赤城耕一の「アカギカメラ」

135回:OM-1になれなかったオリンパス「E-620」を17年ぶりに使ってみた

本連載で何度かご報告しておりますが、カメラ断捨離は引き続き継続中です。

何度か書いている愚痴ですけど、人気薄のお古なデジタルカメラ、レンズって、売り時を逃してしまいますと、手放す時には、悪い冗談のような不本意な買取り価格を提示されたりすることがあります。

はい、筆者はもうおじいさんなので仮に不満があっても、店頭でゴネたりはしません。素直に愛機を持ち帰り、窓から静かに夕日を眺めたりしています。

買取交渉不成立にて本日持ち帰ってきたカメラはオリンパスE-620でございます。2009年登場のフォーサーズ一眼レフでございます。そう、あれから17年を経ました。

フィルムOMへの意識がないとは言わせません、このフォルムは。ただ、エッジを面取りしたみたいで緊張感は失われた感じがします。それにE-620にデザイン的に一番似合うフォーサーズマウントレンズはZUIKO DIGITAL 25mm F2.8以外に思い当たらないわけ。

くだんのお店での買取提示価格は昨日の安居酒屋の支払いにも足りない金額提示をされてしまい、怒るどころか店頭で思わず吹き出しそうになりました。

E-620のセンサーは有効1,230万画素の4/3型ハイスピードLiveMOS。7点のAFエリア、このうち中央5点はツインクロスセンサーというのが発売時のウリであります。

フォーサーズマウントとミラー。フルサイズ一眼レフのミラーと比較すると可愛いわけですが、動きは本格的ですぜ。ライブビューの時にはアップします。

イメージャ対応のフォーサーズマウントレンズを装着すると、ライブビュー時のイメージャAF(コントラストAF)のスムーズな動作が期待できます。

イメージャAF対応レンズなので、ライブビュー撮影します。バリアングルを使用してカメラを頭上に掲げてフレーミングしております。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6/11mm(22mm相当)/プログラムAE(1/1,250秒、F8.0、−0.3EV)/ISO 200

画像処理エンジンはTruePic III+ですが、いまの画像処理エンジンはなんでしたっけか。最高ISO感度はISO 3200です。連写速度は4コマ/秒とのこと。ニコンFのモードラかよ、お前は。というくらいのコマ速度ですが。当時ではこれでも頑張っていたのでしょう。筆者は高速連写撮影はほとんど行わないので、このスペックで不満はありません、

あ、もちろんオリンパスのデジタル一眼レフ黎明期からのウリであるゴミゼロ機能は言うまでもなくE-620でも継承しております。このため、超音波防塵フィルター「SSWF」を備えております。

実はうちのE-620、ほとんど使用形跡がないままロッカーから発掘されたのでした。自分でいうのもヘンですが、まぢでキズひとつない新品同様だったのです。

使用時にモチベーションがダダ下がりになる経年変化によるグリップの加水分解もありませんでした。運が良かったのでしょうか。そこで、あらためて本連載でE-620を取り上げようと考えたわけです。

すでに東京は梅がたくさん咲いておりますね。ズームとは思えない描写ですが、レンズ性能がいいとフォーマットサイズのことを忘れます。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD/35mm(70mm相当)/絞り優先AE(1/4,000秒、F2.2、−0.7EV)/ISO 200
質感描写からは1,000万画素機であることを感じさせないですね。青空は古いカメラだとノイズ出たりしますけど本機は問題なく。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6/18mm(36mm相当)/プログラムAE(1/640秒、F11、−0.3EV)/ISO 200
最近のスクーターの速度計はこんなにカワイイのですか。なるほどということで撮影してみます。階調がキレイな再現です。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SW/49mm(98mm相当)/プログラムAE(1/320秒、F7.1、−0.3EV)/ISO 200

それにしても購入から使用頻度が極端に少なかった理由が自分でもよくわかりません。なにしろ17年前のことですから、筆者もカメラの存在すら忘れており。

これは推測でありますが、単純に考えますとE-620は2009年3月に登場、同年6月にはオリンパス初のミラーレス機であるマイクロフォーサーズのPEN E-P1が発表されています。

そうです。筆者は重症のカメラ浮気性ですから、PEN E-P1登場の噂を聞いて興奮してしまい、E-620の使用頻度が極端に落ち込んだのかもしれません。

いや、もしかすると、他のメーカーから同時期に登場したカメラにココロを奪われていたのかもしれませんけど。ここでは、あえてそれを調べることはしませんけど、こちらのほうが可能性が高そうです。

今回、当時のカメラ雑誌のレビュー用に撮影したE-620画像をいくつか発掘してみたのですが、バリエーションが少ない。

発売年の4月に撮影した桜の写真が出てきました。軽く現像をし直してみましたけど、良い描写です。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6/14mm(28mm相当)/絞り優先AE(1/1,000秒、F6.3、+0.3EV)/ISO 200
毛並みの描写がいい感じです。撮影場所は覚えていませんが、撮影したらシャッター音に反応してこの犬は薄目を開けたことだけは覚えております。これもE-620発売年に撮影していますが、これ以降のコマがないということは飽きてしまったのか。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8/25mm(50mm相当)/絞り優先AE(1/320秒、F5.6、−0.7EV)/ISO 200

権利関係で、ここには載せられませんが、モデルさんの写真も出てきましたが、なんだか気持ちの入っていない作例でした。筆者があまりE-620に対して興奮していないことが作例からわかるわけです。おそらく、その当時オリンパスのEシリーズでもっとも使用頻度が高かったものは、E-3(2007年)とE-520(2008年)あたりだと想像されます。このころは毎年のようにミドルクラスやフラッグシップのモデルが出ていた時代ですね。それに逐一お付き合いするのはたいへんなことでありました。

でも現在ウチにE-620があるということは、間違いなく購入したんだよなあ、エライよなあヲレ。たぶんE-520を下取りに出していると思いますけど。

それにしても、E-620のどこが気に入ったのでしょうか。このころはまだフトコロに若干の余裕があったのでしょうか……。いやいやそんなことはないはずです。惰性での購入かなあ。

話を戻しますとですね、本連載でも取り上げたことのあるオリンパスE-400(2006年・日本未発売)を入手して以降、筆者は、オリンパスからこのOM系のデザインで最強版のモデルが登場することを、強く期待していたのでしょう。で、E-620はそれなりに頑張っていたことを高く評価し購入したのだと思います。ちなみにE-400から続く、このデザインの後継モデルはE-620以降はないので完成型ともいえます。

往時の撮影画像を確認したら、筆者には珍しくプライベートなシーンも撮影していました。これはE-620が小型軽量、携行性に優れたモデルであることの証であるといえます。

ただ、6月以降の撮影ショットはほとんど出てきません。この時にはすでにPEN E-P1に完全にココロを奪われていたとみるべきで、そのまま本機はナイナイされてしまったと思われます。

ちなみに、フォーサーズ機の最後のフラッグシップE-5が登場するのは2010年ですね。この時まだミラーレスのマイクロフォーサーズ機はオリンパスのEシリーズの主流になり得るのかという疑問がオリンパスにも筆者にもあったのかもしれませんが、E-5はプライベートで持ち出して撮影した記憶がほとんどありませんし、これもまた使用頻度は高いとはいえません。

機材ロッカーから久しぶりに引っ張り出したE-620、なかなかいいヤツであることがわかります。

OMのOの字もカメラ名にはないというのに、フィルムOMにリスペクトしている雰囲気がひしひしと伝わってきます。

OM SYSTEM OM-1(右)と並べてみます。長さはE-620の方が短い。禁断の比較でした。E-620はフラッシュ非内蔵でしたら、OM-1フォルムに近づけるかも。というか、E-620はフィルムOM-1に遠慮してデザインされたようにも見えてきます。

そうだったのか、本当は思い切りOMの名を叫びたかったけれど、この時はまだ時期尚早だとして、我慢をしたのかもしれません。ただ、スペックは違えど、いつかOMになりたいとするこの思いは、本機でも感じられます。現在のOM-1とかOM-3にも決して負けていないようにも思えてきます。

ボディを握った感じは、いまのOM各種とは別ものです。それでも剛性感、凝縮感があります。いまのOM-3よりも、グリップ感がしっかりしているようにも感じます。でもないのか(笑)。

でも、この当時、PEN E-P1が出た後でも、オリンパスでは、デジタル一眼レフも並行してやってゆくのだという考えもあったのでは。でも、未来はぜーんぶミラーレスカメラになるぜと、カメラエンジニアのみなさまは考えてはいたと思いますけれどね。表には出しませんが。

E-620のファインダーを覗いてみます。小さいですね、悪いけど。でも、このシリーズではファインダー倍率は高いほうらしいのです。そうなの?

フォーサーズセンサーのサイズに合わせた光学ファインダーですし、アスペクト比も4:3ですから小さく見えてしまうのは当然ですが、OM SYSTEMのマイクロフォーサーズ機のEVFよりもかなり小さく感じてしまいます。レンズを外すとミニサイズのミラーがあり、シャッターを切ると健気にパタパタと動作します。

超広角レンズを装着して小さな光学ファインダーを覗くと、実際の写真の出来上がりの差異に驚くことがあります。筆者は根性が足りないのでライブビュー撮影しております。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6/9mm(18mm相当)/プログラムAE(1/400秒、F11、−0.3EV)/ISO 200

7点のAFエリアですが、この小さな面積の光学ファインダーで、AFエリアを逐一選択した人って、相当に律儀な人に思えてしまいます。いまの筆者など、最新のミラーレス機ではすべてAFエリアは自動選択にしていることも珍しくありません。ええ、比べようもないのですが、すっかり怠惰になりました。老眼の年寄りですから仕方ありません。

本機は一眼レフであり続けようとする気概を感じさせつつ、ライブビュー撮影にもアドバンテージを持たせています。このあたりにも将来を見据えてという思いを感じます。

しかも、ライブビュー撮影時のイメージャAFに対応するフォーサーズマウントのズイコーレンズを使用すると、ストレスをあまり感じさせず、フォーカスが合焦します。

このため思わず、光学ファインダーの存在を忘れてしまいそうになります。当然です。一眼レフのライブビュー時にはミラーアップする必要がありますから、本体の光学ファインダーを見ることはできません。

バリアングルのLCDを採用しています。ライブビュー時の撮影を意識させ簡便化することで一眼レフであることを忘れさせようとする意図があるのかもしれません。
フラッシュを内蔵していますが、ペンタプリズムとの収まり感はいいですね。筆者はおそらく死ぬまで使わないと思います。

筆者は性格が悪く、いじわるなのでこの当時はまだ、一眼レフなのにライブビューを重視する姿勢、これに頼りすぎる撮影はどうか?という疑念を強く持っておりましたよ。ほんの少し前までは、多くのカメラのコントラストAFの動作速度がイラつくほど遅かったという理由もありました。

一眼レフの光学ファインダーを持ち上げてしまうのは、撮影の楽しみや光学ファインダーの見え方の心地よさということを含みます。年寄りなので、一眼レフ時代のほうがミラーレス機の時代より長かったということもあります。

ただ、コントラストAFは像面での合焦ですから信頼できます。大口径レンズや撮影条件などによっては、安定した合焦精度を得るためにも、うまく利用をすべきだと考えています。

ただし、少々問題を感じるのは、イメージャAF非対応レンズでは、シャッターボタンを半押しした状態ではAFはおおまかに合わせるだけで、全押しした状態で完全に合焦させようとすることです。

このため、AFスピードが遅くなったり、合焦精度的にも怪しくなったりします。機構的にやむをえないとはいえ、あれこれと交換レンズを使いたい場合は、イメージャ対応、非対応を考えることはないので、少々面倒ですね。

ボディ左上の設定部。機能面では言うことないけど、銀色のボタンは高級感を演出しようとして、外した感じがしますね。
こちら右手側です。シャッターボタンも銀色なんですぜ。このあたりの意匠のあり方について、お話を伺いたいものであります。

本当に忘れかけていたE-620の存在ですが撮影は快適でした。17年前のモデルを無理して使用しているという感覚が薄いのです。フィルム時代から一眼レフを扱ってきていますし、いまもフィルムカメラを使用していますから、光学ファインダーに違和感がありません。

ただ、いまから見ますと、フォーサーズマウントのレンズは大きいものが多い。これは高い光学性能を徹底追求するという意欲の現れなのかもしれませんし、ミラーの駆動距離にマージンを必要とする光学設計の必然から、このサイズになったということもあるのかも。

少しいじわるな見方をすると、小さなフォーサーズセンサーを採用しているので、フォーマットサイズが大きなカメラよりも画質が劣ると思われたくない、誤解されたくない、だからレンズ性能を徹底追求するという姿勢があったのかもしれません。

ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWDを装着してみます。意欲的な大口径ズームレンズですが太い鏡筒の陰にボディが隠れてしまいそうです。本レンズは銘玉だと思うのですが、このサイズ・重さですから持ち出すのに覚悟が必要です。
自然風景は撮らない筆者でありますが、そうだ、マイクロフォーサーズのレンズは焦点距離が短いから被写界深度が深いので試してみようということでF5.6設定で被写界深度をみてみることにしました。十分パンフォーカスになります。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD/35mm(70mm相当)/絞り優先AE(1/640秒、F5.6、±0.0EV)/ISO 200
後ボケがいいんだから前ボケはどないですかということで試します。これも自然です。完璧ですね。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD/35mm(70mm相当)/絞り優先AE(1/1,250秒、F3.2、−1EV)/ISO 200
絞る時は絞るということで深度の少々深いきっちりした描写を目指したわけですが、理想的ですね。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD/35mm(70mm相当)/プログラムAE(1/640秒、F5.6、−0.7EV)/ISO 200

フィルムカメラのレンズも、数値性能上は、小さなフォーマットのカメラのレンズのほうが同条件で測定すると数値性能が高いのです。拡大率が大きくなるからでしょうか。

それにしても、E-620のような小型軽量を追求したモデルと、高性能のフォーサーズマウントレンズの相性は、装着レンズによっては全体の見た目が滑稽にみえてしまうものもありますが、いまとなってはその滑稽さすら魅力に思えることがあります。仕事に使うのはいやですが。

E-620のファインダーアイピースに、当方の目をメガネごとぎゅっと押し当て、視野を見てみます。視野は小さくAFエリアが詰まってみえますが、しばらく使用するうちに慣れてきました。AFの動作や速度は筆者のプライベートな撮影には十分です。

ライブビュー時の動作はコントラストAFのため、合焦点を一度行きすぎて戻ってくるという宿命的な動作をします。

もちろん現代の像面位相差AFを搭載したミラーレス機と本機の動作を比べても、意味はないでしょう。

どこか基本は一眼レフ、いちおうライブビュー撮影もできるよ、というのが本機の設計の基本であることもわかります。光学ファインダーを主に使用して撮影しているとバッテリーは長持ちするのでこれはいいですね。

この12-60mmレンズも死蔵しておりました。今回本気で使用した感があるのですが、現役当時はこんなものかと思ってましたが素晴らしいですね。マイクロフォーサーズ機で使うかなあ。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SW/12mm(24mm相当)/プログラムAE(1/500秒、F11、−0.3EV)/ISO 200
建物の線も真っ直ぐで、まるで筆者の真面目な性格を表しているようなレンズであります。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SW/35mm(70mm相当)/プログラムAE(1/640秒、F10、±0.0EV)/ISO 200
都市景観を乱す看板なんですが、こういうところも東京らしいのかもしれません。かつてオリンパスブルーみたいなこと言われたけど、あれって、露光量でいかようにもなりませんか?
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SW/33mm(66mm相当)/プログラムAE(1/500秒、F10、−0.3EV)/ISO 200

シャッター音はややカン高いですね。お世辞にも静かとは言い難い。連続撮影するとシャキシャキという金属音がしますが歯切れがいいので、生理的には気に障りません。

全体としては、E-620はとても楽しく使えるカメラという印象で、そうだそうだ、フォーサーズ一眼レフってこうだったよねと、小さな光学ファインダーを観察しながら想いに浸りました。

画質はどうでしょう。モニターで拡大確認すると、ああ、1,230万画素って、この程度の解像感だったかなあという思いがする一方で、プリントや印刷物をみると、少なくとも筆者には問題を感じさせない高画質です。本機は発売から17年を経ていますが、私たちはカメラの高画素化とともに、写真の鑑賞方法を間違えてしまったのかもしれないのではと思うことがあります。

こうした赤色の発色はどうなのかということで撮影してみました。品位の高い再現で安心です。
オリンパス E-620/LEICA D VARIO-ELMAR 14-50mm F3.8-5.6/50mm(100mm相当)/絞り優先AE(1/200秒、F10、−0.7EV)/ISO 400
至近距離で絞り開放はどうよということで撮影してみます。高画質で泣きますね。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD/35mm(70mm相当)/絞り優先AE(1/800秒、F2.0、±0.0EV)/ISO 200
それでは葉脈とかどうよ、と言うことで透過光にて撮影。レンズ設計者と握手したいですね。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD/35mm(70mm相当)/絞り優先AE(1/400秒、F4.5、−1EV)/ISO 200
花びらのような、エッジに鋭さがないものでもきっちり線が描写されると嬉しいのであります。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD/35mm(70mm相当)/絞り優先AE(1/500秒、F3.2、±0.0EV)/ISO 200

ただ、高感度ISO設定の時の画質は少々厳しいようです。ここだけは少々時代を感じます。高画質を維持したい場合には、ISO感度は最高でもISO800あたりに留めておいたほうが無難なようです。

最近では古いデジタルカメラを使って遊ぶという人も少なからずいらっしゃるようですが、筆者は、一部の機種を除けば、古いデジタル一眼レフのデザインや機能的な情緒的部分に注目したり、発展途上の画質だけを喜んでいるわけではありません。

もちろんそれも楽しみのひとつですが、経年変化の不安やバッテリーの入手、メンテナンスを考えると、どなたにもオススメできるわけではなく、あくまでもお気楽なお遊びの範疇であります。

冒頭で述べたように、旧モデルを売りそびれ、もったいないから長く使おうとする理由は大きいのです。一眼レフ用の交換レンズも簡単に捨てきれない。これもまた売りそびれて古いものになると買取金額が極端にお安く、売るに売れないというのが実情だからです。

もちろんマウントアダプターで一眼レフ用のレンズをミラーレス機に転用することで溜飲を下げているところもあります。現行レンズは恐ろしく高額になりました。

こうすればフトコロにも優しいですし、過去と未来を繋ごうという技術の知恵を感じることもあります。ただ、この方法では最新カメラのパフォーマンスを全て引き出すことはできませんが、それも納得の上で一眼レフ時代のレンズをミラーレス機で楽しむ方法を本連載でもメーカー別に取り上げてきました。

オリンパスの場合は、フォーサーズマウントにあった焦点距離のレンズがマイクロフォーサーズ用レンズには採用されなかったものもいくつかあるわけです。

カワイイ家が並んでいたので撮影してみます。このレンズと同等のスペックのマイクロフォーサーズマウントのレンズがあるのですが、問題なくよく写るので買えないでいます。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6/11mm(22mm相当)/プログラムAE(1/500秒、F11、−0.3EV)/ISO 200

あたりまえのことなのですが、一眼レフ用の交換レンズをミラーレス機用のマウントアダプターから外し、往時のデジタル一眼レフにダイレクトに装着すると、整合感や安定した動作に感激します。そう、“ここに還ってきた” 感覚を楽しむことができるからです。

かつて存在したものをなかったものにすることはできない。これ、けっこう深い真理です。高性能で便利なものだけが優れたカメラではないことを再認識したりするわけです。

以上、年寄りの戯言でありました。

お安い超望遠ズームが出てまいりました。ED表記とかもないのでノーマルなレンズのようです。なぜウチにこれがあるのかは謎ですが、よく写ることは確かです。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL 40-150mm F3.5-4.5/150mm(300mm相当)/絞り優先AE(1/1,600秒、F6.3、−0.3EV)/ISO 400
線は少しだけ太い感じもしますけど、描写は悪くないです。少し絞り込んでますけどボケも良い感じです。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL 40-150mm F3.5-4.5/150mm(300mm相当)/絞り優先AE(1/1,000秒、F7.1、−0.7EV)/ISO 200
至近距離での描写はどうかということで撮影してみます。本レンズは距離指標がないので、最短撮影距離とか忘れるんですよね。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL 40-150mm F3.5-4.5/104mm(208mm相当)/絞り優先AE(1/800秒、F7.1、−0.7EV)/ISO 200
毎度質感描写を確かめるために撮影する遊具。最短撮影距離近辺では線が少々太い描写をします。
オリンパス E-620/LEICA D VARIO-ELMAR 14-50mm F3.8-5.6/50mm(100mm相当)/絞り優先AE(1/160秒、F10、±0.0EV)/ISO 400
この時期定番の山茶花なんですが、妙に迫力を感じたので撮影してみました。E-5登場時の標準ズームですが、絞るとキンキンの描写になります。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SW/60mm(120mm相当)/プログラムAE(1/500秒、F7.1、−0.3EV)/ISO 200
ノーマルのモノクロ再現です。高品位ですね。徹底した高画質モノクロプリントを作りたくなります。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SW/17mm(34mm相当)/プログラムAE(1/500秒、F11、±0.0EV)/ISO 200
ニュートラルなモノクロに興味のない方も多いようで、ラフモノクロームに設定してみます。ハイライトの飛び方とか気に入らないので、OM Workspaceで手を入れました。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SW/12mm(24mm相当)/絞り優先AE(1/125秒、F5.0、±0.0EV)/ISO 400
写真学生1年生の課題みたいな調子になったラフモノクロームも載せておきます。現行の同じモードより雑な感じがするのは気のせいでしょうか。
オリンパス E-620/ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SW/33mm(66mm相当)/絞り優先AE(1/15秒、F3.6、±0.0EV)/ISO 400
告知:CP+恒例のトークイベントが今年も!

CP+2026の初日、阿部秀幸さん、赤城耕一さん、今浦友喜さんが登壇するトークイベント 「カメラ記者クラブ カメラグランプリ2026注目機種と行方を大胆予想!」 が行われます。

2026年のカメラグランプリにエントリーされている注目機種を、グランプリ選考委員のおなじみ3名が語り合うという内容。興味のある方はぜひ会場へ! 行けない方はLIVE配信でどうぞ。

  • 日時:2月26日(木)14時10分〜14時50分
  • 会場:CP+2026会場内ステージB(パシフィコ横浜)

公式ページ
カメラグランプリ2026注目機種と行方を大胆予想!

赤城耕一

1961年東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒。一般雑誌や広告、PR誌の撮影をするかたわら、ライターとしてデジカメ Watchをはじめとする各種カメラ雑誌へ、メカニズムの論評、写真評、書評を寄稿している。またワークショップ講師、芸術系大学、専門学校などの講師を務める。日本作例写真家協会(JSPA)会長。著書に「アカギカメラ—偏愛だって、いいじゃない。」(インプレス)「フィルムカメラ放蕩記」(ホビージャパン)「赤城写真機診療所 MarkII」(玄光社)など多数。