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サンディスク、防滴・耐衝撃のポータブルSSDを国内発売
撮影に携帯できるバックアップ用外付けストレージ 速度はHDDの約4倍
Reported by 小山安博(2016/1/18 18:43)
サンディスクは18日、ポータブルSSDの新製品を発表した。「サンディスク エクストリーム510 ポータブルSSD」「サンディスク エクストリーム500 ポータブルSSD」と「サンディスク エクストリーム900 ポータブルSSD」の3製品で、2月から順次出荷する。
同社では、今回の製品を「イメージングコンパニオン」と呼び、プロのカメラマンやビデオグラファー、一般のカメラユーザーが撮影時に一緒に持ち歩いて使う製品としてアピールしていく。
現在、外付けストレージ市場はHDDが5,500万台規模で、ポータブルSSD市場は27万6,000台(いずれも2015年)とまだ小さいが、前年比で136%増と伸びており、2018年には350万台規模に達すると見込む。
サンディスクは、内蔵SSDにおいて2015年下半期に国内シェア1位を獲得しているが、新たにポータブルSSD製品を提供して市場の拡大を図りたい考え。同社には「エクストリームチーム」と呼ばれるプロカメラマンのチームがあるが、そこでのアンケート調査によれば、要求はおおむね「速度」、「携帯性」、「耐久性」の3点に集約されたようだ。
こうした点に答えるため、エクストリーム500/510は、手のひらに収まるコンパクトなサイズに衝撃に強い素材にゴム製バンパーを搭載するなど、1.8mの高さからの落下に耐える耐衝撃性能を備えた。510にはさらにIP55の防塵防滴性能を搭載。
容量はエクストリーム510が480GB、500が120/240/480GBの3種類。転送速度は連続読み出し速度が最大430MB/秒、書き出し速度が最大400MB/秒。発売はエクストリーム500が2月、510が4月の予定。市場想定価格はエクストリーム500の120GBが1万5,000円、240GBが2万円、480GBが3万5,000円、エクストリーム510は3万8,000円の見込み。
エクストリーム900は、SSDを2枚搭載してRAID 0構成で転送速度を向上させたモデル。インタフェースにUSB Type-C(USB3.1 Gen.2)を採用し、転送速度は読み出し、書き込みともに最大850MB/s。HDDと比べて9倍という転送速度を実現しており、ポストプロダクションのようなプロフェッショナルでの利用を想定する。
容量は480GB、960GB、1.92TBの3種類が用意される。アルミ素材とゴム製のクッションを配置したボディで耐衝撃性を高めており、SanDisk SecureAccessによる暗号化機能も提供される。
発売は4月の予定で、市場想定価格は480GBが4万5,000円、960GBが7万5,000円、1.92TBが12万円となっている。
米SanDiskのSSD/USB担当プロダクトマーケティングディレクターのフィリップ・ウィリアムス氏は、「カメラマン、ビデオグラファーなど、常に外で仕事をしていて、厳しい環境でも仕事をしないといけない人にとって最適なものを提供する」と話し、そうしたユーザーの要求に応える製品だとアピールする。
会見には、モータースポーツフォトグラファーの熱田護氏が参加し、実際にエクストリーム500とエクストリーム900を利用した感想を紹介。熱田氏はF1GPのカメラマンとして、MacBook ProとThunderbolt接続のHDDを2台持ち歩いているという。1台は、その時の撮影画像の保存用で、もう1台は過去の写真を持ち歩いて、いざという時の依頼などに応えるようにしているそうだ。
F1GPの撮影は1レース4日間で、熱田氏は多いときで450GB程度、少ないときでも350GB程度の撮影をするそうだ。従来は撮影してMacに取り込んだものをHDDに転送していたが、画像点数が多くなると転送時間が長くなってしまうのが悩みだった。
エクストリーム500を使ったところ、従来のHDDの転送時間が1分35秒で、それが43秒になったという。熱田氏は、転送時のプログレスバーの動きが「尋常ではなくて、今まで見たことのない速度だった」、「写真を一杯撮るカメラマンにとって、転送速度の速さは大きな武器になる」と話す。
エクストリーム900は、デスクトップPCに接続して利用したそうだが、本体に画像を移すのではなく、エクストリーム900上で作業を行ったところ、「(こちらの方が)サクサクと動いたため、仕事のやり方を変えてもいいのではないか」と熱田氏。
ウィリアムス氏は、ポータブルSSD市場が「まだ規模は小さい」としつつ、プロカメラマンなどに対して、「ポータブルSSDがイメージングコンパニオンである」という点をアピールし、今までのソリューションとは異なる製品が登場したことを強調していくことで、市場の拡大を目指していきたい考えを示している。