UNX-4857。送信機(左)と受信機(右) |
カメラアクセサリーを手がけるユーエヌから、一眼レフカメラ用の無線レリーズ「ワイヤレスリモコンシリーズ」が登場した。
オリンパス用、キヤノン用、ニコン用、ソニー用、パナソニック用、汎用をラインナップしており価格はオープンプライス。実売価格は7,980円前後だ。そのうち、今回は「D300」でニコン用(UNX-4857)を試してみた。
無線式リモコンというと、純正品の多くを始めほとんどが赤外線方式だ。一方UNX-4857は、赤外線ではなく電波を使用した無線リモコンとなっており約15mまで離れて操作できる。最近では、赤外線方式でもかなりの距離を置いて動作するモデルも出てきており、到達距離だけで無線式が優れているとは言えなくなっている。
ただ、一般的に赤外線方式は受光部とリモコンの間に障害物があると動作しないという問題があり、その点では無線式に利がある。また、赤外線式は受光部がリモコンの方を向いていないとうまく動作しないが、無線式はどの向きでも受信できるのもメリットだ。
■16チャンネルの周波数で混信を防ぐ
UNX-4857のセット内容は、送信機(リモコン)、受信機、コネクターコード、ストラップ用ホルダー、バッテリー。リモコンのバッテリーは「23A」(アルカリ電池)で受信機は「CR2」(リチウム電池)。リモコンと受信機双方には、DIPスイッチがあり16通りのチャンネルから周波数を選んで使用できる。使用周波数は315MHz帯となっている。
送信機はアンテナを伸ばして使用する。本体は小型なので使いやすい | 受信機はホットシューに装着可能 |
周波数を決めるDIPスイッチは、双方を合わせて使用する | カメラと受信機を接続するコード |
UNX-4857の場合はカメラの10ピンターミナルを使用する。ホットシューに取り付けた受信機と10ピンターミナルとを付属のコードで接続すればセッティングは完了だ。リモコンのアンテナを伸ばせば使用可能になる。
リモコンは8×2.5×1.2cm程度と小型なため、握りやすい。レリーズボタンはカメラ同様に2段式となっている。また、リモコンにあるスライドスイッチを動かすとレリーズから5秒後にシャッターが切れるようになる。
D300にUNX-4857をセットしたところ |
受信機の上にもレリーズボタンを備えており、動作の確認ができる | 左は受信機のバッテリー「CR2」、右は送信機のバッテリー「23A」 |
赤外線式と違って、カメラの向きに関係なく動作させることが可能 |
さて、リモコンからのレリーズではカメラ本体のシャッターボタンとほぼ同様の機能が使用できる。単写のほか連写、セルフタイマー、ミラーアップ、ライブビュー、といった操作が可能だ。
ミラーアップの場合は、リモコンの全押しでミラアップしもう一度全押しするとシャッターが切れる。D300のライブビューは「手持ち撮影」と「三脚撮影」のモードがあるが、これらも本体のシャッターボタンと同様に動作する。いずれも、リモコンのレリーズボタン全押しでライブビューが起動、半押しでピントを合わせ、さらに全押しするとシャッターが切れる。三脚撮影モードでミラー動作後に撮影まで1秒の時間をおく「露出ディレーモード」も使用できた。
リモコンには2色のLEDがあり、半押しで緑、全押しで赤に光る。一方受信機も2カ所にLEDを装備。こちらは半押しの信号を受けると赤のLEDが、全押しの信号を受けると青のLEDが光るようになっている。受信機のLEDは上部に付いており離れた位置からもレリーズしたかどうかがわかるようになっているので親切だ。ただ、晴天下の日中ではさすがに見にくかったが、仕方のないところだろう。
受信機のLEDの様子。半押し動作で赤色に発光し、全押しすると青色になる |
受信機をストラップに付けるためのホルダー(右)が付属していたが、穴幅の関係で純正ストラップ(左)は入らないようだ。 |
実際の使い勝手としては、一般的なリモコンレリーズと代わらない使いやすさだった。スペック上限の15mほど離れても問題なくレリーズはできた。撮影者が近づくと逃げてしまう昆虫や鳥などの撮影では役立つのではないだろうか。
送信方向に制限のある赤外線式と違って、撮影者がカメラの周りを動きながら撮影することもできるし、あるいは物陰に隠れてレリーズすることも可能だ。もちろん、夜景撮影などでケーブルレリーズの代わりにも使えるので重宝するだろう。ワイヤレスレリーズが気になっている人はチェックしてみて欲しい。
2010/8/23 00:00