Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
センターポールにレベリング機構を内蔵…素早い構図調整が良質な作品につながる
岡本豊さんが語る「LO-324C+BV-10」
2022年4月26日 07:00
一眼レフからミラーレスへと切り替わるデジタルカメラの世界。さらなる撮影領域の拡大にあわせて、写真用品も進化を見せている。例えば一見地味に見える三脚の世界にも、着実な進化がみて取れるのだ。
今回はレベリングベース内蔵の三脚「LO-324C」をいち早く活用する写真家・岡本豊さんに、その魅力や使い勝手を綴っていただいた。
ボーイング787に魅了され、「光と影」をテーマに、航空写真家として活躍中。ほかにもキヤノンEOS学園や大学で講師としても登壇し、飛行機撮影セミナーやカメラ初心者から学べる基礎講座など、幅広く担当している。Instagram:@yutaka_okamoto
※本企画はデジタルカメラマガジン2022年5月号より転載・加筆したものです。
昨年10月から導入したキヤノンEOS R3とともにボーイング787を追いかけ、伊丹や新千歳、羽田を訪ねる毎日だ。
ボーイング787特有の機能美を表現するのはもちろん、1mmのブレも許さない画質クオリティーは特にこだわっている。飛行機を精密に写すことで、写真から伝わる物語性が強くなると考えるからだ。
最新のデジタルカメラは高感度性能が高いため、撮影時のノイズは極めて少ない。また、最近のレンズは手ブレ補正機能が搭載されていることに加え、軽量化が進んだことにより、日中の撮影時、三脚を使用する必要性は以前に比べて少なくなった。
とはいえ、私の場合は昼夜問わず、可能な限り三脚を使用する。それにはいくつかの理由がある。
1つ目は、動いている飛行機をぶれなく確実に止めたいこと。
2つ目は、両手がフリーになるため、ファインダー内を冷静に確認しながら、被写体とその背景をしっかり確認する余裕が生まれること。
3つ目は夜間における低速シャッターを生かした流し撮りや、夜景を絡めた長い露光時間を必要とするシチュエーションを撮影するためだ。写真のクオリティーをもう1段階引き上げるために、三脚は欠かせないのだ。
進化しているのはカメラやレンズだけではなく三脚も同様だ。レオフォトの軽量カーボン三脚LS-284CEXを導入してから、身体への負担は軽減し、持ち運びが楽になった。
そして、現在使用頻度が最も高いもう1つのレオフォト三脚が、LO-324Cだ。この三脚はセンターポールにレベリング機構を持つ非常にユニークな三脚で、本体部にボール状の部品が組み込まれており、センターポールが±30°の範囲内で可動して水平の調整ができる。よって、足元が不安定な場所でも簡単に水平が取れるのだ。
ポールの操作を行なうレバーも大きく、半回転させながらON/OFFを切り替えられるため、素早い構図調整が可能だ。水平出しだけでなく、例えばポールを前傾にすることでフェンスにレンズを密着させて柵の写り込みを防げるなど、応用もきく。
LO-324CはLS-284CEXに比べ、やや大きいものの、付属ケースに収納すれば、レオフォトの魅力の1つでもある公共交通機関での手荷物制限や持ち運びやすさもクリアできる。
季節は移ろい、これから全国的に夕焼けの美しいシーズンに突入する。LO-324CとキヤノンEOS R3の組み合わせでどんなシーンを残せるか楽しみだ。
飛行機を柔軟に追えるレベリング機能付き三脚
LO-324Cの最大の特徴はレベリングセンターポールだ。センターポールが上下方向だけでなく、±30°の角度で可動し、水平調整や高さの調整が瞬時に行える。センターポールを逆付けすれば、超ローポジション撮影も可能だ。
また、ビデオ雲台BV-10を組み合わせると、動きのある飛行機や駐機している飛行機をスムーズに追える。あらゆるシーンで活用できるシステムだ。
斜めに調整できるセンターポール
展望デッキでの撮影はフェンスが難となるが、LO-324Cは三脚を設置後、さらにセンターポールを斜めに微調整しながらフェンスへ寄せることでレンズを密着させることが可能になる。