悩める写真管理&バックアップに福音?「Googleフォト」を使いこなす

第2回:iOS・Androidアプリを使って見る

外出先でもスマートフォンアプリで写真をチェック

前回は、Googleフォトの概略とPCでの使い方について紹介したが、今回はより便利に使うためのスマートフォンアプリについて紹介しよう。

まず基本的なことだが、Googleフォトにアップロードされた写真・動画データは、クラウド上、つまりオンラインストレージ(Googleフォトライブラリ)に保存されている。

従って、手持ちのスマートフォンに搭載されたブラウザアプリを使って、Googleフォトのサイトにアクセスすれば、そのまま利用できる。

アップロードされたデータの扱いも共通で、例えばPCを使ってアップロードした写真はスマートフォンで確認できるし、その逆もまたしかり。iPhoneでアップロードした写真をAndroid端末で見るという使い方ももちろんできる。

上手く表示できない場合は、「デスクトップ用サイトを表示」など、スマートフォン向け表示ではなく、PC向けのページで表示するとよいだろう。

ただし、利用するスマートフォンの画面サイズや表示状況によっては、PC環境ほどの快適さはない。写真の表示枚数も異なるため、比較するとわかりやすい。そこで注目したいのが、スマートフォンでGoogleフォトを快適に使うためのクライアントアプリだ。

Googleフォトでは、iOS版Android版が用意されており、それぞれ無料で利用できる。

まずは、手持ちの端末に合ったアプリをダウンロード・インストールしてみよう。

インストールが完了したら、アプリを起動し、iOS版は「始める」、Android版では「使ってみる」をタップする。

この時、iOS版では「“Googleフォト”が写真へのアクセスを求めています」というポップアップが表示される。「OK」をタップして許可しておこう。

また、利用端末でGoogleサービスを利用していない場合などでは、Googleアカウントの入力が求められる。入力して、ログインしよう。

ログインが完了すると、「写真や動画のバックアップ」についての設定画面が表示される。ここで設定できるのは、iOS版/Android版ともに「バックアップと同期」と「モバイルデータ通信を使用してバックアップ」の2つ。

バックアップと同期については初めからオンになっており、この項目がオンになることで、端末内の写真・動画が自動的にアップロードされるようになる。

一方の「モバイルデータ通信を使用してバックアップ」は、3Gや4G(LTE)などの電話回線通信時にバックアップ(アップロード)を行うかどうかの設定となる。こちらはオフになっているが、基本的にそのままにしておこう。

スマートフォンの通信契約状況にもよるが、電話回線を使った通信量に上限がある場合や、低速なら無制限で使えるような“格安SIM”と呼ばれるプランの場合、この設定をオンにするとすぐに上限に達してしまう、あるいはいつまで経ってもアップロードが終わらないといったことになってしまう恐れがある。Wi-Fiが利用できない環境など、利用シーンを絞って使う機能だということだ。

「続行」をタップすると、「写真と動画のアップロードサイズ」の設定画面に切り替わる。選択後、再度「続行」をタップする。

この後、iOS版では「お知らせを受け取る」のオン/オフが設定できる。「オンにする」を選ぶと、「“Googleフォト”は通知を送信します。 よろしいですか?」というポップアップが表示されるので、「OK」をタップしよう。

次に、Googleフォトの紹介が表示されるので、「→」をタップして先に進める。最後に「チェックマーク」をタップして初期設定は完了だ。

「バックアップと同期」をオンにしていると、このタイミングで端末内のデータがGoogleフォトへとアップロードされる。大量に写真が保存されている状況だと、通信環境によってはかなり時間が掛かってしまうため注意しよう。

余裕があれば、予め写真をPCなどに移すなどして端末から写真を減らしておくべきだろう。

気になった点がひとつ。iOS版(iPhone 6 Plus)では、クラウド上にアップロードされた写真を表示したと同時に、端末に保存した写真のアップロードが始まったが、Android版(Xperia Z1 f SO-02F)ではアップロードは行なわれず、既にアップロードされた写真のみ表示された。

メニューの「端末のフォルダ」から「アルバムに追加」(アップロード)できるため、問題はなかったが、仕様的には自動アップロードされるはずなので、この状況はちょっと気になる。

原因として考えられるのは、端末のメモリに写真が保存されておらず、アプリ側のアップロード指定フォルダに対象となるデータがなかったことだろうか。

筆者の端末環境では、外部メモリに写真が保存されるように設定していたため、撮影した写真データという意味では、本体メモリに写真は保存されていない。

外部メモリなどに保存された写真の表示は、メニューの「端末のフォルダ」から行う。アップロードしたい写真を選択し、写真メニューの「アルバムに追加」で手動アップロードが可能だ。

自動アップロードさせるには、「設定」の「バックアップと同期」にある「バックアップするフォルダを選択...」で、外部メモリ(microSDXC/SDHC/SDカード)を指定できるのため、これで問題はないはずだ。

現に、外部メモリのフォルダを指定したことで、元からある写真のアップロードが開始された。

また、初期設定終了後に撮影した写真については、アップロードの対象となるようで、iOS版と同様に自動アップロードが行われている。

ここまでが、スマートフォンにおけるGoogleフォトの基本設定だ。カメラアプリを使って撮影することで、自動でアップロードされることになる。

問題は、デジタルカメラで撮影した写真を如何にしてスマートフォンに取り込むかということ。

オーソドックスな方法としては、カメラ内蔵の無線LAN機能を利用して、スマートフォンへと写真を転送することだ。昨今、無線LAN機能を搭載しているデジタルカメラは普及しつつあり、搭載さえしていれば、メーカー純正の管理アプリを使って簡単に転送が行える。

例えば、無線LAN機能を搭載したオリンパス製デジタルカメラの場合、転送アプリ「OLYMPUS Image Share」が利用できる。転送機能を使って、記録メディアに保存された写真データをスマートフォンへと転送可能だ。

もうひとつは、Eye-fi Mobiなどの無線LAN搭載カードを使って転送するという方法だ。Eye-fi Mobiカードの場合、専用の管理アプリを使うことでカードに保存された写真データをスマートフォンへと転送できる。また、転送された写真データは、Eyefiのクラウドサービス「Eyefiクラウド」へとアップロードされる。

こちらの場合は、カメラに無線LAN機能を搭載されていない場合でも、スマートフォンに写真が転送できるのがメリットだ。

ちょっと利用してみた感じでは、Eyefiユーザーであれば、無理してGoogleフォトを使う必要はないかもしれない。

GoogleフォトとEyefiクラウドで共通しているのは、写真をアップロードしてクラウド上で管理するという点だ。共通アカウントを使って、複数のデバイスで運用できるという点もまったく同じ。

異なるのは、アップロード容量と料金の関係だ。

Googleフォトでは、無料だがアップロードサイズが16メガピクセルになる「高品質」と、オリジナルサイズでアップロードできるが有限(無料で15GBまで)の「元のサイズ」という2つのプランが用意されている。

Eyefiクラウドでは、アップロード容量無制限だが年額5,000円(Mobi Proカードを購入すると1年間無料)のサービスしか選べない。

正直、一長一短があるので、これがよいと決め打つのが難しいのだが、コストが気になるのならGoogleフォト。バックアップをクラウド上で行い、かつオリジナル性を求めるならEye-fiというのが現実的だろうか。

ただし、Eye-fi Mobiカードには、Eye-fiクラウドの利用権(購入するカードによって期間は異なる)が付与されるので、そういう意味では、無理してGoogleフォトを使う必要はないと思うのだ。少なくとも、利用権が有効な期間は。

さて次回は、アップロードにまつわる品質とコストについて掘り下げてみようと思う。

飯塚直