私はこれを買いました!
圧倒的なダイナミックレンジと深みのある色でかつてない描写に
FUJIFILM GFX 50S/今浦友喜
2017年12月25日 19:00
2017年を締めくくるにあたり、本誌のレビュー系記事にご寄稿いただいた皆様に今年新品で購入したデジタルカメラ、レンズのうち、特に思い入れのある製品について語っていただきました。(敬称略)
まさか中判デジタルカメラを買うときが来るとは、数年前の自分が想像できていただろうか?
いや確かに、風景写真を撮るうえで以前から中判デジタルカメラに興味はあったが、価格に現実味がなかったり性能的に今ひとつだったりちょっと自分的には大きすぎたりと言い訳して、見て見ぬふりをしてきたのだ。
しかし、FUJIFILM Xシリーズで培った技術から生まれたミラーレスの中判デジタルカメラFUJIFILM GFX 50Sは、中判カメラとは思えないほど軽く小さい。それでいてタッチパネルや可動EVFなどX-T2を上回る使い勝手の良さまで実現し、色の深さ、階調もXシリーズよりさらに滑らかに再現されるとある。
1月に開催された「FUJIKINA 2017京都」で実機を手に持って、グリップの良さ、シャッターのキレ、画像の立体感、処理スピードなどを体験してすぐに購入を決めてしまった。
80万円は安い買い物ではないが、日進月歩で進むデジタル画像の中において、GFXであれば一生ものの画像が手に入るという安心感を買ったと思えばそれほど高くも感じない。
GFX 50Sで特筆すべき点は、階調の豊かさとカラークロームエフェクト。
ダイナミックレンジはベースで約14絞り分あり、さらに富士フイルムの特長として最大400%まで広げられるダイナミックレンジ拡大機能が使えるため、ざっくりいうと約16絞り分のダイナミックレンジとなる。太陽の輪郭を描きつつシルエットの被写体が黒ツブレせずに再現できる階調性は圧倒的だ。
カラークロームエフェクトは、画像の中で高彩度の部分だけを選びトーンを抑える機能。色飽和の少ない深みのある色再現はGFXでしか描き出せない。Xシリーズで定評のあるフィルムシミュレーションと相まって、かつてない色の世界を描き出してくれる。
レンズラインアップもまずはじめに標準ズームと中望遠マクロを出してくれたところが好感。あとは2018年発売予定の望遠レンズを買うための貯金をしなければ……。
プロフィール & 近況報告:デジカメ Watchでいろいろと記事を書かせていただき楽しい1年となりました。今年は桜の花つきも良かったし紅葉の色づきも良かった。12月に入って冷え込みもなかなか強いので雪も結構降りそうな予感があり、2017年は風景のアタリ年となりそう。でも遠方取材に行く時間があまり取れなかったので来年は遠出したいなっ!