交換レンズ実写ギャラリー
オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ
Reported by 礒村浩一(2013/9/2 08:00)
オリンパスのマイクロフォーサーズカメラ用交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ」は、35mm判換算で24-100mm相当の焦点距離をカバーする標準ズームレンズだ。広角から中望遠相当までこのレンズ1本で賄えるので、日常的な撮影から風景、スナップ、人物撮影とオールマイティに使用できる便利なレンズだ。
開放絞り値が広角端でF3.5、望遠端でF6.3と若干暗めともいえるが、それによりレンズの最大径が57mm(フィルター系は52mm)に抑えられておりコンパクトなサイズに仕上がっている。OM-D E-M5やOLYMPUS PEN E-P5に装着した際にも、カメラサイズと非常にマッチしており、これらと組み合わせても大きすぎず小さすぎないという絶妙なサイズとなっている。
本レンズは、オリンパスのマイクロフォーサーズ用レンズとしては初めての電動ズーム機構を採用したレンズだ。カメラの電源をONにして、ズームリングを右手側にまわすと広角に、左手側にまわすと望遠方向にズームする。いずれもリングを大きく回す必要はなく、カメラを構えた状態のまま、リングを指でつまんで“ねじる”程度でズーミングが為される。ズーミングの速度はリングをまわす角度によって、ゆっくりから早くまで3段階の速度調整が可能だ。
またハイスピードイメージャーAFに対応した「MSC機構」と呼ばれるリニアモーター駆動を採用しており、AF速度の向上と静粛性を同時に実現している。これらはマイクロフォーサーズカメラによる動画撮影時の滑らかなズーミングおよび静かなAF駆動を実現する為に採用されたものだ。なお、ズーミングおよびフォーカスは手動による操作も可能だ。とくに手動によるズーム操作は電動と異なり一般的なズームレンズと同様クイックな操作が可能。好みにもよるが手動ズームの方が瞬時にズームできるので、通常の使用時では手動操作の方が馴染みやすい。
このレンズには、最短撮影距離を通常の0.35mから0.2mへと切り替えることができるマクロモードも搭載されている。マクロモードへ切り替えるにはレンズ鏡筒に備えられた「MACRO」ボタンを押した状態でズームリングをレンズ先端側にスライドさせる。この際、焦点距離は43mmに固定される。最大撮影倍率は0.36倍(35mm判換算0.72倍)となるので、かなり大胆に被写体へ近づいてのクローズアップ撮影が可能だ。そのうえマクロモード時の画質も十分に良いので実用性は高い。
このレンズの特性として忘れてはいけないのが、防塵防滴構造が採用されていることだ。同じく防塵防滴構造となっているE-M5と組み合わせることで、多少の水しぶきや雨粒程度であればまったく問題なく撮影できる。これによって撮影フィールドを選ぶこと無く積極的にアウトドア撮影に投入することができるわけだ。今後、防塵防滴構造を採用するマイクロフォーサーズカメラボディが拡充されていった際には、より存在感を増す可能性のあるレンズだと言えるだろう。
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