Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
北の大地で野生動物たちの姿を待ち構える
動物撮影になくてはならない井上浩輝さん愛用の三脚&雲台「LM-363C+LH-55+LR-50」
- 提供:
- 株式会社ワイドトレード
2023年12月20日 07:00
北海道でキタキツネをはじめ、さまざまな野生動物や自然風景の撮影を続けている井上浩輝さん。三脚には、野生動物の撮影に欠かせない超望遠レンズをしっかりと支えられる剛性と、極寒の状況下でも扱いやすい操作性を求める。その条件に見合う三脚と雲台は「LM-363C+LH-55」。
さらに、雲台のプレートを「LR-50」にカスタマイズすることで、使い勝手を向上させている。井上さんのこだわりが詰まった愛用の三脚について魅力を語ってもらう。
※本企画は『デジタルカメラマガジン2024年1月号』より転載・加筆したものです。
極寒の地で動物の素敵な表情を待ち構えるために
自然風景や野生動物の撮影をするとき、できればカメラは手持ちで構えたい。しかし、薄暗い環境でシャッター速度が遅くなりがちなときや焦点距離が長く重たいレンズを使った撮影では手ブレが気になってくる。野生動物の姿を長時間待ち続けるときも、手持ち撮影では限界がある。そんなシーンでは三脚を積極的に使うことになる。
ここで、僕が選んでいる三脚と雲台を紹介したい。まず、三脚はLMサミットシリーズのLM-363Cを使用している。サミットシリーズを選ぶのは、スチル撮影用の自由雲台だけでなく、ときにボールレベリング機能が付いたビデオ雲台も使いたいからだ。
サミットシリーズには雲台の取り外しや付け換えが素早く行える機構が採用されている。2つの雲台を素早く使い分けられるだけでなく、空港の保安検査場通過時に、雲台をさっと外して三脚の全長を60cm未満にできる点も便利だ。
航空会社関連の撮影を多くしているため、この機構はとても重宝している。撮影時は脚の展開も素早く行いたいことから、縮長がギリギリ60cmを切りながらも、セッティングのスピードが速い3段のモデルを愛用中だ。
スチル撮影用でメインとなる雲台は、自由雲台のLH-55だ。超望遠レンズとカメラで質量は合計4kg近くになるが、それをしっかりと支えてくれる直径55mmの大型ボールにはとても安心感がある。
さらに、おすすめしたいのは特注仕様のクランプレバーだ。LH-55購入時の状態では大きなネジでアルカスイス互換のプレートを締めるのだが、冬の北海道のように気温が著しく低くなると、そのネジがきつくなって、プレートをしっかりと締め上げたのかよく分からなくなってしまう難点がある。
このネジ方式を、クランプレバー方式のロック機構を持つLR-55に換装することで、問題が解決する上に、ネジ式ではできない目視による締め上げ位置の確認が可能となる。
この仕様の三脚と雲台が最も活躍するのは、なんと言ってもキタキツネの撮影だ。400mmクラスの超望遠単焦点レンズを装着したカメラのファインダーをのぞきながら、いつ巣穴から出てくるか分からない子ぎつねたちをじっと待ち構えられる。撮影開始から数時間後にやっと出てくるような彼らの素敵な仕草や表情を確実なものにするために、なくてはならない道具になっている。