交換レンズ実写ギャラリー
ニコンAF-S NIKKOR 200mm F2 ED VR II
Reported by上田晃司(2013/8/29 12:00)
定評のあった「AF-S NIKKOR 200mm F2 G IF ED VR」に、より進化した手ブレ補正機構とナノクリスタルコートを採用し高いパフォーマンスを実現したレンズ。開放F2と明るく、FXフォーマットの望遠レンズとしてはトップクラスの明るさを誇るモンスターレンズといえる。今回は「D800E」に装着してさまざまな被写体を撮影した。
このレンズの注目すべきはところは圧倒的な明るさだろう。シャッタースピードが必要な室内など少し暗めのでも力を発揮する。加えて、約3段相当の手ブレ補正機構を搭載しているので、望遠レンズの宿命でもある手ブレを軽減でき安心だ。
レンズは、EDレンズ3枚、スーパーEDレンズ1枚の9群13枚で、収差や歪みは優秀に補正されている。ナノクリスタルコートが施してあるためゴーストやフレアの発生も最小限に抑えることができる。重量は約2,930gあり、カメラと合わせるとかなり重め。手持ちでも十分撮影できるが、長時間の撮影の場合は一脚などを一緒に使用すると良いだろう。フィルターは、52mm径のフィルターを組み込み式フィルターホルダーに装着して使用する。
実際の撮影で感じたのは、AFスピードは速く、ストレスなく的確なピント合わせが可能ということ。動体でも静物でもピントを大きく外すことなく、D800Eの高画素データで確認しても、しっかりと合っている印象だった。最短撮影距離は1.9mと「AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8 G ED VR II」の1.4mなどと比べると少し長め。とはいえ、花や昆虫などを撮影してみたが、1.9mでもある程度の大きさで写すことは可能だ。。小さな被写体を大きく写したい場合は、DXクロップ機能などと組み合わせて使用してもいいだろう。
画質に関しては、クリアな描写と大きく美しいボケが魅力だ。絞り開放からピント位置は非常にシャープな印象。D800Eの画像等倍で確認しても、問題は感じられない。1~2段ほど絞ればさらにシャープになりレンズ周辺まで高い解像感が得られる。作例を見ていただけるとわかると思うが、木々など空間周波数が高めの被写体も細かく描写している。また、望遠の圧縮効果と明るいF値のおかげでとろけるような大きなボケを堪能できる。絞り開放では、口径食の影響は若干あるが、1段ほど絞ることで改善される。このような美しく大きなボケは、このレンズのならではと言っても過言ではないだろう。
大きく重量もなかなかヘビーなレンズではあるが、圧倒的なボケと描写力は他のレンズと比べるとワンランク上と言っても良いだろう。200mmという焦点距離は、風景、動物、昆虫、列車、ポートレートなど様々な被写体を撮る上で非常に使いやすい。こうした高い描写性能を求めているユーザーには最高の1本と言えるだろう。
(モデル:琴珠)
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
- 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。