私はこれを買いました!

夢かなう!全てのレンズで手ブレ補正

FUJIFILM X-H1(今浦友喜)

今年、デジカメ Watchでレビュー系の記事を複数執筆していただいた写真家・ライターの皆さんに、2018年に購入したカメラ系の製品(新品に限る)を1つだけ挙げていただきました。(編集部)

これはむしろバーゲンプライス

ありかなしかの次元でいえば、絶対あったほうがいいに決まっているのが手ブレ補正。そう、ずっと欲しいと思っていた“ボディ内手ブレ補正搭載Xシリーズ”。

2018年2月15日、僕は「FUJIFILM X-H1」を迷わず導入した。

理由は明確。前述のボディ内手ブレ補正が欲しかったからだ。もちろんXFレンズには手ブレ補正搭載レンズはたくさんラインアップされている。ただしそれはズームレンズに限ったことであり、単焦点レンズはそのほとんどが手ブレ補正非搭載レンズだ。本数としてはXF単焦点レンズ15本中13本は非搭載(2018年12月現在)。そして僕はその手ブレ補正非搭載の単焦点レンズのうち5本をメインで使用しているため、これまでは手ブレ補正の恩恵をいっさい受けられないシステムだったのだ。

そのためX-H1の登場には自分の撮影スタイルを激変させてくれるという期待があった。予想は的中し、撮影の効率、精度、被写体の選択肢のすべてにおいて向上が感じられた。

X-H1はXシリーズのフラッグシップモデルであり価格も少し高めに設定されているが、僕に言わせてみればX-H1を購入したら所有する全XFレンズが手ブレ補正搭載にバージョンアップされたようなもので、むしろバーゲンプライスだ。

12月17日にはボディ内手ブレ補正とレンズ内手ブレ補正の協調制御が可能になったファームアップも提供され、すべてのXFレンズで手ブレ補正の向上が図られている。

なんだか順番がおかしいかもしれないが、せっかくX-H1に協調制御が入ったことだしレンズ内手ブレ補正搭載のズームレンズも本格導入しようかなぁ。

作例

ほとんど葉を落とし冬に向かうシダレザクラの枝。紅葉のボケの中に浮かび上がらせることで季節の移ろいを描いた。微風で葉の揺れるシーンだったがフレーミングを決めて葉がいい場所に来る瞬間を待って撮影した。行楽シーズンの三脚禁止という公園は増える一方であり、強力な手ブレ補正を搭載するX-H1が非常に頼もしい。

X-H1 / XF90mmF2 R LM WR / 1/1,700秒 / F2.0 / -1.3EV / ISO 200 / 絞り優先AE

プロフィール & 近況報告

今年は天災が多く、撮影地でもたくさんの被害を目の当たりにしました。写真家たちとの会話やSNS、テレビのニュースを見るたびに今“普通”に生活を送れていることに感謝したとしになりました。また来年も皆さんが楽しく健康に撮影活動が送れることを祈っています!

今浦友喜

1986年埼玉県生まれ。風景写真家。雑誌『風景写真』の編集を経てフリーランスになる。日本各地の自然風景、生き物の姿を精力的に撮影。雑誌への執筆や写真講師として活動している。