Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真

臨機応変なドキュメンタリー撮影に対応する軽快な三脚

上吉川祐一さんが愛用する利便性抜群の三脚「LX-284CT+G4+LPS-A1」

薄暗い工場内部で撮影。天井の乾燥レールに塗装が終わった革が干してある。三脚に固定すると手ブレの心配がなく、人の動きを見てシャッターが切れる
キヤノン EOS 5D Mark IV/SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM|Art/14mm/マニュアル露出(F8、1/30秒)/ISO 2000/WB:5,800K

上吉川祐一さんは、ポートレートや企業の広告写真を手掛けるほか、牛革製品ができるまでの様子を追ったドキュメンタリー作品も撮影している。ドキュメンタリーの撮影は手持ち撮影という印象があるかもしれないが、薄暗い工場の中、職人たちが働く姿を描き出すには、精密なフレーミングやライティングが欠かせない。臨機応変に工場内を動き回れる機動性とフレーミング調整の利便性を求めて選んだ機材が、レオフォトの「LX-284CT+G4+LPS-A1」だった。

上吉川祐一

1978年、兵庫県生まれ。ポートレートやドキュメンタリー、企業の広告写真などを手掛けるほか、写真を通じた地域活性に注力。2024年に富士フイルムフォトサロン東京、札幌、大阪で個展を開催。日本写真家協会会員

※本企画は『デジタルカメラマガジン2024年6月号』より転載・加筆したものです。

軽快に移動しながら三脚で追うドキュメンタリー

人々が寝静まった夜中に静かに鳴り響く、水しぶきの音。タイコと呼ばれる樽型の装置が、皮を洗浄するために回転する音だ。「皮」をなめし、素材としての「革」に仕上げるため、タンナー工場は24時間稼働している。薄暗い工場の中で、フォークリフトは革を積んで走り回り、スプレー塗装機は、職人が調合した色を高速回転しながら革に吹き付けている。20をも超える工程が必要な牛革製品ができあがるまでの過程を、私は追い続けてきた。

撮影時は、職人たちの表情や扱う道具などを臨場感を持って伝えるためにライティングにも気を配る。また、薄暗い工場の中でも、ISO感度はなるべく下げて精緻に写したい。そのために、三脚と雲台は欠かせないアイテムだ。工場内で臨機応変に移動しながら撮影できる機動力と安定性を求めて選んだのがLX-284CT+G4の組み合わせだ。

LX-284CT+G4+LPS-A1
工場には背丈よりも大きなタイコが並ぶ。常に水しぶきや湯気が上がり、ダイナミックだ。場内を移動しながら撮影するのに軽くて丈夫な三脚はとても便利だ
ソニー α7 IV/タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2/50mm/マニュアル露出(F4、1/125秒)/ISO 800/WB:5,200K

LX-284CTは軽さと強度を兼ね備えていて、三脚の付け根部分をひねってもゆがまず、非常に安定している。LXシリーズの特徴の1つであるエレベーター機能を備えたセンターポールは私にとって必須で、細かくカメラの高さを変えながら撮影するのにとてもありがたい。センターポールは簡単に取り外せて、ローポジション用のセンターコラムに交換できるので、地面付近にカメラをセットすることも容易だ。

LX-284CT
価格:8万2,500円※(税込)/全伸長:1,665mm/最低高:113mm/収納高:460mm/段数:4段/最大脚径:28mm/耐荷重:10kg/質量:1,272g
※XB-38とのセット価格
センターポールにはエレベーター機構が備わり、脚の長さを調整せずに、高さの微調整ができる。センターポールは取り外すこともできるので、ローポジションへの移行も可能だ
脚部が180°反転するので、収納時は非常にコンパクト。収納高は46cmと取り回しが良い

ギア雲台のG4は、簡単にミリ単位のフレーミング調整ができることに驚いた。通常の雲台は微調整のわずかな加減に神経を使うが、それをストレスなくかなえてくれて、使うたびにフレーミングの精度の高さを実感する。

G4
価格:9万9,000円(税込)/高さ:108mm/ベース径:60mm/耐荷重:20kg/質量:690g
ギア雲台G4はノブを回すことでアングルを調整できる。一度ロックを解除して調整する必要がある自由雲台や3Way雲台と異なり、フレーミングの微妙な変更が容易だ
革の塗装に使う塗料の缶。職人が色を調合し、吹き付け作業を行う。革の良い匂いは実は革ではなく塗料の匂いだ。三脚に固定して、ピントを合わせた
FUJIFILM X-H2/XF23mmF2 R WR/23mm(35mm相当)/マニュアル露出(F2.8、1/60秒)/ISO 400/WB:5,200K

カメラにはL型プレート(LPS-A1)を装着すると使い勝手が格段に上がる。構図を横から縦に変更する際に、雲台を倒す必要がなく、光軸がずれないからだ。縦構図への移行時にカメラが動いて構図が安定しないという悩みのある人は一度は試してほしいアイテムだ。

LPS-A1
価格:1万7,600円(税込)/対応機種:ソニー α1、α7 IV、α7S III
外形寸法(W×H×D):100×90×38mm/質量:83g

L型プレートはソニー用のLPS-A1を紹介しているが、カメラメーカーや機種別に幅広いラインアップがそろう

機能性に優れ、デザインも美しいレオフォト三脚を使って、これからもこのドキュメンタリーを追い続けたい。

桜の木と日本家屋、ランドセルのバランスを考えて高さや水平・垂直を決めた。ランドセル上部のハイライトの入り方と角度にこだわり、奥行きを出している
ソニー α7S III/FE 70-200mm F2.8 GM OSS II/94mm/マニュアル露出(F8、1/100秒)/ISO 250/WB:5,200K

写真展情報

上吉川祐一写真展
いのち「牛革製品ができるまで」

会場

レオフォトショールーム

開催期間

2024年6月6日(木)~6月30日(日)
※6月6日在廊予定
※火・水定休

開催時間

10時~18時(最終日は16時まで)

上吉川祐一