Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真

自然の中での使い勝手にこだわったカスタム三脚

喜多規子さんがプロデュースした風景写真に最適な限定モデル「LS-324CKN+LH-40」

冷え込んだ朝に湖⾯から気嵐がわき立つ幻想的な情景。カメラに搭載されたライブGNDを使うために三脚を使い、実像と鏡像の露出を調整して仕上げた
OMDS OM SYSTEM OM-1 Mark II/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/28mm(56mm相当)/マニュアル露出(F2.8、1/100秒)/ISO 400/WB:晴天

風景写真家として活躍する喜多規子さんのプロデュースによって、レオフォト三脚に新たなラインアップが加わった。それが「LS-324CKN」だ。風景写真に必要な耐候性と撮影シールドを問わず、必要な高さを確保できる伸長を兼ね備えたカスタムモデルの魅力を解説してもらった。

喜多規子

⽇本写真家協会・⽇本写真協会会員。写真家、前川彰⼀⽒に師事。⽇本国内の⾃然⾵景をテーマに色・光・フォルムを⾒つめ表現する。写真集に『MOMENT』『FORME』『桜―刹那と永遠―』がある

※本企画は『デジタルカメラマガジン2025年2月号』より転載・加筆したものです。

機動力と対候性を備えた三脚で風景に踏み込む

カメラの⼿ブレ補正機能の進化とともに、⼿持ち撮影の機会も増えたが、⼀⽅で⽔の表情をスローシャッターで表現したいときや画⾯四隅まで緻密にフレーミングしたいときは三脚をしっかり据えるのが私の撮影スタイルだ。

1枚目に掲載した作品のように⽇の出前の幻想的な情景では、⽔⾯の映り込みと空の明暗差が⼤きいので、ハーフNDフィルターやカメラに搭載されているライブGND機能を使っての撮影になる。その際も三脚は欠かせない。過度な明暗差を抑えることで、⽇の出前の幻想的な空気感が描写できる。

今回紹介するLS-324CKNは、「KN」というイニシャルの通り、私の要望に応えていただいた三脚だ。これまでは⼀番太い脚の径が32mmで3段タイプのLS-323Cを愛⽤していた。使い勝手は良く、特に不満がなかったものの、⾜場の悪い斜⾯や渓⾕の岩場などで⾼さが⾜りないことがあり、もう少し伸長が欲しいと思っていた。

しかし、32mmの脚でかつブラックカラーのコンパクトな三脚がレオフォトのラインアップになかった。そんな私のリクエストに応えてくれたのがLS-324CKNだ。

LS-324CKN+LH-40
価格:10万5,600円(税込)/伸長:1,812mm/最低高:172mm/収納高:687mm/段数:4段/最大脚径:32mm/ベース径:52mm/耐荷重:15kg/質量:2,190g/付属品:雲台用シリコングリップ、専用メンテナンス工具、専用キャリーバッグ、スパイク石突

伸⻑が169.5cm、傾斜地でもアイレベル以上を確保しやすい。レオフォトには開脚角度を通常の23°から25°に広げるサービスがあるが、それをあらかじめ施しているので、しっかりとした安定感がありながらも4段なので収納時もコンパクトだ。

⾝⻑約160cmの私の場合、平らな場所では1段⽬を伸ばさずともアイレベルになるので、3段のLS-323Cを使っていたときと機動性はほぼ変わらない。さらに傾斜や段差のある所では⼀番上の部分を伸ばしてもまだ余裕があり、ストレスフリーで撮影できる。

三脚単体の伸長は169.5cm。斜面など不整地に設置する場合でも、アイレベルを確保できる。開脚角度を通常の23°から25°に広げているので安定感がある
脚部の最大脚径は32mm。強靱なカーボン素材でタフな構造になっている
4段タイプなので短く収納でき、三脚単体の縮長は60.5cmと持ち運びしやすいサイズになる
特徴的な岩が連なる渓⾕は葉が落ちてすでに晩秋の装いだった。⽔の流れを滑らかに表現するために三脚を使ってスローシャッターで表現した
OMDS OM SYSTEM OM-1 Mark II/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/27mm(54mm相当)/マニュアル露出(F5.6、1/2秒)/ISO 400/WB:晴天

脚はレンジャーシリーズをベースとしつつも防⽔のロックナットが採⽤されていて、滑り⽌め用マットも備わり操作しやすい。デザイン的にもスタイリッシュで、海や⽔辺、さらに雪中での撮影もアクティブに使えそうだ。氷点下まで冷え込んだ⽇に、⽔辺で氷の撮影をするとナット部に⽔が⼊って凍ることがあるが、そのリスクも抑えられる。ステンレスのスパイクも付属されるので、雪上に⽴てたときの⾷いつきも良い。

防水機構のロックナットで、内部への水の浸入を防ぐ。この機構を採用している別のモデルはパイプカラーがレッドやブルーになるので、ブラックで防水三脚を探している人にもおすすめだ
通常は1本のみに装着される脚部のウォームグリップを2本分に採用。寒冷地で冷えた状態でも両手で三脚を触りやすく、持ち運びしやすい。見た目も締まるのでスタイリッシュな印象だ
ステンレス製のスパイク石突も付属しており、通常のゴム石突と付け替えることで雪上などでも安定する

フィールドで三脚の⾼さが足りず、無理にセンターポールを⾼く伸ばして不安定な状態になっている人をよく見かける。安定感を保ちつつ、もう少し⾼さがある三脚が欲しいと思っている人には、ぜひおすすめしたい。

橋の上から俯瞰して秋の彩りの渓⾕美を表現した。橋の欄⼲の⾼さまで脚を伸ばして、背⾯モニターを確認しながらシャッターを切った
OMDS OM SYSTEM OM-1 Mark II/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/12mm(24mm相当)/マニュアル露出(F11、1/2秒)/ISO 200/WB:晴天

東京英和女学院大学卒。写真家、前川彰⼀氏に師事。日本国内の自然風景をテーマに光・色・フォルムを見つめ表現する。アマチュア時代、多数のカメラ誌の月例コンテストにてグランプリや年度賞を受賞後、フリーとして活動。写真集に『MOMENT』・『FORME』・『桜 ー刹那と永遠ー』がある。日本写真家協会、日本写真協会会員。