Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真

信頼できるシステムでスポーツの瞬間を捉える

水谷たかひとさんが愛用する2つの一脚「MP-366C&MV-324C+VD-03」

出どころがほぼ見えないブラインドコーナーから高速で立ち上がって来るマシンを切り取った。一脚を据えて構えているので、予測不能な場面でも慌てることがない。フレーミングが安定し、手ブレの抑制にもつながる
ソニー α1/FE 400mm F2.8 GM OSS/400mm/マニュアル露出(F4、1/2,500秒)/ISO 100/WB:オート

試合やレースの状況に合わせてフィールドを駆け回り、重量級の大口径超望遠レンズでスポーツの一瞬を捉える。そんなスポーツ撮影では、一脚が欠かせない。一脚は刻々と状況が変わる現場においてストレスのない素早いセッティングが可能で、かつ信頼性が高いことは絶対条件だ。写真も動画も撮影する水谷たかひとさんに、2つの一脚「MP-366C」と「MV-324C+VD-03」のそれぞれの魅力を語ってもらった。

水谷たかひと

1968年、東京生まれ。1990年東京総合写真専門学校卒業と同時に渡仏。さまざまなスポーツイベントを撮影し、3年後に帰国。拠点を日本に移しスポーツイベントを追いかける。写真展や企画展などを多数開催

※本企画は『デジタルカメラマガジン2023年12月号』より転載・加筆したものです。

スポーツの瞬間を捉えるための信頼できるシステム

スポーツがフィールドの私にとって一脚選びは重要だ。400mm以上の大口径超望遠レンズを常に使用するのがその理由。大きく質量があるレンズで手持ち撮影を続けるには無理があり、手ブレにも気を使わなければならない。三脚はスポーツ撮影の現場では設置場所の確保が困難で、移動時も不利になるため、一脚を選んでいる。

昨今のカメラは画素数が増え、ブレが目立つようになってきたこともある。さらに、スポーツの現場では選手のパフォーマンスも上がり、動きも速くなっている。試合の演出のためにナイターや室内の明るさが足りなくなる環境もあるなど、ブレが起きやすい状況が増えてきているのだ。

手ブレを抑えるにはシャッター速度を上げて、手ブレを極力なくすしかない。ひと昔前ではシャッター速度が1/500秒もあればスポーツ撮影では十分と言われていたが、今では1/2,000秒がスタンダード。一脚の使用がマストな理由だ。

テニス撮影では打ち合い(ラリー)が続くため、良い瞬間を捉えるには常にカメラを構えている必要がある。いかなる動きのあるスポーツでも自由度が高い一脚を使用することで、自身が求めている瞬間を捉えられる
ソニー α1/FE 400mm F2.8 GM OSS/400mm/マニュアル露出(F2.8、1/3,200秒)/ISO 160/WB:太陽光

数ある一脚の中からレオフォトを選択したのは信頼性の高さが理由。いかなる環境下でも高いパフォーマンスを発揮してくれて、プロの厳しい条件に応えてくれる。メインに選んだのはMP-366C。6段の一脚だ。一脚選びで重視している携帯性と利便性を満たしてくれる。

MP-366C
価格:3万5,200円(税込)/全伸長:1,650mm/収納高:440mm/段数:6段/最大脚径:36mm/耐荷重:15kg/質量:585g

約585gの軽さながら耐荷重は15kgと重量級レンズ使用時も安心のスペック。耐荷重の数値が大きめに設定されているにもかかわらず、軽量で持ち運びやすい。カーボン製で耐久性は抜群だ。

利便性においては、伸縮がスムーズで、脚部のロックがストレスなく作動するかがポイント。MP-366Cは可動部位がとにかくスムーズで、高さ調節がストレスなく「ビシッ」と決まる。レオフォトの一脚は使用していて気持ちが良いのだ。

MP-366Cの脚部のナットロックや伸縮は非常にスムーズ。撮影現場で一脚の伸縮にもたつくのはとてもストレスがたまるが、この一脚ならそういった心配がまったくない。シンプルながら大切なポイントだ
持ち手はシリコングリップになっていて握りやすく、360°可動するストラップも持ち運びに便利だ
台座のネジは1/4インチ(細ネジ)と3/8インチ(太ネジ)の両方のネジ穴に対応する。太ネジ外側を押し込むと細ネジが現れる仕様だ

また、写真だけでなく、スーパースローを多用したスポーツの動画にも取り組んでいる。動きの速い被写体の姿をスローモーションで見せるためだ。動画撮影ではMV-324C+VD-03の出番。カスタマイズしやすい4段一脚と自立ベースのセットとなっている。こちらは脚部のロック機能がレバー式で操作が非常に楽だ。

MV-324C+VD-03
価格:4万590円(税込)/全伸長:1,500mm/収納高:600mm/段数:4段/最大脚径:32mm/耐荷重:10kg/質量:1,100g
MV-324Cの脚部はレバーロック式を採用。素早い操作で伸縮できて、ロックの有無がひと目で分かるので便利だ

石突部分にはミニ三脚にもなる着脱可能な自立ベースVD-03が備わっていて、安定した設置が可能。VD-03に搭載されたボールによって、装着時も一脚を自在に動かせるので被写体を追いやすい。一脚上部のベースも着脱できて、用途に合わせて雲台を組み合わせられるなどカスタマイズがしやすい点も動画撮影に向いている。

MV-324C+VD-03は自立タイプの一脚で、VD-03側に備わったボールによって、一脚部を可動させられる
VD-03を取り外せば通常の一脚スタイルになる
一脚上部のベースプレート部分も着脱可能だ
取り外したVD-03をミニ三脚としても使用できる

携帯性に優れ、自由にカスタマイズできるレオフォトの一脚システムにとても満足している。

ナイター撮影では光量不足が否めない。一脚を使用することで必要以上にISO感度を高く設定することもなく、常に安定したポジションでブレを大幅に抑制できる。暗所での撮影では一脚使用がマストだと考える
ソニー α1/FE 400mm F2.8 GM OSS/400mm/マニュアル露出(F2.8、1/1,600秒)/ISO 5000/WB:オート
水谷たかひと