写真展告知

水越武写真集刊行記念展:アイヌモシㇼ オオカミが見た北海道

(コミュニケーションギャラリーふげん社)11月10日~11月27日

🄫Takeshi Mizukoshi

コミュニケーションギャラリーふげん社(東京・目黒)で、水越武写真集刊行記念展「アイヌモシㇼ オオカミが見た北海道」が開催される。会期は11月10日(木)~11月27日(日)。会期中の11月13日(日)には、『山と渓谷』元編集長の神長幹雄氏をゲストに迎えたギャラリートークも実施する。

本展では、写真集に収録された知床・阿寒・大雪山、森、川、湖、湿原、生き物、特徴的な地形などの厳選した33点を展示いたします。

約30年前に屈斜路湖のほとりに移住してから、水越は北海道の大自然と一体となり、その優しさや厳しさを肌に感じながら暮らしてきました。そして、100年以上前、かつてエゾオオカミが見ていた、豊かな自然が息づく世界―アイヌモシㇼ(アイヌ語で人間の大地の意味)を、時空を超えて写真で捉えたいと夢見ました。水越武のアイヌモシㇼ=北海道への「賛歌」を、どうぞご覧ください。

写真展情報

夏でも残雪の輝く高山が屏風のように連なる山国の信州から、森と湖の王国ともいえる道東の屈斜路コタン近くに移住したのは30年ほど前だった。

森の中での暮らしは季節によって激変し、生活は厳しさと心地良い優しさとが混在した。多様な生きものたちが四季を通して代わる代わる訪ねてきて、多くの発見と喜びがあった。

ゆっくり時間をかけて真剣に向き合うと、自然は秘めた物語を語りかけてくれる。

エゾオオカミが徘徊し、アイヌの人たちが慎ましく暮らしていた100年ほど前のアイヌモシㇼは、世界屈指の豊かで美しい自然が息づいていたに違いない。

そんな思いが私の意識の中に立ち現れ、時間を超えてエゾオオカミが見ていた世界を捉えたいと私は夢を見た。

アイヌモシㇼへの敬愛の念を込めた私の讃歌であるが、これが挽歌にならないことを祈りたい。

水越 武

作家ステートメント

🄫Takeshi Mizukoshi ヒグマの親子
🄫Takeshi Mizukoshi 太陽が昇る流氷
🄫Takeshi Mizukoshi トドマツ・エゾマツの原生林
🄫Takeshi Mizukoshi 摩周カルデラ

会場

コミュニケーションギャラリーふげん社
東京都目黒区下目黒5-3-12

開催期間

11月10日(木)~11月27日(日)

開催時間

火~金:12時00分~19時00分
土・日:12時00分~18時00分

定休日

月曜、祝日(11月23日)

ギャラリートーク:水越武×神長幹雄(元『山と渓谷』編集長)

日時:11月13日(日)14時00分~15時30分
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
参加費:1,000円(会場観覧・オンライン配信)

作者プロフィール

1938年愛知県豊橋市生まれ。

東京農業大学林学科中退後、1965年から田淵行男に師事し写真を始める。

北アルプス、南アルプス、ヒマラヤなど、国内外の高峰から日本の原生林、熱帯雨林などの撮影において高い評価を受ける。

主な著書に、『日本の原生林』(岩波書店)、『わたしの山の博物誌』(新潮社)、『真昼の星への旅』(新潮社)、『最後の辺境ー極北の森林,アフリカの氷河』(中央公論新社)などがある。国際的にも高く評価され、作品は国内外の博物館、美術館にも収蔵されている。

1991年写真集『日本の原生林』で日本写真協会賞年度賞、94年『HIMALAYA』『ボルネオ』で講談社出版文化賞、99年『森林列島』で第18回土門拳賞、2009年『知床 残された原始』などで平成20年度芸術選奨文部科学大臣賞、13年北海道文化賞、20年北海道功労賞を受賞。