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キヤノンから2つのエントリーEOS「8000D」「Kiss X8i」

上面液晶パネルとサブ電子ダイヤルを装備

EOS 8000D
EOS Kiss X8i

キヤノンは、エントリークラスの一眼レフカメラ2製品を4月下旬に発売する。EOS Kissシリーズの最新モデル「EOS Kiss X8i」と、ワンランク上の操作性を狙った新カテゴリーモデル「EOS 8000D」だ。

EOS 8000D

同時発表のEOS Kiss X8iと同じ基本機能ながら、上面液晶パネルやサブ電子ダイヤルなどが設けられた上級モデル。EOS 70DとEOS Kiss X8iの中間に位置する。

メインターゲットは「もっと写真を楽しみたい一眼レフ入門者」。30代以上の男性、特に50代を重視しているという。一方、EOS Kiss X8iは女性がメインターゲットとなる。

価格はオープン。キヤノンオンラインショップでの直販価格は、ボディのみが9万7,800円、18-135レンズキットおよびダブルズームキットがそれぞれ13万4,800円(いずれも税別)。

撮像素子はAPS-Cサイズ相当の有効2,420万画素CMOSセンサー。EOS Kiss X7iまでは有効1,800万画素だったので、今回、エントリークラスのEOSで初めて2,000万画素を突破したことになる。映像エンジンもアップデートされており、DIGIC 5からDIGIC 6になっている。

引き続きキヤノンEFマウントを採用し、EF-Sレンズを含むEFレンズが使用可能(EF-Mレンズを除く)。有効撮影画角は、表記焦点距離の約1.6倍に相当する。

AFセンサーの測距点は、9点から19点へと増加。全点がクロスセンサーとなっている。

ファインダー内にはAFフレームだけでなく、水準器、アスペクト比フレーム、測距エリアモード、フリッカー検知なども表示可能。EOS 7D Mark IIと同様の仕組みで、キヤノンではインテリジェントビューファインダーと呼ぶ。

測光システムも強化された。7,560画素RGB+IR測光センサーに加え、色情報をも見る測光アルゴリズムを採用する。

この色検知を応用し、EOS初の色検知AFが実現した。肌色を検知することで、例えば手前の樹木ではなく、人物を優先的に合焦する。シーンモードで使われるEOSシーン解析システムも機能アップ。人物モードでは肌色検知により、AE精度が向上しているという。EOS 7D Mark IIで採用例のあるフリッカー検知も可能になっており、携行灯などのフリッカー光源の変化による露出のばらつきを抑える。

ライブビュー時には、引き続き「ハイブリッドCMOS AF」が利用可能。ただし、EOS Kiss X7が採用した「ハイブリッドCMOS AF II」を飛び越えて、「ハイブリッドCMOS AF III」が搭載されている。位相差AFの精度向上をもとに、条件によってはコントラストAFによる最後の追い込みを行なわず、位相差AFのみで合焦まで持っていくもの。ライブビューAFの速度がさらに高速化したという。EOS Kiss X7に対し、最大約4.8倍の高速化が見込めるとのことだ。

なお、EOS Kiss X8iと異なり、ライブビュー時にサーボAF+連写が可能。これは連写中に液晶モニターが消えない「LV表示」に対応したため。被写体を追いかけながらの連写が便利になったという。ライブビュー時の連写性能は3コマ/秒、光学ファインダー時は5コマ/秒。

外観上のEOS Kiss X8iとの違いは、EOSエントリー初の上面液晶パネルを備えていること。また、背面には上級機と同じく、回転式のサブ電子ダイヤルを搭載した。軽量コンパクトな本体を維持しつつ、より本格的な操作性を求めるユーザーを狙った結果という。モードダイヤルも従来のKissは右肩にあったが、本機では左肩に設置され、されにロック付きになっている。

その他、新しい装備としては、Wi-Fi機能がNFCに対応した。同時発表の「Connect station CS100」にタッチするだけで、ワイヤレスでの画像保存が開始する。

細かいところでは、歪曲収差補正がカメラ内で可能になった。

液晶モニターはバリアングルタイプの3型約104万ドット。タッチ操作も行なえる。

ファインダーは視野率約95%、倍率約0.85倍(50mmレンズ使用時)。

記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード(UHS-I対応)。

電源はバッテリーパックLP-E17。撮影可能枚数は、常温でのファインダー撮影で約約440枚。

動画記録はMPEG-4 AVC/H.264(最高1080/30p)。

外形寸法は約131.9×100.9×77.8mm。質量は約565g(CIPAガイドラインによる)/約520g(本体のみ)。

バッテリーグリップBG-E18(税別1万4,000円)を装着

EOS Kiss X8i

こちらがEOS Kiss X7iの順当な後継モデル。女性をターゲットとしており、シンプルな操作でありながら、基本機能を充実させたモデルとなる。

なお2月6日現在、EOS Kiss X7の後継機は発表されていない。

基本機能はEOS 8000Dと同等。繰り返しになるが、EOS 8000Dとは上面液晶パネル、サブ電子ダイヤル、モードダイヤルの位置、LV表示モードなどの差異が見られる。

ファインダー、液晶モニター、記録メディアなどの仕様は共通。

約131.9×100.7×77.8mm。約555g(CIPAガイドラインによる)、約510g(本体のみ)。

価格はオープン。キヤノンオンラインショップでの直販価格は、ボディのみ9万2,800円、18-55STMレンズキットが10万1,800円、ダブルズームキットが12万9,800円(いずれも税別)。

なお、EOS 8000Dとレンズキットの構成が異なることに注意。EOS 8000DにはEF-S18-135mm F3.5-5.6 ISが、EOS Kiss X8iにはEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STMが付属する。ダブルズームキットはどちらもEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STMとEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMの組み合わせとなる。

ボディおよびダブルズームキットの場合、EOS 8000DとEOS Kiss X8iの価格差は5,000円だ。

バッテリーグリップBG-E18(税別1万4,000円)を装着

(本誌:折本幸治)