私はこれを買いました!

仕事用カメラにAPS-Cの最上位機を導入

ソニー「α6700」(小山安博)

今年買った大物といえばα6700

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2023年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

高倍率ズームレンズとのセットで活躍中

今、デジタルカメラはフルサイズセンサー搭載のミラーレスカメラが主流になってきています。様々なメリットがあるフルサイズセンサーですが、ボディのサイズが大きくなりがちで、レンズも大型化する傾向にあります。

仕事柄、取材で撮影するシーンが頻繁にあります。主に撮影するのはプレゼン中のスライドとプレゼンをする登壇者です。超高画質である必要性はないのですが、望遠が必要なことが多い撮影です。さらに膝の上でPCを使ったメモ取りをしながらスライドを撮影する、というシーンも多いので、できるだけコンパクトにしたいところです。

そうなると、フルサイズセンサー搭載カメラはあまり向いていません。そうした中で、コンパクトなフルサイズ機として知られるSIGMA fp Lも所有しているのですが、こちらはボディ内手ブレ補正がなく、適度な手ブレ補正を内蔵したレンズもないので、ちょっと暗い発表会場で遠くの登壇者とスライドを撮影する用途だと難しいという問題があります。

一番いいのはマイクロフォーサーズで、α6700と全く同じ理由でLUMIX G100+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを利用していたのですが、200mmだとやや足りないのと、高感度耐性がもう一息と感じていました。

そこで購入したのがAPS-Cセンサー搭載の最新モデルα6700です。フルサイズセンサーとボディ内手ブレ補正を搭載した最小サイズは恐らくα7C IIでしょうが、それよりもコンパクト。SIGMA fp Lはフルサイズ機でありながさらにコンパクトというところはさすがですが、ボディ内手ブレ補正とフルサイズセンサー比で1.5倍になる焦点距離を考えれば、バランスの良い選択肢だと考えました。

チョイスしたレンズはタムロン「18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」。スライドと人物を撮影する場合、70-200mm系の望遠レンズだとスライドが撮れず、28-70mm系の標準レンズだと人物が撮りづらい。しかし、200mmぐらいだと意外に足りない……。そんなワガママに完璧に応えるレンズです。

さすがに大きいのですが、18~300mmをカバーしていると考えれば許容範囲。仕事の用途をこれ1本でカバーしてくれます

35mm判換算で27-450mm相当と必要な焦点距離を完全にカバー。スライド画面が巨大なときに会場の先頭に座ってしまうと広角が足りなくなりますが、頻繁にあるわけではないですし運用で対処できます。テレ端が暗いので、ISO感度を高めにしないといけないのですが、ボディ内手ブレ補正をフル活用して、多少シャッター速度が遅くなっても手ブレしにくいのが嬉しいところ(被写体ブレを避けるためにある程度の速度は必要ですが)。

35mm判換算で450mm相当なので、月を写すとそれなりに大きく写せます。さすがに物足りないですが、仕事上は問題なさそうです

α6700のボディ内手ブレ補正は、正直物足りない部分もあるのですが、それでもSIGMA fp Lに比べればヒット率は雲泥の差。最近の進化した高感度耐性に加えて、Adobe Lightroomに搭載されたAIノイズ除去機能を活用すれば、多少の高ISO感度はカバーできます。

もともとプライベートの撮影はSIGMA fp L、仕事はマイクロフォーサーズという使い分けをしていました。ボディ内手ブレ補正がないLUMIX G100なので、結局手ブレ補正がないSIGMA fp Lを補完できませんでした。これからはプライベートでもSIGMA fp Lとα6700を活用して、シーンによって使い分けられないかと思い描いているところです。

それを見越して、シグマのコンパクトなF2.8通しズームレンズ2本(10-18mm F2.8 DC DN、18-50mm F2.8 DC DN)も用意して、ズームのα6700、単焦点のSIMGA fp Lという使い分けを考えたりしています。

想定より便利だったのは通信機能で、最新のカメラは無線機能がだいぶ良くなっていました。画像の転送は常に無線LAN接続が必要で、Bluetooth Low Energy(BLE)を使った常時接続に対応していない点などは不満点。設定で転送できる画像サイズに2M(200万画素サイズ)を選択できるので、それぐらいなら最近のBLEなら即時送信ができますし、BLEでスマートフォンと常時接続して自動転送、常時位置情報取得もできそうですが、そうした機能がなく、毎回アプリを起動して接続状態を確認するといった作業が必要になります。

そんな不満はありますが、PCやスマートフォンへの転送も使いやすくなっています。プライベートで撮影してSNSに投稿するという使い方も十分こなせるので、メインの撮影機材がα6700になってしまうかもしれません。

ただ、やはり画質面や写真の風味はSIGMA fp Lが好みなので、適度に使い分けられればいいなあと模索しているところです。

近況報告

今年は海外出張が戻ってきていて、久しぶりに海外での撮影が楽しめるようになりました。あいにく新カメラは海外出張が一段落した後に購入したのですが、来年は海外でも活用したいと考えています。できればもう少し円高になればいいなと思いつつ。

小山安博

某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、スマートフォン、キャッシュレスなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプで、「世界最小・最軽量」が大好物。たいてい何か新しいものを欲しがっている。