写真展告知

千代田路子写真展:探険記 MOTORROCK-KS 2013-2019

(c)michiko Chiyoda

​千代田路子が、市内の地図を塗り潰すように歩いて撮影していたときに偶然見つけたハーレーのカスタム工房が舞台となる作品です。店の前に置かれたカスタムハーレー、薄暗がりの工房には修理中のバイク、古い機械と工具やパーツが所狭しと並んでいました。その光景を目の前にした千代田の感情は、10代から30歳近くまでSF小説に夢中になった時に似ていることに気付きます。

写真展情報

エンジン部分から様々な部品やコードが垂れ下がっている作りかけのバイク、オイルの中に沈んだ部品、グラインダーの火花、金属の粉、絡まったチューブ、様々な形のパーツに心惹かれ、ハーレー ダビットソンのカスタム工房の発見だらけの薄暗がりの中で、まるで鉄の惑星を探検しているような妄想にかられて撮影に熱中した。

鈍い光を放つ鉄の部品を見つめていると、心躍る気持ちのその奥に、なんとも形容しがたい感情に気づく。緩やかに滲み出てくるそれは、未知への好奇心、絶対的な力への怖れと欲望、大いなるものへの変身願望、死と特別な何かが誕生するかもしれないという再生への期待など、一時期SF小説に熱中した時に感じた高揚感と似ている。

自分の中には未知の世界に向かって探険したい気持ちがあの頃のように微睡んでいる。そして、大好きなものが次への扉を開いてくれると確信する。

写真展情報

(c)michiko Chiyoda
(c)michiko Chiyoda

会場

Jam Photo Gallery
東京都目黒区目黒2-8-7 鈴木ビル2階 B号室

開催期間

2019年11月19日(火)~12月1日(日)

開催時間

12時00分~19時00分(日曜日は17時00分まで)

休廊

月曜日

作者プロフィール

写真が好きだった父の影響で写真を始める。大学ではグラフィックデザインを専攻、同時に写真を学ぶ。卒業後は広告代理店にデザイナーとして就職するが、光学メーカーの広報宣伝部門への転職を機に本格的に写真作品作りを始める。
個人的な体験からテーマを見出し、物語性を重視した作品作りを目指している。合わせて美しい作品を追求し繊細な写真表現を希求している。
近年は、国内のみならず海外での作品発表に取り組み、コンテストでの受賞、美術館での作品収蔵の実績がある。
また写真を通じて地域社会に貢献したいと伝統芸能の活動の撮影や、アーティストとの共同作品制作にも力を注いでいる。

主な個展に、「幾へにも~ふたつの旅ひとつの物語」(2019、Roonee247finearts gallery)、「天空の音」(2013、PLaceM)、「” M” house 」(2008、Kodak gallery)他個展、グループ展多数開催。