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フォビオンセンサー搭載のミラーレス「SIGMA sd Quattro」
APS-Hセンサーのsd Quattro“H”も 一眼レフ用SAマウントを採用
2016年2月23日 14:05
株式会社シグマは2月23日、レンズ交換式のミラーレスカメラ「SIGMA sd Quattro」「SIGMA sd Quattro H」を発表した。一眼レフカメラ用のSAマウントのレンズを装着できる。
2製品とも発売日および価格は未定。
ついにQuttroセンサーでレンズ交換が
2012年3月発売のデジタル一眼レフカメラ「SD1 Merrill」の基本コンセプトを継承しつつ、ミラーレス構造としたレンズ交換式デジタルカメラ。レンズ一体型のSIGMA dp Quattroシリーズと同じく、Foveon X3 ダイレクトイメージセンサーを搭載する。レンズマウントはシグマSA。既存のシグマSAレンズを装着可能だ。
これまで、Quattro世代のFoveon X3 ダイレクトイメージセンサーでの撮影は、レンズ一体型のdp Quattroシリーズ(dp Quattro 0、dp Quattro 1、dp Quattro 2、dp Quattro 3)でしか体験できなかった。なぜならレンズ交換式のSDシリーズは、Merrill世代を採用するSD1 Merrillから更新されていなかったからだ。
sd Quattroが登場したことで、ここにきてレンズ交換式カメラでもQuattroセンサーの画質を享受できるようになった。しかもレンズはSAレンズなので、既存のSDシリーズユーザーは、手持ちのレンズ資産そのままで乗り換えられる。もちろん、Contemporary、Art、Sportsといった、近年のSIGMA GLOBAL VISIONシリーズも装着可能だ。
sd Quattroとsd Quattro Hでは、イメージセンサーのサイズが異なる。sd QuattroはいわゆるAPS-Cサイズ相当(23.4×15.5mm)、sd Quattro HはAPS-Hサイズ相当(26.6×17.9mm)。
実撮影画角は、sd Quattroがレンズ表記の焦点距離から約1.5倍相当、sd Quattro Hが約1.3倍相当となる。アスペクト比はともに3:2。
有効画素数は、sd Quattroが約2,900万画素(最大5,424×3,616ピクセル、トップ層1,960万画素)。この数値はdp Quattroシリーズと同等。
sd Quattro Hは約4,480万画素(最大6,200×4,152ピクセル、トップ層2,550万画素)。
RAWデータはロスレス14bit記録に対応する。最大解像度のHIGHに加えて、記録画素数を抑えたLOWも用意されている。その場合、sd Quattroが2,704×1,808ピクセル、sd Quattro Hが3,088×2,056ピクセル(ともにトップ層の数値)。
1回のレリーズで露出の異なる7枚の画像を撮影、専用のRAWデータ(X3Iファイル)を生成するSFD(Super Fine Detail)モードも搭載。RAW現像ソフトのSIGMA Photo Proを使い、広ダイナミックレンジかつノイズレスな画像が得られるという。X3IファイルからここのX3Fを分離することも可能だ。
画像処理エンジンは、dp Quattroと同名のデュアルTRUE III。
感度はISO100〜6400。
EVFは約236万ドット 位相差AFも搭載
SDシリーズではライブビューが不可能だったが、ミラーレスカメラのsd Quattroでは基本的にライブビューでの撮影になる。
背面モニターは3型約162万ドット。もうひとつ、絞り値やISO感度などの情報を表示するサブモニターも備えている。
電子ビューファインダー(EVF)は約236万ドット、倍率約1.09倍。接眼部にコーティングを施した3枚のレンズを使用し、クリアな視認性を実現したという。撮影者から向かってレンズ光軸から右側にシフトしているという、珍しい配置になっている。
背面モニターとEVFの切り替えは、本体背面のスイッチで可能。さらにアイセンサーを備えているため、EVFを覗くと自動的に背面モニターからEVFに切り替わるオートモードも指定できる。
有効画素のアスペクト比は3:2だが、記録時には1:1、21:9、7:6など、6種類から選べる。その際、撮像エリア以外を半透明で表示することが可能。撮像エリア以外の周囲の状況がわかるため、スポーツファインダーのような使い方ができるという。
AFにはコントラスト検出方式に加え、dq Quattroにない位相検出方式も採用する。シングルAFだけでなく、動体予測付きのコンティニュアスAFも搭載した。フォーカスピーキングも利用可能だ。
メモリーはdp Quattroの約2倍
シャッター速度は1/4,000〜30秒、バルブ(最大2分)。
連写性能はsd Quattroが3.6コマ/秒、sd Quattro Hが3.8コマ/秒。最大サイズのRAWデータの場合、最大連続記録コマ数はsd Quattroが14コマ、sd Quattro Hが10コマ。dp Quattroの約2倍となる容量のDDR IIIメモリーを搭載している。
アスペクト比、ホワイトバランスなどの8項目を登録し、ワンボタンで呼び出せるQS(クイックセット)メニューも利用できる。
記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード。UHS-I規格に対応する。PC接続用のUSB3.0インターフェイスも搭載。さらにHDMI端子も備えている。
バッテリーはBP-61。SD1 Merrill、dp Quattroシリーズとも別の大容量タイプだ。チャージャーも専用のBC-61となる。
BP-61を2本収納できるパワーグリップPG-41も用意される。ボディ本体のバッテリーとあわせ、約3倍の撮影が可能。コマンドダイヤル、AF/AELボタン、FUNCボタンも備えている。
本体上面にはホットシューを装備。sd Quattroの発表に合わせ、新しい大光量フラッシュEF-630の発売が予告されている。
sd Quattroとsd Quattro Hの外観はほぼ同じ。どちらも本体にはマグネシウム合金を採用し、防塵防滴仕様となっている。SDシリーズでおなじみのダストプロテクターも装備。光学ガラスによるシールド機構をマウント部に搭載することで、内部へのゴミ混入を最小限に抑えるという。
外形寸法は約147×95.1×90.8mm。SAレンズのフランジバックを確保するため、ミラーレスカメラの薄型ボディに、マウントアダプターを取り付けたような見た目になっている。質量は本体のみ約625g(sd Quattro Hは未定)。