写真展告知

水越武写真展:風景写真を考える

風景写真のあるべき姿を考え続けてきた水越武は、モノクロームに限りない執念を抱く。モノクロームだからこそ表現できる世界があるという。水越武の作品と対峙する時に思わず姿勢を正すことになる。そして、身体の奥深くから溢れ出す感動に立ち尽くす。これはもはや理屈ではなく、言葉で表現し難いことに気付く。ここまでも崇高で神がかった作品を見たことがない。自然からの贈り物である荘厳さを掬い取る行為は、自然を愛おしむ作者ならではのものだ。作品は厳しく、そして優しい。恩師で山岳写真の嚆矢である田淵行男氏の教えが水越武の作品に息づいている。今回の写真展は、多くの作品の中から山岳・森・象の3部をモノクローム36点に厳選して展示。併せて貴重なオリジナルプリントを販売致します。

写真展情報

リコーイメージングスクエア銀座 ギャラリー A.W.P

東京都中央区銀座5-7-2 三愛ドリームセンター8階

開催期間

2019年2月6日(水)~3月17日(日)

開催時間

11時00分~19時00分(最終日は16時00分まで)

定休日

火曜日

利用料

一回入場税込510円、年間パスポート税込3,600円

トークイベント

2月16日(土)14時00分~15時30分

作者プロフィール

1938年 愛知県豊橋市に生まれる
1958年 東京農業大学林学科中退。その後、田淵行男氏に師事し写真を始める
1991年 写真集『日本の原生林』で日本写真協会賞年度賞受賞
1999年 写真集『森林列島』で第18回土門拳賞受賞
2009年 写真集『知床 残された原始』などで平成20年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞

〇主な展覧会
1971年 「穂高」銀座ニコンサロン
1981年-82年 「我が内なる自然」プラハ国立博物館、チェコスロバキア/アムステルダムキヤノンギャラリー、オランダ
1986年 「アジアの山」フォトキナ出品、ケルン、ドイツ
1988年 「森林限界」東京・新宿ペンタックスフォーラム(現リコーイメージングスクエア新宿)
1991年 「ブナVIRGIN FOREST」吉祥寺/松本/札幌PARCO
1992年-94年 「日本の原生林」ライカ本社、ドイツ/大町山岳博物館
1993年 「水越武写真展」豊橋市美術博物館、「天のかおり」東京・新宿ペンタックスフォーラム(現リコーイメージングスクエア新宿)
1995年 「熱帯雨林ボルネオ」板橋区立熱帯環境植物館
1996年 「熱帯雨林展」山口県立山口博物館、「森への旅」東京・新宿ペンタックスフォーラム(現リコーイメージングスクエア新宿)
1999年 「イタリアの小さな山村」国立トリノ山岳博物館、イタリア
1999年-18年 「森林列島 生態系から見た日本」銀座・大坂ニコンサロン/土門拳記念館/青梅市立美術館/田淵行男記念館
2000年 「私の穂高」JCIIフォトサロン、「温帯雨林-危機に瀕する原生林」東京・新宿ペンタックスフォーラム(現リコーイメージングスクエア新宿)/地球環境パートナーシッププラザ、「千年物語、森は語る」板橋区エコポリスセンター、「今、地球を歩く」豊田市美術館
2003年-04年 「ヒマラヤ-光と影」国立トリノ山岳博物館、イタリア/ホワイト博物館、カナダ
2004年-05年 「バイカル湖の風」北京プレスセンター・蘇州中央図書館、中国/モスクワ近代美術館、ロシア
2006年-10年 「大地への想い」豊橋市美術博物館/北海道立釧路芸術館/東京都写真美術館/札幌市写真ライブラリー/安曇野市豊科近代美術館
2008年-09年 「知床 残された原始」エプサイト/青梅市立美術館/調布市文化会館たづくり
2015年 「天上のモノクローム」コミュニケーションギャラリー ふげん社
2016年 「真昼の星」フジフイルムスクエア写真歴史博物館

〇主な写真集・著書
1983年 『山の輪舞』 山と溪谷社
1986年 『穂高 光と風』 グラフィック社、『日本アルプスの花』 講談社、『森林限界』 山と溪谷社
1990年 『日本の原生林』 岩波書店
1991年 『雷鳥 日本アルプスに生きる』 平凡社
『ブナ VIRGIN FOREST』 講談社
1994年 『森の色 春から夏』 朝日新聞社
1995年 『熱帯雨林BORNEO』 講談社
1996年 『カムイの森』 北海道新聞社
1998年 『森林列島』 岩波書店
2001年 『熱帯雨林』 岩波書店
2002年 『天然の蘭』 小学館
2008年 『知床 残された原始』 岩波書店
2009年 『わたしの山の博物誌』 新潮社、『熱帯の氷河』 山と渓谷社
2013年 『月に吠えるオオカミ』 岩波書店
2015年 『真昼の星への旅』 新潮社
2017年 『最後の辺境』 中央公論新社