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Adobe Photoshopに自然な合成を実現する「調和」が追加
生成AIによるアップスケールも
2025年7月29日 22:00
アドビは7月29日(火)、Adobe Photoshopの新機能を発表した。2024年10月開催の「Adobe MAX」で披露された「Project Perfect Blend」が、ベータ版の「調和」機能として登場したほか、小さな画像を最大8メガピクセルまで拡大する「生成アップスケール」(ベータ版)、削除機能の強化といった新機能が追加された。
合成した画像を背景になじませる「調和」
「調和」機能は、Photoshopのデスクトップ・Webでベータ版、モバイル(iOS)では早期アクセス版として提供される、生成AIの「Adobe Firefly Image Model」を活用した新機能となる。
具体的には、画像に新しいオブジェクトを追加した際に、周囲の背景をインテリジェントに分析し、カラーやライティング、シャドウ、視覚的なトーンを自動的に調整して、シームレスで統一感のある画像を合成するというもの。手動での調整を行う時間を大幅に削減でき、超現実的な合成画像を作成するデザイナー、デジタルアーティスト、マーケターなどに最適だとしている。
Fireflyを使う機能なので、コンテキストタスクバー上に「調和」アイコンが追加される。背景画像に別画像を合成した後、調和ボタンを押すだけで、生成AIが背景の画像に合わせて自然な状態になるように調整してくれる。
要望の多かった「生成アップスケール」
これまでPhotoshopには、細部を失わずに高画素化するスーパー解像度や再サンプリングといった機能はあったが、「生成アップスケール(ベータ)」は、生成AIを使ってアップスケールを行う機能で、Photoshopコミュニティから最も要望が多かった機能だという。
低解像度の画像に対して、メニューの「イメージ」から「生成アップスケール」を選択して、2〜4倍の拡大を行える。ジャギーが出ているような画像でも、実際のディテールを維持したまま解像度を上げられる。
生成アップスケールはPhotoshopデスクトップ・Webで利用可能。
同様に、Fireflyを使った削除ツールの改善も行われた。これまで以上に正確・高品質に画像を削除できるようになったという。不要なオブジェクトの削除だけでなく、削除した部分に、より自然なコンテンツを生成できるようになったという。こちらもデスクトップとWebで利用できる。
コンテンツを生成するFireflyの機能については、新たに「生成AIモデルピッカー」が搭載された。従来の「生成塗りつぶし」「生成拡張」に対して、複数のFirefly Image Modelを選択できるようになった。現状は、最新のFirefly Image 3と以前のFirefly Image 1から選べ、生成結果を踏まえて最適なモデルを選択できる。
このほかPhotoshopデスクトップに、作業中のファイルや納品物を管理・整理するための「プロジェクト」がベータ版として新たに導入された。必要なアセットをすべて1カ所の共有スペースに集約し、複数の場所に存在するファイルなどをまとめて扱えるようにする。
他人とプロジェクトを共有する際にも、全体をコレクションとして共有できるため、アセットの受け渡しも容易になり、バージョン管理もスムーズに行えるようになるとしている。