コンテスト
ソニーの写真・映像アワード「THE NEW CREATORS」グランプリが決定
第2回も正式に開催決定
2025年5月30日 14:10
ソニーグループの4社が共同で新設した写真と映像のアワード「THE NEW CREATORS」の、第1回グランプリ受賞作品が5月30日(金)に発表された。
ソニーマーケティング、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、ソニー・ミュージックレーベルズ、ソニーPCLの4社が共同で創設したコンテスト。年齢・経験・撮影機材に制限を設けず、新しい才能の発掘などを目的としている。
第2回の開催も決定しており、詳細は公式ページで随時案内するとのこと。
グランプリ受賞作品
写真作品 自由部門
約100年前の大分県別府市の風景と現在の同じ場所を撮影して重ね合わせ、50年前の雨水だった温泉水と柿渋を使った温泉染めを施した作品。温泉の過剰な汲み上げなどによる源泉温度低下で温泉が減少している現状を踏まえ、100年後の未来への問いかけを込めた。
過去の誰かが撮影した写真に対する、作者なりの敬意は感じられた。積み重ねられた時間によって今があり、環境が変化していくことへの意識の顕れも読み取れた。1枚の写真で表現するという制限の中で、できる限りのことを考え、丁寧に仕上げようとした手跡が見て取れたことを評価した。
石川直樹氏(写真作品審査員)
今回の応募作の中で、最もコンセプチュアルでした。世界に対するあなたの問いをさらに磨いていってください。
蜷川実花氏(写真作品審査員)
映像作品 ドキュメンタリー部門
日本語しか話せない作者と中国語しか話せない家族との間で、言葉は通じなくても祖父の温かい眼差しと声への愛情を描いた極私的な物語。危篤の祖父のために中国語を学ぶ過程で、単語が家族との記憶として蘇る体験を映像化した。
創り手自身の経験による極私的な物語。それが作品に圧倒的なリアリティと独創性を与え、唯一無二たらしめている。そして、その個人的な『私』の話は、言葉の壁を超えて他者を理解したいという社会的な『公』の話にも繋がっている(ようにも受け取れる)。まるで記憶の断片を巡るような独自固有な編集技法は作品が持つ物語性と見事に合致し、この作品に一層の強度を与えている。独創性と技術が合致した唯一無二の作品だ。
上田慎一郎氏(映像作品審査員)
映像と音声のマッチングが素晴らしく、彼女のアイデンティティを探る旅に、いつの間にか引き込まれ、内にある温かい場所に連れて行かれました。別録りした音と映像を丁寧に1つずつ結んでいった結果、ラストの窓から夕景が見える同録のシーンがとても生きてくる。映像、音、声、環境音、無音などを重ねながらも、どれも輪郭がハッキリ伝わるバランスで編み上げたのは、心地良かったです。こんな作品に出会いたくて、今回、参加させてもらいました。
大喜多正毅氏(映像作品審査員)