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森山大道の東京 ongoing

ハッセルブラッド国際写真賞受賞後の日本初となる大規模個展

森山大道『東京ブギウギ』より2018年 ©Daido Moriyama Photo Foundation

政府による緊急事態宣言の全国的な解除と東京都の休業要請緩和に伴い、東京都写真美術館は6月2日からの再開を決定。展覧会「森山大道の東京 ongoing」などを開催している。展覧会の見どころと再開にあたっての同館の対応状況についてお伝えしたい。

森山大道の東京 ongoing

森山大道(1938年〜)氏が東京の街をとらえた最近の作品を含め、『記録』シリーズや、『Pretty Woman』、『K』などの同氏がこれまでに制作してきた作品が展示。展覧会タイトルの副題に「ongoing」とあるように「進化中、進化し続ける」をテーマに、森山氏の過去と“現在”がカラーおよびモノクロ作品を通じて展示される。

見どころ

今、世界で最も活躍の著しい写真家のひとりである、森山大道は、1960年代に「アレ・ブレ・ボケ」と呼ばれる従来の写真表現を否定する急進的な表現の写真を発表し、写真界に衝撃を与えました。本展は、海外で数々の大規模個展に出品し、2019年に写真界のノーベル賞とも言われる「ハッセルブラッド国際写真賞」受賞後、国内の美術館において初めての大規模個展です。本展は、デビューから55年を経た現在も、常に自分自身を更新し続ける、森山の現在進行形の仕事を紹介します。

また、本展では個人写真誌『記録』の最新号からのプリントを展示し、会期中に継続的に展示替えを行います。Ongoingな森山大道の活動を間近に見ることのできる貴重な機会です。

[以上、展覧会資料より引用]

展覧会情報

展示構成

森山氏の作品といえば、「アレ・ブレ・ボケ」とモノクロ写真を即座にイメージしがちだが、この展覧会ではカラーの同氏作品も展示される。カラーとモノクロの展示構成により、同館は森山氏の色彩と「リップ、マネキン、森山自身のポートレイトなど、繰り返し現れるグラフィカルなモチーフが印象的な作品群にご注目ください」とコメント。「鮮烈な色彩対比によって構成される展示空間で、オリジナルプリントが持つ迫力をご体感ください」と呼びかけている。

展示作品は、新宿ゴールデン街や池袋の路地裏などのほかに、渋谷スクランブル交差点や新宿駅東口、JR沿線などを捉えた作品が展示される、と案内している。

《三沢の犬》 1971年 ©Daido Moriyama Photo Foundation
『Pretty Woman』より 2017年 ©Daido Moriyama Photo Foundation
『Pretty Woman』より 2017年 ©Daido Moriyama Photo Foundation
『Pretty Woman』より 2017年 ©Daido Moriyama Photo Foundation

展覧会概要

・開催期間:2020年6月2日(火)~9月22日(火・祝)
・会場:東京都写真美術館3階展示室(東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
・開館時間:10時00分〜18時00分(※入館は閉館の30分前まで。木・金曜日の夜間開館は当面休止)
・休館日:毎週月曜日(ただし、8月10日、9月21日は開館、8月11日は休館)

その他の展覧会

「写真とファッション 90年代以降の関係性を探る」が同時開催されている。「写真とファッション」をテーマに、1990年代以降の写真とファッションの関係性を探ることがテーマ。インターネットの普及によりタイムラグなく最新のファッションショーや展示会の様子を知ることができるようになったことや、セルフィーによって受け手側が情報発信するようになったことなどを背景に、写真とファッションの関係を探る試みだとしている。「時代のターニングポイントとなった稀少なファッション誌の展示や、関連イベントなどとともに、様々な角度から写真とファッションをお楽しみください」と呼びかけている。

展覧会は新型コロナウィルスの感染拡大防止を目的として、同館休館にともない休止していたが、このほど会期延長にて開催されることとなった。会期は2020年7月19日まで。

新型コロナウィルス感染症対策

新型コロナウィルス感染症への対策として、同館では37.5度以上の発熱が確認された場合やマスクを着用していない来館者について、入館を遠慮してもらう方針を発表。その他の施策としてソーシャルディスタンスへの留意呼びかけや入場制限などの実施にて対応している。

これに伴い、入口は1階のメインエントランスと西口のみとなり、2階南口は施錠されている。来館時の注意点としてご留意いただけたら幸いだ。