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PENシリーズフラッグシップ「OLYMPUS PEN E-P5」
上下可動式モニター、Wi-Fi、1/8,000秒シャッターなど
(2013/5/10 14:04)
オリンパスは、同社マイクロフォーサーズカメラ「PEN」シリーズの最上位モデル「OLYMPUS PEN E-P5」を6月下旬に発売する。価格はオープンプライス。カラーはシルバー、ブラック、ホワイトを用意する。
製品名 | 同梱品 | 店頭予想価格 |
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ボディーキャップレンズセット (受注販売) | BCL-1580(ボディーキャップレンズ) | 10万円前後 |
17mm F1.8レンズキット | M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 VF-4(EVF) | 14万円前後 |
14-42mmレンズキット | M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R VF-4(EVF) | 12万円前後 |
「OLYMPUS PEN E-P3」(2011年7月発売)の後継モデルで、PENシリーズの最上位機種に当たる。画素数は有効1,605万になり、同社マイクロフォーサーズカメラのフラッグシップモデルである「OLYMPUS OM-D E-M5」に並んだ。画像処理エンジン「TruePic VI」や薄いローパスフィルターを使用して解像感を向上させるファインディテール処理などを引き継いでおり、E-M5同等の画質だとしている。
外観は従来のPEN一桁モデルのテイストを踏襲しているが、これまで“OLYMPUS”とあった前面のロゴを変更。新たに”OLYMPUS PEN”となり、銀塩のPENを思わせるフォントを採用している。
E-P5では新たにフロンドダイヤルを設け、前後ダイヤルによる新操作系「2×2ダイヤルコントロール」を初採用した。背面に2ポジションからなるレバーを設け、レバーの切り替えで前後ダイヤルの機能を切り替えることができる。例えばレバーポジション1の時フロントダイヤルで露出補正、リアダイヤルで絞りまたはシャッタースピードの変更をおこない、レバーポジションを2に切り替えるとフロントダイヤルで感度、リアダイヤルでホワイトバランスの設定ができるようになる。2×2ダイヤルコントロールは機能割り当てのプリセットが4つあるほか、レバーポジションとダイヤル別に割り当て機能をカスタマイズすることもできる。
同社マイクロフォーサーズ機で初めてとなるWi-Fi機能も搭載した。カメラとスマートフォンなどのペアリングは、QRコードを用いて簡単に行なえることを特徴とする。液晶モニターのWi-Fiボタンを押すとQRコードが表示され、これをスマートフォンで読み込むことで設定が行なわれる仕組み。
Wi-Fi機能では、スマートフォンなどでE-P5のライブビューを見ながら撮影することもできる。その際、スマートフォンでピントを合わせたい場所にタッチしてシャッターを切れる。集合写真向けの音声カウントダウン機能やミラー表示機能も備える。スマートフォンへの画像転送ではカメラの再生画面でシェアマークを付けると、スマートフォンでマークを付けた画像が一覧表示され、複数枚の画像を一括で転送できる。
本機はGPS機能を搭載していないが、スマートフォンで取得したGPSログをカメラに転送することでカメラで撮影した写真に位置情報を付加することができる。
シャッター速度(メカニカル)は最高1/8,000秒に対応した。同社では1/8,000秒のシャッターを搭載した世界初のミラーレスカメラだとしている。E-M5やE-P3は最高1/4,000秒だった。ストロボの最高同調速度は内蔵ストロボが1/320秒、外部ストロボが1/250秒となっている。
高速レリーズタイムラグモードも新搭載した。タイムラグが通常時の0.050秒から0.044秒に短縮される。同モードをした場合バッテリーの撮影可能枚数が約60枚減少する。
AFでは従来よりもピンポイントに合わせることができるスーパースポットAFを搭載した。14倍の拡大表示時で、画面対角の1/70のサイズのAF枠を利用できる。
背面モニターが固定式だったE-P3に対して、上下可動式(上80度、下50度)を新たに採用している。パネルの方式はE-P3の有機ELから液晶に変更された。
ボディ内手ブレ補正はE-M5と同じ5軸手ブレ補正機構を搭載するが、新たに流し撮り自動検知して補正方向を適切に制御するようにした。斜め方向への流し撮りにも対応するという。手ブレ検知センサーはE-M5同様、ブレ検出に最適というレンズ光軸上部に配置した。
コンパクトデジタルカメラの「OLYMPUS STYLUS XZ-10」で採用しているフォトストーリー機能もPENシリーズで初めて搭載した。1つのシーンを複数視点で別々に撮影して1枚の写真に仕上げる機能となっている。
従来からのインターバル撮影に加えて、タイムラプス動画を自動作成できる機能も搭載した。
記録メディアはSDXC/SDHCメモリーカードなど。Eye-Fiカードにも対応する。
ウッドグリップのプレミアムモデルも
E-P5にあらかじめウッドグリップを装着した「プレミアムモデル」を数量限定で用意する。発売は6月下旬。すべての販売形態で注文でき、価格はベースモデル+6,000円程度になる見込み。受注販売で納期は2~3週間。
グリップはカナダ産のカーリーメープルを採用した。なお、E-P5はユーザーによるグリップ交換ができない仕様となっている。
約236万ドットの新外付けEVF
外付けEVFで同社最高スペックとなる「VF-4」(3万3,600円)を6月下旬に単体でも発売する。
従来の「VF-2」(約144万ドット、1.15倍)から画素を引き上げたほか、倍率も1.48倍にして視認性を高めた。パネルは液晶でカラーフィルター式。最適な接眼光学系を搭載することで、画面周辺部でも歪みや色滲みのない見えを実現したとする。表示タイムラグは従来より速いという0.032秒となっている。
従来無かったアイセンサーを内蔵し、覗くと自動的に表示が切り替わるようにした。液晶モニターのチルト時や再生メニュー時にはアイセンサーはOFFになるよう配慮した。ボタンによる手動表示切り替えも可能。アイセンサーの切り替えタイムラグ0.4秒。引き続き上方へのチルトが可能。なお、アイセンサーはE-P5と同日発表の「OLYMPUS PEN Lite E-PL6」でのみ機能する。
VF-4は、アクセサリーポートを備えるPENシリーズで利用可能。「OLYMPUS PEN Lite E-PL5」以前のモデルではファームウェアをアップデートする必要がある。ただし、「OLYMPUS PEN Lite E-PL2」以前のモデルでは画面の精度が低くなるとしている。
本革のバッグなども用意
プレミアム本革カメラバッグ「CBG-9PR」(4万円前後)、プレミアム本革ストラップ「CSS-S117L PR」(1万円前後)、プレミアム本革ボディージャケット(1万3,000円前後)を8月に数量限定で発売する。いずれも日本のタンナーでなめした同じ革素材を採用している。
そのほか、本革ボディージャケット「CS-40B」(5,670円)を6月下旬に発売する。カラーはブラック、ブラウン、ライトブラウン。
主な仕様
製品名 | E-P5 | E-P3(参考) | E-M5(参考) |
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発売時期 | 2013年6月下旬 | 2011年7月 | 2012年3月 |
撮像素子 | 4/3型Live MOSセンサー (約17.3×13mm) | ||
有効画素数 | 約1,605万 | 1.230万 | 約1,605万 |
最高感度(拡張含む) | ISO25600 | ISO12800 | ISO25600 |
液晶モニター | 3型液晶 上下可動式 約104万ドット | 3型有機EL 約61万ドット | 3型有機EL 上下可動式 約61万ドット |
タッチパネル | ○ | ||
内蔵EVF | ― | ○ | |
最高シャッター速度 | 1/8,000秒 | 1/4,000秒 | |
動画圧縮方式 | H.264 | ||
最大動画記録サイズ | 1,920×1,080 (30p) | 1,920×1,080 (60i) | |
バッテリー | BLN-1 | BLS-1、BLS-5 | BLN-1 |
撮影可能枚数 | 約400枚 | 約330枚 | 約360枚 |
幅 | 約122.3mm | 約122mm | 約121mm |
高さ | 約68.9mm | 約69.1mm | 約89.6mm |
奥行 | 約37.2mm | 約34.3mm | 約41.9mm |
質量 | 約420g | 約369g | 約425g |
※質量はバッテリー、記録メディアを含む