカ。今ではそれが私の売りの一つになっています(笑)。その成功体験を元に、レンジファインダーカメラのM型や、先代のライカSLを続けて購入することになったのは、言うまでもありません。
そして今回のライカSL2の登場です。今まで画質には大変満足していたライカでしたが、操作性の面で不満が無かったわけではありません。最近のカメラはどれも便利機能が満載で、それが少し羨ましくもありました。しかし、ライカSL2は最近の便利機能をほぼ"全部のせ"で、かつライカの高画質……これは最高・最強だと言うしか無い。
まず操作性がより直感的でシンプルなものに一新され、設定を素早く変更できるようになりました。これは大変ありがたい変化です。たとえカメラ初心者であっても迷うことが無いように配慮されている感じがしました。
ライカSL2には約4,730万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーが搭載されました。普段の仕事には少々オーバースペックだなと思っていましたが、ライカのLマウントレンズ群を本領発揮させるには必要で、実はバランスの良い画素数なのではないか?と考えています。撮影データをパソコンで開いた瞬間の衝撃はすさまじく、中判のカメラで撮影したような錯覚に陥りました。
レンズも流石はライカ! すでに数本のライカLマウントレンズを所有していますが、全て優秀で、一本一本のレンズに哲学を感じてしまうほど。ライカならではの描写を味わって頂きたいと思います。大口径レンズのピントも、合わせたいところにドンピシャで合います。先代のライカSLから、さらに精度が上がった印象です。
それと、トラッキングや顔認証も優秀。シーンによっては難しいピント合わせも、576万ドットと優れた光学性能のEVFで楽々です。ピントは仕事において神経質になるところですが、悩みが吹き飛びました。
新しくカメラ側に搭載された手ブレ補正機能は、シャッター速度5.5段分の効果があります。「ライカがボディ内手ブレ補正?」とビックリですが、これがまた強力な補正を提供してくれます。2秒の手持ち撮影に成功しました。
三脚を使用しなくても夜景や長時間露光を撮影出来てしまう、三脚嫌いな私にはとても嬉しい機能。写真を撮ることに更に集中させてくれる便利機能だと感じています。
そして仕事をしていて嬉しいのは、テザー撮影の安定性です。
意外にトラブルが多いのが、パソコンに直結した時のテザー撮影。これがライカSL2はすごく安定していて、安心して撮影に集中できます。それと新たにアップデートされた専用アプリ「Leica FOTOS 2.0」によって、パソコンと同じようなテザー撮影が使えるようになりましたので、今後はこれを使おうと思います。
これまでは撮影の内容に合わせてカメラを選んでいましたが、ライカSL2は1台で何役もこなしてくれる万能カメラです。高解像度が必要な建築やテキスタイルの撮影、動きのあるスポーツや記録撮影、防塵防滴性が気になるロケ撮影、スタジオなどで長時間にわたり大量の撮影を行う際の安定感など、何でも、どこででも撮れてしまう。まさに最高・最強のカメラだと思いませんか?
協力:ライカカメラジャパン株式会社