写真展告知
浅間国際フォトフェスティバル2019 PHOTO MIYOTA 9月14日に開幕
旧メルシャン軽井沢美術館で 大規模な屋外展示も
2019年7月3日 07:00
第1回「浅間国際フォトフェスティバル2019 PHOTO MIYOTA」が9月14日から11月10日の58日間、長野県の御代田町で開催される。巨匠から若手まで国内外の写真アーティストをはじめ、ハイアマチュアの作品まで、40名以上の作家による数百点の作品を展示予定という。主催は御代田町と株式会社アマナが共同で組織した浅間国際フォトフェスティバル2019 PHOTO MIYOTA実行委員会。
このフェスは昨年夏、旧メルシャン軽井沢美術館跡地でプレ開催し、51日間で約2万人を動員した。正式開催を迎え、同跡地は「御代田写真美術館(Miyota Museum of Photography; MMoP)と改称し「50年、100年と続ける覚悟と希望を抱いている」と御代田町の小園拓志町長は意気込む。
昨年は31名の作家が200点ほどを出展しており、今回はさらに規模を拡大したい考えだ。具体的な作家名は現在、折衝中で、8月初旬にはラインナップが正式発表となる。
「プレ開催では誰もが親しみやすい楽しい作品が多かったが、今回はじっくり向き合って鑑賞するようなテーマのものも取り上げていきたい。また今年はジャーナリスティックな視点の写真も紹介していくつもりです」とエキシビションディレクターの太田睦子氏(「IMA」エディトリアルディレクター、アマナ所属)は話す。
このフェスティバルの大きな特徴は、「五感を刺激する写真体験」だ。「複製芸術としての写真の良さは平面だけでなく、形をさまざまに変えて表現できることにもあります。立体作品や映像のほか、屋外で周囲の風景と呼応する大型展示なども行なっていきます」(同)
御代田町では7月下旬に町を挙げての龍神まつり、8月下旬には成人式が催される。この参加者を被写体に、町民が500人規模で参加する撮影会を行ない、そのポートレート写真を基に100m幅の巨大写真作品を制作し、フォトフェスティバルで展示する計画もある。「町内20区の各区で写真も展示する。全町民がこのフェスティバルにつながり参加し、またメイン会場を訪れた人が町の各所へアクセスするきっかけを作りたい」と小園町長。
株式会社アマナ代表取締役兼アマナグループCEOの進藤博信氏は世界的なアートフェスティバルの広がりに注目している。そのなかで写真に特化したものも世界では大小200はあるそうだ。
「フランスの北西部にある人口2,200人ほどの小さな村で開かれる『フェスティバル・フォト・ラ・ガシィ』には4か月間(今年は6月1日〜9月末)ほどの期間に40万人もの観光客が訪れている。世界で日本人写真家は高い評価を得ており、やがて設立される写真美術館が日本人写真家の情報発信基地になれば、世界から愛好家たちが足を運んでくるでしょう」
小園町長も世界への発信を示す。「御代田は隣の軽井沢と違い、全く知られていません。今後、町のブランド力を高め、人の流れを作る。アート写真で国内外に町の名を広めていきたい」
浅間国際フォトフェスティバルはその第一歩を踏み出す催しとなる。町内では写真教室などが随時開かれ、まず町民が写真に親しむ土壌作りも進められている。
会期中の10月の週末26日、27日は「御代田デー」とし、町内の飲食店、農産物の生産者が参加したマルシェも予定する。今後は近隣の市町村と連携したプロジェクトへと拡大させていきたい考えもある。
「数年後には写真美術館として動き始める。それは町営でもなく、アマナ単独でもなく、財団か公益法人といった方向で検討を進めています」と進藤社長は青写真を示している。
参加作家や会期中のワークショップ、トークイベント、ガイドツアーなどは公式ホームぺージで順次公開される。
浅間国際フォトフェスティバル2019 PHOTO MIYOTA
メイン会場
御代田写真美術館予定地 | MMoP(旧メルシャン軽井沢美術館)周辺エリア
長野県北佐久郡御代田町馬瀬口1794-1
開催期間
2019年9月14日(土)〜2019年11月10日(日)
開催時間
10時00分〜17時00分(最終入場は16時半まで)
休館
会期中無休
入場料
一般1,500円、中学生以下および御代田町町民は無料(一部無料エリアあり)
参加写真家(発表会時点)
Sayuri Ichida(市田小百合)
1985年、福岡県生まれ。2012年からニューヨークを拠点に活動中。
Sanna Lehto(サナ・レート)
1990年、フィンランド・へルシンキ生まれ在住。ポートレートおよびファッション写真を主に撮影。
Naoyuki Hata(畑直幸)
1979年、岐阜県生まれ。オランダを経て、現在、大分在住。