Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
水辺の風景撮影で頼りになる“ポセイドン”シリーズ
山下峰冬さんが語る 防水カーボン三脚「LP-324C」+自由雲台「LH-40」
2021年7月19日 12:00
手ブレ補正や高感度画質が進化した結果、三脚・雲台の出番が減少したかのように見える昨今。しかしある種の写真家にとっては、いまだ重要な地位を占めている撮影用品のひとつなのです。
この連載ではレオフォトブランドの三脚・雲台を使う写真家に、その重要性を語っていただきます。
今回寄稿いただいた写真家は山下峰冬さんです。
※本企画はデジタルカメラマガジン2021年8月号より一部転載したものです。
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沖縄をメインフィールドとしている私は、常よりカメラと海水との距離を思い切って詰める撮影が多い。動き続ける波の一瞬を止めることを好み、機動力を重視して多くのシーンに手持ち撮影で臨んできた。
しかし、いつしか三脚を使わなければ表現できないイメージが自分の中に湧き始めていることにも気付いていた。
「波の勢いや力強さを感じられるまま、そこに動感も加えたい」
ぼんやりと頭の中で描いていた画が、LP-324Cとの出合いによってその輪郭をはっきりとさせ、一気に具現化し始めた。
LP-324Cは、防水三脚の「ポセイドン」シリーズとして新開発されたモデルだ。通常の三脚では海水に混じった細かな砂がロック部分の隙間に入り込むのが悩みの種であるが、防水・防砂構造を特徴としたLP-324C独自のロックシステムならば、砂の侵入までしっかりと防いでくれる。
さらに、石突付近のパーツに耐食性の高いチタン合金が採用されていて、日々の手入れは真水でさっと洗い流すだけなので、三脚を海水に浸けることがさして特別なことではないのだと思わせてくれる。
その上、三脚としての性能も全く妥協がなく、こだわりが感じられる。
他モデルと同様の10層巻カーボンで剛性も高いので、波や水の抵抗に対しても安心感がある。
初期装備のゴム石突から付属のスパイス石突に換装すると、砂浜に三脚を立てる際に、三脚が引き波によって動いてしまうという事態が抑えられ、安定した状態で撮影可能だ。
波の迫力を出すときはローポジションから撮影することが多いが、LP-324Cはセンターポールがない分、脚を全開にするだけでローポジションに移行できて、操作がスムーズなこともうれしい。
さらに、コンパクトながら狙った構図に素早くぴたりと止められる雲台LH-40を組み合わせることで、一様ではない波の動きに合わせて、俊敏に構図を微調整することもできる。
ボールヘッドへのテンションを変えるノブも扱いやすく、状況や使用レンズに応じてこまめに変えられて重宝する。三脚撮影の静的なイメージを覆し、LP-324C+LH-40は、動きのある新しい領域へと切り込んでいける攻めの要素が強い組み合わせだと感じる。
細部まで作り込まれた信頼感は水との心理的な距離感を縮めてくれるので、今では当然のように波打ち際に連れ出す「海の道具」のような頼れる存在になっている。
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石突の変更で足場の悪い場所にも
ゴム製の石突に加えてスパイク石突が付属されているため、波打ち際や岩場など、足場の悪い場所にもしっかりと対応できる。
また、石突付近のパーツには耐食性の高いチタン合金が採用され、錆びの心配に苛まれることなく海辺でも安心して使えて、使用後のメンテナンスも非常に楽だ。
石突取付部からの水の侵入を防ぐよう、石突にも防水用のOリングがしっかりと施されているのもポイントだろう。
先述したが、LP-324Cはセンターポールを省略したモデルのため、少ないステップで素早くローポジションに移行できる。撮影のタイミングを逸しないところが良い。
その上、石突やナットロックが水を被っても平気な防水仕様なので、水辺でも思い切った位置に躊躇なくセッティングできるのは防水三脚の大きな強みだ。
制作協力:株式会社ワイドトレード