写真展告知
FUJIFILM SQUARE 開館10周年記念写真展:二十世紀の巨匠 美と崇高の風景写真家 アンセル・アダムス
2017年11月3日 06:00
FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)は、今年3月30日に迎えた開館10周年を機に、「写真の過去・現在・未来」を発信するため開館記念写真展を12本開催しています。その1つとして、フジフイルム スクエアでは2017年11月17日(金)から12月6日(水)まで、二十世紀写真の巨匠アンセル・アダムスの作品展を開催します。
アンセル・アダムスは1920年代後半から約60年にわたりアメリカで活躍した最も著名な写真家の1人です。日本では1970年代から美術画廊や写真専門ギャラリーを通じて本格的に作品が紹介され、日本の写真家に多大な影響をもたらしました。広大な自然の中に見出した美と崇高の風景を精緻なモノクロ写真で表現した作品は、今も写真史上の金字塔として語り継がれています。
アダムスは1902年、アメリカ、サンフランシスコに生まれました。少年期、人一倍、好奇心旺盛だったアダムスは規律の厳しい学校教育に馴染めず、しかしその一方でピアノ演奏の才能を発揮し、やがてピアニストを目指すまでになりました。また、同時期に家族でヨセミテ渓谷を旅行し、写真を撮ったことから、ヨセミテの自然と写真に強く興味を抱くようになり、写真にも深く傾倒していきました。ピアニスト志望だったアダムスが写真に一生を捧げる決意を固めたのは、1930年に写真家のポール・ストランド(1890-1976)と出会ったことがきっかけでした。アダムスは彼のネガを見た瞬間に啓示を受け、創造的な写真とは何かを直観したといいます。アダムスは完璧なモノクロ写真を制作するための「ゾーン・システム」の発明や、写真市場の成立、写真教育機関の拡充など、写真におけるあらゆる分野の開拓者として現代写真の可能性を切り開き、生涯を通じてその発展に寄与してきました。「ネガは楽譜であり、プリントは演奏である」という、音楽家を志した経験を持つアダムス独自の印象的な格言は現在もよく知られるところです。
本展は、京都国立近代美術館の協力を得て、同館所蔵の写真コレクションである「ギルバート・コレクション」の中から厳選されたアンセル・アダムス作品約60点を一堂に展示します。風景写真、そして銀塩写真の最高峰として輝き続けるアンセル・アダムスのオリジナル・プリントは、写真表現とは何かという問いに、1つの明確な答えを与えてくれることでしょう。アダムス不朽の名作の数々をこの貴重な機会にご堪能ください。
会場
FUJIFILM SQUARE
東京都港区赤坂9-7-3
開催期間
2017年11月17日(金)~12月6日(水)
開催時間
10時~19時(入館は18時50分まで)
休業日
年末年始
ギャラリートーク
11月25日(土)13時30分~、15時30分~
上映会
11月25日(土)14時~、16時~
※各回ともに約30分の予定
作者プロフィール
1902年、アメリカ、サンフランシスコに生まれる。少年時代にピアノの才能に目覚め、コンサート・ピアニストを目指していたが、1930年に写真家ポール・ストランドに出会い、写真家を志すようになる。1932年、グループf/64を結成。1940年、ボーモント・ニューホールとともにニューヨーク近代美術館の写真部門の創設に携わる。1941年、完璧なモノクロ写真を制作するための技術「ゾーン・システム」を発明。1949年、ポラロイド社の顧問に就任。1975年、アリゾナ大学センター・フォー・クリエイティブ・フォトグラフィーの設置に助力する。1980年、カーター大統領より大統領自由勲章を授与される。1981年、最も有名な作品「月の出、ヘルナンデス、ニューメキシコ」の超特大プリントに写真市場で当時過去最高額の7万1,500ドル(当時日本円で約1,500万円)の値がつく。1984年、心不全のため82歳で死去。1985年、ヨセミテ国立公園の南東縁にある高さ3,584メートルの峰が正式にアンセル・アダムス山と命名される。生涯に開催された展覧会は500以上。ポートフォリオや写真集、技法書などの発行物も多数にのぼる。